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連覇がかかる2023年シーズンに向け、移籍や復帰、新加入で7選手が加わっています。

横浜F・マリノスは来月(2023年)2月17日(金)に開幕するJ1リーグの新シーズンを前に新体制の発表会を開き、新加入の選手らが抱負を語りました。

新加入した7選手とともに写真におさまるケヴィン・マスカット監督(左3人目)(1月14日)

先週1月14日、完成したばかりの「F・マリノススポーツパーク~トリコロールベース久里浜」(横須賀市久里浜)からインターネットで生中継された新体制発表会。

昨年(2022年)12月に黒澤良二前社長からチームの経営を受け継いだ中山昭宏社長が登壇し、「リーグ優勝は決して簡単なことではないが、さらなる成長を目指し、一つ一つの試合を大切にして常に勝利を追求したい」とあいさつしました。

F・マリノススポーツパークで行われた新体制発表会であいさつする中山社長、右側は今年も司会を担当した小山愛理さん

前季は3年ぶりのリーグ優勝で終えたF・マリノスですが、チーム内では全試合に先発出場しJリーグ最優秀選手賞(MVP)も受賞したDF(ディフェンダー)の岩田智輝選手がスコットランドのセルティックFCに期限付きで移籍し、FW(フォワード)では2019年の得点王に輝いた仲川輝人選手がFC東京へ移り、前季はリーグ6位となる11得点を決めたレオ・セアラ選手もセレッソ大阪へ移籍しています。

トップチームダイレクターの西澤さん(右)とアンバサダーの波戸さん(真中)、クラブシップ・キャプテンの栗原勇蔵さん(左)が新シーズンのチームを解説

新シーズンに向けては、他チームから3選手を獲得し、期限付き移籍していた2選手が復帰、大学から2選手が新たに加入しました。

柏レイソルなどから3選手が移籍

F・マリノスに移籍した(左から)井上、上島、植中の3選手

柏レイソルから移籍したDFの上島(かみじま)拓巳選手(25歳)は、「(前季は)セットプレーでの失点が多かったので、サイズのあるディフェンダーとして獲得に至った」とトップチームダイレクター・西澤淳二さんが評価するJリーグ経験が豊富な選手。

千葉県出身の上島選手は柏レイソルのアカデミー、中央大学を経てレイソルに入団、2020年のみアビスパ福岡にいたが、レイソル歴が長い。昨年は24試合に出場している

上島選手は「次のW杯(ワールドカップ)を目指すうえで、F・マリノスだったら目標に近づけると思い、自信を持って決断した」と移籍の背景を話します。

一方、大分トリニータから移ったMF(ミッドフィルダー)の井上健太選手(24歳)は、「スピードがある選手」(西澤さん)との評価。

井上選手は磯子区の大崎SCや戸塚区の横浜ジュニオールSCを経て立正大淞南(島根県)、福岡大学と歩み大分トリニータに入団。マリノスの印象を「攻めて攻めて攻めまくるチーム」と話していた

井上選手は横浜市の出身で「サッカーを始めた頃から日産スタジアムへ観戦に行き、中学生の頃は新横浜で練習していた」と振り返り、「憧れていたクラブで、いつかはプレーしたい強い気持ちがあった。マリノスファミリーに加わることができて嬉しい」と話しました。

「F・マリノスに今までいなかったタイプ」(アンバサダー・波戸康広さん)との評もあるFW植中朝日選手(21歳)はV・ファーレン長崎から移籍した期待の若手。

福岡県出身の植中選手は、2021年7月に就航したばかりの「東京九州フェリー(横須賀~北九州)」で横須賀までやってきたといい、「めっちゃ自分のためのフェリーなのかなと思ってしまう」と笑顔で話していた

植中選手は「FWが点を取りやすいサッカーで自分に合っている。ゴール前の駆け引きが特徴なので、ゴールの結果にこだわっていきたい」と決意を示しました。

2選手が復帰し、大学から2選手加入

期限付き移籍から復帰したGK(ゴールキーパー)の白坂楓馬(ふうま)選手(26歳、鹿児島ユナイテッドFC)とMF榊原彗悟(さかきばらけいご)選手(22歳、ラインメール青森FC)は、どちらもF・マリノスの下部組織(アカデミー)で鍛えられた縁の深い選手。

白坂選手は2021年シーズンにHonda FCからF・マリノスに完全移籍したが、鹿児島ユナイテッドFCへ期限付き移籍していた

白坂選手は横須賀にあるジュニアユース追浜(おっぱま)の出身で、「中学時代に面倒をみてもらい、自分の土台をつくってもらった」といい、「まずは(レベルを)F・マリノス基準に上げていき、スタメンが目標」と話します。

ユース出身の榊原選手も「目標だったので、ここに帰って来られれたことが嬉しい。お手本となるプレーヤーがたくさんいるので吸収していきたい」と意欲を見せていました。

榊原選手は2022年シーズンにF・マリノスとプロ契約を結び、ラインメール青森FCへ期限付き移籍していた

また、新人選手では、明治大学から加入したMF木村卓斗選手(22歳)は小学生の頃からF・マリノスの下部組織でプレーしており、「ずっとこのクラブのピッチでユニフォームを着て戦いたいと思っていた。どんな形でも試合に出たい」と話します。

関東学院大出身の村上選手(左)と明治大出身の木村選手

関東学院大学(金沢区)で活躍したFW村上悠緋(ゆうひ)選手(22歳)は、「大学とは違って強度の高い練習」というプロ生活に少しずつ慣れながら、「特徴は得点力なのでチームに貢献していきたい」と決意を語りました。

チーム全体で底上げと成長が大事

このほかチームスタッフでは、2021年シーズンに現役を引退し、昨年はマリノスサッカースクールでコーチをつとめていた港北区出身の富澤清太郎さん(東京ヴェルディやF・マリノスなどで活躍)が「チーム統括部強化」として、選手の獲得も含めたチーム強化業務に携わるポジションに就いています。

新シーズンは港北区出身の富澤さんがチーム強化業務に就く(2022年6月、港北区内の小学校で)

新シーズンも指揮をとるケヴィン・マスカット監督は、「未来を見据えた補強で、新加入選手を楽しみにしている」といい、「経験のない選手たちが目立つかもしれないが、優勝を経験した選手たちがいるなかで、その融合が興味深い」と話します。

新シーズンの展望を語るマスカット監督(1月14日)

また、「連覇の翌年は難しいことを知っている」ともいい、「チーム全体で底上げが必要だ。成長が大事になってくる」と力を込めていました。

前シーズンは主力選手が抜けるなかで、新加入選手も含めたチームの底上げによってリーグ優勝を果たしているだけに今シーズンも各選手のさらなる成長が特に重要となりそうです。

2023年シーズンはGK4人、DF9人、MF9人、FW8人の計30選手で臨む(F・マリノスの報道資料より、1月14日時点)

※2月14日追記:その後、GK・高丘陽平選手(背番号1)が海外移籍を視野にチームを離れることが決まり、2月9日には2019年途中までF・マリノスに所属したGK・飯倉大樹(ひろき)選手がヴィッセル神戸からの完全移籍で“復帰”となることが発表されています。背番号は21

2023年シーズンの新加入選手(1月14日時点)

<新加入>

  • MF・背番号34:木村卓斗選手(22歳、明治大学)※横浜F・マリノスユース出身詳細
  • FW・背番号36:村上悠緋(ゆうひ)選手(22歳、関東学院大学)[詳細

<期限付き移籍より復帰>

  • GK・背番号31:白坂楓馬(ふうま)選手(26歳、鹿児島ユナイテッドFC)※横浜F・マリノスジュニアユース追浜出身詳細
  • MF・背番号35:榊原彗悟(さかきばらけいご)選手(22歳、ラインメール青森FC)※横浜F・マリノスユース出身詳細

<他チームから移籍加入>

前シーズン以降の主な移籍選手

  • GK・背番号34:中林洋次選手→契約満了後に南葛SC(葛飾区=社会人クラブ)加入[詳細
  • DF・背番号24:岩田智輝選手→セルティックFC(スコットランド)へレンタル移籍[詳細
  • DF・背番号36:西田勇祐選手→AC長野パルセイロへ育成型期限付き移籍[詳細
  • MF・背番号35:樺山諒乃介選手→サガン鳥栖へ完全移籍[詳細
  • FW・背番号9:レオ セアラ選手→セレッソ大阪へ完全移籍[詳細
  • FW・背番号23:仲川輝人選手→FC東京へ完全移籍[詳細
  • FW・背番号39:ンダウ ターラ選手→FC大阪(今季からJ3昇格)へ完全移籍[詳細

新ユニフォームは大胆なデザイン

左から2nd(セカンド)ユニフォームの藤田譲瑠(じょえる)チマ選手、1st(ファースト)ユニフォームの喜田選手、ゴールキーパーユニフォーム(1st)のオビ・パウエル・オビンナ選手(1月14日)

2023年の新ユニフォームは、ゴール裏観客席でサポーターが掲げる3色の“トリコロールバンデーラ”をユニフォームの中心に採用したのが特徴。

新ユニフォームに袖を通したキャプテンの喜田拓也選手は「サポーターのみなさんと一緒に戦っている感覚を持てる」と話していました。

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「日吉のヒーロー」富澤さんが母校に帰る、教室コーチ就任で“交通安全”も指導(横浜日吉新聞、2022年6月15日、今年からチーム統括部に所属)

【参考リンク】

2023 横浜F・マリノス新体制発表会レポート(横浜F・マリノス)

2023シーズン ユニフォーム発表(横浜F・マリノス)