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横浜市が当初委託したシステム開発事業者と紛争状態となり、リニューアル化が大幅に遅れている市の公式サイトについて、林文子市長は来年(2017年)1月から作業を再開し、3年間かけて2020年3月(平成31年度)までに刷新を終えたいとの考えを示しました。これに先立つ2019年3月末には主要ページのみ公開する方針。現在(2016年12月)開会中の市会で明かしました。

スマートフォンで見るためにはクリック箇所を拡大しながら目的の情報を探し出す必要がある横浜市公式サイト

スマートフォンで見るためにはクリック箇所を拡大しながら目的の情報を探し出す必要がある横浜市公式サイト

市の公式サイトをめぐっては、スマートフォンに対応していないだけでなく、サイト内に14万ものページが存在するため「欲しい情報にたどり着けない」との声が上がっていました。そのため、市では2014年からリニューアル作業に着手し、今年3月には新たなサイトを公開する予定で開発を進めていました。

ところが、開発事業者が技術的な問題を解決できなかったことを機に、昨年12月ごろから市側と業者側の意向が食い違う事態が発生。最終的には双方が弁護士を通じてのみ話し合う状態となり、現在も作業が止まったままです。

市は当初委託した業者に対し、1億7000万円超の損害賠償を求めて訴訟を行う方針を示すとともに、新たな業者と契約することで、作業を再開したい考えです。

現在の横浜市公式サイトはトップページにリンク先が数多くある

現在の横浜市公式サイトはトップページにリンク先が数多くある

一方、「設計書や報告書が専門的な内容だったため、(市職員などの担当者が)正確に把握することが大変難しかった」(林市長)との反省から、開発費とは別に7200万円の予算を計上し、進捗管理などを行うコンサルティング専門事業者も置く方針。

また、開発事業者と同等の知識がなくても市の職員らが作業内容の確認ができるように、資料作成の基準などが詳細に定めた「AIST(アイスト)包括フレームワーク」という手法を導入するとのことです。

今度こそ、スマートフォンでも見やすく、情報にたどり着きやすい公式サイトを誕生させることはできるのでしょうか。

※2018年3月9日追記:横浜市が当初のWebサイト開発事業者に損害賠償を求めた訴訟については、当初事業者側が市に4500万円余を支払うことで和解となりました。詳細はこちらのPDFファイルをご覧ください。また、新たなWebサイトの再構築業務は、株式会社日立製作所横浜支社に2017年12月付けで4億6000万円余で発注しています。詳細はこちらのページをご覧ください。

【関連記事】

スマホで“超”見づらい横浜市のホームページ、リニューアルできない驚きの理由(2016年9月17日、これまでの経緯)

【参考リンク】

横浜市ウェブサイトの再構築のスケジュールとこれまでの経緯PDF、2016年12月12日、横浜市会に提出された資料より)

横浜市会の録画中継(12月6日開催分の映像は8日ごろ公開、主要3会派がいずれも公式サイト問題を質問)

市第90号議案「損害賠償及び不当利得返還についての訴えの提起」PDF、当初開発事業者に対する訴訟内容、2016年12月6日に横浜市会へ提出)