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JR菊名駅の店舗が港北区で初の“無人決済ファミマ”となりました。

港北区内に36店を展開する株式会社ファミリーマート(東京都港区)は、商品を手に取ると価格が自動的に計算される“無人決済システム”を導入した小型店「ファミリーマートJR菊名駅/S店(サテライト店)」をきょう(2024年)5月31日にオープンしました。

JR菊名駅の改札口横にあったJR東日本系の小型コンビニ「ニューデイズ・キオスク(NewDays KIOSK)」の跡にオープンした「ファミリーマートJR菊名駅/S店」は無人決済システムを導入しているが、見た目は他の小型店と変わらない(5月31日)

JR菊名駅の改札口横に設けられた同店は、利用者が商品を手にとった段階で棚のセンサーと天井に取り付けられた16台のカメラが商品内容や数量、価格を検知し、出口に置かれた決済用ディスプレイに購入金額が表示されるのが特徴。

セルフレジのように購入商品のバーコードを読み取る必要がなく、利用者は購入する商品の金額を確認し、現金や電子マネー、クレジットカードなどで支払うことで買物が完了します。

また、店舗側にとってはレジ業務がなくなるため、従業員は商品の補充など他の業務にあたることができ、少人数での運営が可能となる利点があります。

同店は約22平方メートルと小型だが飲料やパン、サンドイッチ、おにぎり、菓子などを中心に約500の商品を取り扱う(5月31日)

店舗内に従業員が見当たらない“無人”という状態になったとしても、「店内カメラの台数が多いためか、決済をせずに商品が持ち帰られるようなケースは従来店舗と比べ少ない」(ファミリーマートリクルーティング・開発本部の太田裕資副部長)といいます。

ファミリーマートではこうした無人決済システムを用いた小規模の店舗を2021年3月からオフィスビル内や事業所のバックヤード、学校内をはじめ、西武鉄道や東武鉄道、近鉄(近畿日本鉄道)、名鉄(名古屋鉄道)、JR東日本の“駅ナカ”にある一部のコンビニを含めて約40店を展開。

今回の「JR菊名駅/S店(サテライト店)」は無人決済システム導入店として神奈川県内で3カ所目となり、一般利用できる店舗では初。港北区内で既存のファミリーマートを運営する事業者による小型の“サテライト店(S店)”という位置付けになっています。

ファミリーマートでは、「マイクロマーケット(小規模商圏)を対象とした小型店はまだ出店余力(事業の成長余力)がある」(太田副部長)とみて今後も出店を行っていく考えです。

利用者は商品を手に取って出口の決済用端末で精算する以外の手間がなく、店内で商品をカバンのなかに入れても自動的に計算される(5月31日)

ファミリーマートが導入している無人決済システムは、JR東日本スタートアップ株式会社(東京都港区)などにより設立された株式会社TOUCH TO GO(タッチ・トゥ・ゴー、東京都港区)が店舗の人手不足解消を目指して開発したもの。

2020年3月に開業した高輪ゲートウェイ駅(東京都港区)で実験的な駅売店を出店し、販売現場でのシステム精度を高めてきました。

ファミリーマートの導入店向けには、吊り下げ型の商品棚や、傘の販売に用いるセンサー付きの箱型ボックスなどを新たに開発し、無人決済店で取り扱いできる商品の種類を増やしています。

飲食物に加え、マスクやハンカチといった小物も取り扱い、ビニール傘も販売。商品棚は一般的なファミリーマート店舗と変わらないがセンサーが搭載されている(5月31日)

「タッチ・トゥ・ゴーのシステムは、無人決済のためのアプリを入れたり、入店時に何らかの手続きを行ったりする必要はなく、どなたも通常店舗と同様に使えます。また、商品棚も従来の店舗と変わらない」とファミリーマートの太田副部長は話します。

ただ、今回のJR菊名駅/S店では、通常のファミリーマートの店舗で取り扱っている店内調理の「ホットスナック」類はなく、年齢確認が必要な酒類とタバコの販売も行われていません。

これらの商品も技術的には無人決済システムで販売が可能な段階になっているといい、販売商品の幅がさらに広がれば、通常のファミリーマート店舗でも“無人決済店”となる日は遠くないのかもしれません。

▼港北区内のファミリーマートについて
港北区内の「ファミリーマート」店舗は区内全地域にあり、今回の「JR菊名駅/S店」で36店目新横浜エリアは市営地下鉄の売店的な「はまりん新横浜駅店」や横浜労災病院内を含め11店舗を置く集中地域。次に旧「サークルK」と旧「サンクス」から転じた店が複数ある日吉エリアに店舗が多い。菊名駅西口に近い大豆戸町の「リコス菊名駅西店」は、日本で初めてミニスーパーの「mini(ミニ)ピアゴ」(当時、現「リコス」)との一体型店として2016年にオープンしためずらしい店舗となっている。

リコス菊名駅西店は当時のユニー・ファミリーマートホールディングス(現ファミリーマート)が傘下にあったコンビニとミニスーパーを一体化した店舗の1号店として菊名駅西口近くにオープンした。ミニスーパーは傘下から離れて別の会社となった現在も一体店として残る(2023年8月)

)この記事は「新横浜新聞~しんよこ新聞」「横浜日吉新聞」の共通記事です

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菊名駅の売店跡に“無人決済ファミマ”が進出、JR東日本では3店目(2024年5月24日)

<日吉と縁深い2社>伊藤忠商事が「ファミマ」を完全子会社化、非上場に(横浜日吉新聞、2020年7月10日)

【参考リンク】

JR東日本の駅に3号店出店!無人決済システム導入のファミリーマート2024年5月31日(金)横浜線菊名駅にオープン(ファミリーマート、2024年5月23日)

株式会社TOUCH TO GO(タッチ・トゥ・ゴー、JR東日本スタートアップなどが設立、無人決済システムを提供)