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横浜市は市が保有する土地のなかで、環状2号線近くにある菊名7丁目で2005年まで業務を行っていた「資源循環局港北事務所」の跡地について、土地の利用などに関する企画提案を審査する「二段階一般競争入札」で売却すると先週(2016年9月)15日に発表しました。12月14日まで提案を受け付けています。

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環状2号側の敷地では「港北区休日急患診療所」の整備工事が行われている(2016年9月18日)

場所は環状2号線の「大豆戸地域ケアプラザ入口信号」にほど近い1300平方メートルの準住居地域で、東海道新幹線の高架橋に接しており、最低売却価格は2億7434万円としています。隣には現在は菊名4丁目にある「港北区休日急患診療所」が来年(2017)年4月に移転してくる予定です。

そのため、応募条件には「準住居地域に建築することができる建築物で、隣接する休日急患診療所等の周辺環境と調和したもの」であることや、附帯施設として、緑化されたオープンスペースや地域貢献に供する施設を設けることを求めています。

かつてこの土地は、横浜市が2015年秋に約2億6900万円で事業提案内容を審査したうえで事業予定者を決める「価格固定プロポーザル方式」で売却を試みたものの、応募がなかったという経緯があります。

今回売却される土地は新幹線の高架橋に隣接している

今回売却される土地は新幹線の高架橋に隣接している

売却に際して2014年秋に横浜市が不動産関連などの民間事業者などに行ったヒアリングでは、環状2号線に近く新幹線の高架橋にも隣接しているための「騒音対策」が必要であることや、「高圧線下ということもあり、ファミリー向けマンションは考えにくい」「土地の規模的に分譲マンションは採算が取れない」「認可保育所はかなりの面積が必要となる上、賃料を低く抑えなければならないので事業採算性が低い」などの意見が出ていました。

一方で「仮に用途制限がない民有地だったとすれば、飲食系の店舗需要が想定されそうな立地」「環状2号線の騒音は多少気になるものの、防音工事等で対応可能だと思われる」「保育所とサービス付き高齢者向け住宅の組合わせは好ましい」など、土地としての価値を評価する声もあります。

また、菊名駅西口や大倉山駅まで徒歩11~12分という距離で、新横浜駅までは徒歩17~18分はかかりますが、環状2号線の地下に「相鉄・東急直通線」が開通した後は、駅が近くなる可能性もあります。

制約があり、交通騒音などの問題点も指摘されている市有地ですが、今回の入札では条件をクリアできる事業者は決まるのでしょうか。

【参考リンク】

平成28年度二段階一般競争入札による公募売却について(2016年9月15日、横浜市)

港北区菊名七丁目土地の公募売却について(横浜市、これまでの経緯)

市と事業者 菊名の更地 活用法議論(タウンニュース、2015年6月18日号)

港北区休日急患診療所の紹介(港北区医師会、現在は菊名駅近くの菊名記念病院付近に位置)