【第2回:2016年12月26日「大倉山編1」】ビジネスと観光で人がひしめく新横浜を除けば、大倉山は日吉や綱島とともに港北区内の三大グルメスポット。学生街とバス交通の要衝(ようしょう)である2駅と比べると飲食店件数では劣りますが、首都圏でも名の通った住宅街を擁し、行政の中心地でもあるだけに、しゃれた店の多さでは負けていません。
大倉山駅を降り、右手のエルム通り(区役所側と逆方面)を歩いて10秒もしないうちに、右側2階には2004年開業のイタリアンレストラン「REVEL(レベル)」(大倉山2)が現われます。「大倉山のオサレなワンプレートハンバーグ最高!」(神奈川新聞2016年11月13日「かながわ定食紀行」)などと評された店で、駅の目の前からしてセンスの良いレストランが存在していますが、今回はあえて駅にもっとも近い大衆ランチ店を選びました。
REVELの真向かい、「天一書房文具館」の2階にあるのが中華料理店「陽光」(大倉山スズキビル)。同地で20年ほど営業していた「中国飯店」が閉店し、その後に同じく中華店「嘉悦」が2年ほど営業し、2014年10月から現在の陽光に変わっています。運営者こそ異なるものの、中華店としては長い歴史を持つ場所です。
階段入口の看板にはランチのセットメニューが12種類も載っており、「鶏肉とカシューナッツ炒め」(税別680円)や「若鶏のタルタルソースがけ」(同)、「五目タンメンと半チャーハン」(同)、「八宝菜」(780円)、「牛バラ肉と野菜あんかけ焼きそば」(880円)など価格は税別680円から880円と手軽。ライスおかわり自由というのも大衆食堂的な雰囲気で、「手作り餃子280円」という掲示も気になります。
店内は円卓やカウンターも含め40席以上。駅前の2階店ながら広く感じます。平日のランチタイムなので“安くてがっつり”を求める中年男性も多いのですが、意外にも高齢の女性客が目立ち、小さな幼児を連れたお母さんもいました。
「海鮮ラーメンと半チャーハン」(780円)のセットを食して納得。ラーメンの味が旨さを残しつつも、どこかあっさりとしているのです。年齢の高い方々が「醤油ラーメン」(600円)や「チャーシュータンメン」(680円)などの麺類を単品で注文していた理由が分かる気がしました。
チャーハンや餃子は「中華店ならでは!」という満足感が得られましたので、がっつりランチを求める客層にも対応できています。
同店は「中華居酒屋」と銘打って営業しており、一品料理のメニューには100種類ほどの料理が掲載されています。北京ダックも含めてほぼすべてが1000円以下で、380円程度のメニューも豊富です。プレミアムモルツの生ビールや焼酎、日本酒、グラス紹興酒などアルコールメニューの多くは380円、レモンサワーやウーロンハイは290円と魅力的に感じます。
大倉山駅の間近で手軽にランチを味わえる大衆的な陽光ですが、その神髄は、夕方17時から夜0時までの“中華居酒屋”にあるのかもしれません。
(価格などのデータは2016年12月現在のものです。詳細は公式サイトなどでご確認ください)
- 新横浜&周辺エリアのグルメレポートについて
このコーナーは、新横浜新聞の記者が個人的に訪れているなかで、「ここは!」というお店についての情報を紹介するとともに、個人としての所感を述べていくコーナーです。新横浜と菊名、大倉山、妙蓮寺、新羽、岸根公園といった港北区内駅の周辺エリアを対象に、気力が続く限り毎週1店ずつ地道に紹介してまいります。なお、日吉・綱島・高田エリアの記事は「横浜日吉新聞」をご覧ください。
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