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相鉄沿線の2駅で相次ぎバスの自動運転実験が始まりました。

相鉄バスなどは今月(2026年)1月17日から鶴ヶ峰駅と「よこはま動物園ズーラシア」間で、続いてあす1月20日(火)には二俣川駅左近山(さこんやま)団地間の2カ所でバスを自動運転する実証実験をそれぞれ実施し、事前申込による一般試乗(体験乗車)の受付も行っています。

自動運転のレベル表、今回は「レベル2」での実証実験となる。現時点でほぼ完全な自動運転といえる「レベル4」が目標となるが、日本でレベル4の実証実験が行われているケースはまだ数少なく、事業化もこれからの段階(国土交通省・経済産業省・警察庁「自動運転移動サービス社会実装・事業化の手引き 第2版(2025年7月)」より)

いずれも旭区内での実証実験は、「レベル4」と呼ばれるほぼ完全な形での自動運転を目指す前の段階となる「レベル2(部分運転自動化)」と位置付けられるカテゴリーで実施。

「セーフティドライバー」と呼ばれる運転士が運転席に座るものの、自動で動くハンドルは触れずに手を近くに添え、歩行者の飛び出しやバイクの接近、路上駐車車両の回避といった一部のシーンでは介入し、手動運転に切り替える形で行われます。

ハンドルが自動で動くため、運転士は手動での介入に備えてハンドル近くに手を置いている(1月16日、二俣川駅~左近山第5間での試運行時)

小型バスの定員は十数名規模で、時速30キロから35キロ程度の速度で公道を走り、レベル4の自動運転へ向けた課題を見つけ出すことを今回の目的としています。

21・22日に鶴ヶ峰~ズーラシア運行

鶴ヶ峰駅~ズーラシア間の実証実験で使うバスは、「日野ポンチョ」と名付けられた市販の小型バスを自動運転用に改造している(1月16日、試運行時)

鶴ヶ峰駅(北口バス乗場)とズーラシア間で先週1月17日から始まったのがNTTドコモビジネス株式会社(東京都千代田区、旧NTTコミュニケーションズ)が中心となり、相鉄バスなど8社がコンソーシアムを組んでの計4日間にわたる実証実験です。

週末の17日・18日に行われた前半の実証運行は終了しましたが、今週21日(水)と22日(木)にも鶴ヶ峰駅から1日10往復(9:30~16:00)の運行を予定しており、インターネットから事前予約すれば試乗も可能です。

鶴ヶ峰駅~ズーラシア間の実証実験は総務省の「地域デジタル基盤活用推進事業(自動運転レベル4検証タイプ)」に採択されており、NTTドコモビジネス(旧NTTコミュニケーションズ)のほか、NTTアドバンステクノロジ(ネットワーク設計支援)、NTTデータ経営研究所(運行採算性などの評価)、スタンレー電気(スマート道路灯の構築・運用など)、東海理化(遠隔監視システムの構築・運用など)、ドコモ・テクノロジ(ローカル5G基地局の環境構築など)、相鉄バス(自動運転バスの運行管理など)、先進モビリティ(AS-mobi、自動運転システム提供など)の8社が参画

NTTドコモビジネス(当時はNTTコミュニケーションズ)などは一昨年(2024年)9月から10月にかけてズーラシアの周辺(正門~北門)約2キロ区間で自動運転の実証実験を行っており、その際に得られた知見を踏まえ、今回は鶴ヶ峰駅まで片道約5.3キロに実験区間を拡大し、バスも2台に増やしています。

NTT系の4社が参画しての自動運転らしく、バス車両と遠隔監視室の間で大容量のデータをスムースにやり取りできる通信環境を整備。

車内のモニターにも自動運転中のさまざまな情報や車内外の映像が流れ、これらは遠隔監視室とリアルタイムで共有されている(1月16日、試運行時)

一般の携帯電話網に加えて「ローカル5G(ファイブジー)」と呼ばれる独自の高速通信網も使って、狭い道路上で対向車両の接近を検知するために設置した「スマート道路灯」との通信に活用しており、こうした「路車(ろしゃ)協調システム」を用いた点も今回の特徴です。

また、バス車内の状況は遠隔監視室へリアルタイムで映像が届けられ、たとえば車内で人が転んだような場合には人工知能(AI)が検知して画面上に警告を出すなど、1人の監視員で2台の車両を同時に遠隔監視ができる体制とし、将来の完全自動運転化へ備えました。

今回の実証実験では2台のバスを同時に遠隔監視している(1月16日、試運行時)

鶴ヶ峰駅とズーラシア間は土曜・休日に駐車場への出入庫で周辺道路が混雑するケースが多く、車列の回避など難しい環境下で自動運転するためのデータを得て、本格運行につなげたいところです。

平日に二俣川駅~左近山団地間で

二俣川駅(南口)と左近山団地(左近山第5)での実証実験は1月20日(火)~2月19日(木)の平日と2月11日(水・祝)に実施され、事前予約すれば試乗が可能(案内チラシより)

一方、二俣川駅と左近山団地間での実証実験は、横浜市都市整備局と相鉄バスなどがあす1月20日(火)に始め、2月19日(木)までの平日(祝日の2月11日は運行)に行います。

駅南口と団地内の8街区・9街区近くに位置する「左近山第5バス停まで片道約4.4キロの区間を運行し、インターネットから事前予約すれば一般の試乗も可能。また、途中の「左近山第1」と「左近山第3」のバス停では降車のみできるとのこと。

二俣川駅の南口から「鴨居上飯田線(本宿・二俣川地区)」が2025年11月に開通し、道路環境が向上した(1月16日、試運行時)

左近山団地での実証実験は、南口駅前から南本宿インターチェンジ方面へつながる都市計画道路「鴨居上飯田線(本宿・二俣川地区)」などが昨年11月19日に開通し、道路環境が良くなったことも後押ししたといいます。

今回行われる自動運転は、事前に作成した走行ルートの高精度な地図情報と、レーザー光で距離や形を計測する「LiDARライダー、Light Detection and Ranging)」と呼ばれる車載センサーや、360度把握できる車載カメラによって現在地を推定して走行する仕組みとしました。

高精度な地図情報は車内でもモニターに流されていた(1月16日、試運行時)

アイサンテクノロジー株式会社(名古屋市中区)と三菱商事株式会社(東京都千代田区)が2023年2月に都筑区中川1丁目で設立し、2024年11月からは新横浜3丁目のエピックタワー(EPIC TOWER)新横浜に本社を置くA-Drive(エー・ドライブ)株式会社(岡部定勝社長)が自動運転の車両やシステム面を担当。

今回の実証実験は国土交通省の「地域公共交通確保維持改善事業費補助金(自動運転社会実装推進事業)」に採択されており、相鉄バスA-Driveのコンソーシアムにより行われます。

大規模団地として知られる左近山団地と二俣川駅を結ぶ路線バスは、朝のラッシュ時には1時間あたり最大で12本が走る高頻度の運行路線となっており、自動運転が実現すれば運転士不足のなかでも利便性を高められる可能性が高まりそう。

左近山団地の8街区に近いバス回転場に停まる自動運転バス、こちらは「Minibus2.0」と名付けられたEV(電動)バスとなっている(1月16日、試運行時)

現時点ではいずれの実証実験も次の段階へ進む具体的な計画は決まっていませんが、横浜市内での運行ノウハウが貯まっていくことで、似た環境にあるエリアでも導入可能性を高めることにつながります。この機会に自動運転の現状を体感してみてはいかがでしょうか。

【関連記事】

菊名駅やトレッサも乗り入れ、鶴見区の馬場・上の宮・獅子ケ谷で予約制ワゴンバス(2025年8月18日、横浜市内で交通空白地域を無くす取り組みが積極的に行われている)

【参考リンク】

2026年1月21日(水)・22日(木)に10往復実施「自動運転バス試乗予約(鶴ヶ峰駅~よこはま動物園)」(1便あたり定員10人、往路と復路ごとに予約が必要、無料)

NTTドコモビジネスや相鉄バスなど8社「横浜市で、自動運転におけるローカル5Gと路側インフラを活用した自動運転走行支援および無線リソース最適化による車内遠隔監視の実証を開始」(2026年1月17日~1月22日に鶴ヶ峰駅~よこはま動物園で運行)

2026年1月20日(火)~2月19日(木)の平日に6往復実施「自動運転バス試乗予約(二俣川駅南口~左近山第5)」(1便あたり定員16人、往路と復路ごとに予約が必要、無料。携帯電話番号などで簡単に新規登録が可能)

横浜市都市整備局・相鉄バス・A-Drive「持続可能な地域公共交通の実現に向けて 自動運転EVバスの実証実験を実施します!~相鉄線二俣川駅から左近山団地間を運行」(2025年1月7日発表)