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再来年(2027年)の2月までは「日産スタジアム」の名称が継続します。

横浜市みどり環境局は「横浜国際総合競技場」(小机町)や補助競技場などのネーミングライツ(命名権)契約について、2027年2月末まで日産自動車株式会社(西区高島1)と更新の手続きを始めていると今月(2025年)9月19日に公表しました。その後の再交渉で契約内容に変更が生じています、詳しくはこちらの記事をご覧ください

日産スタジアムの愛称は2005年3月から20年超にわたって使われ続けている(2025年7月)

日産自動車とのネーミングライツ契約が来年(2026年)2月までとなっていることから更新手続きを行ったもので、今回の契約は2026年3月1日から翌2027年2月28日までの1年間で契約金額は5000万円となる予定。

現在の契約金額は2021年3月から2026年2月まで5年間で総額6億円(2021~24年は年額1億円、25~26年は同1億5000万円)で、1年あたりでは1億2000万円となっています。

「小机競技場」が正式名称の補助競技場「日産フィールド小机」(手前)と日産スタジアム(奥)(2023年)

今回は単年契約かつ金額も5000万円と従来の半額以下となったことについて、9月19日の横浜市会「脱炭素・GREEN×EXPO推進・みどり環境・資源循環委員会」でみどり環境局の鈴木貴晶局長が「ネーミングライツの空白期間が生じることによる混乱を抑えるための対応で、特例的なもの」だと説明。

そのうえで、「(日産自動車の)経営支援という視点で判断したということではない」といい、「向こうが出せる精一杯というか、最大額だったということではないか。1年後にはしっかりと公募していく」と述べました。

横浜市会「脱炭素・GREEN×EXPO推進・みどり環境・資源循環委員会」2025年9月19日みどり環境局資料より

新たな命名権の公募については、来年3月に公募による民間事業者との対話を始め、5月に公募を開始。名称が変わると案内看板や地図の書き換えなど周知期間が必要なため、8月までには決定したい考え。

平原敏英副市長は「新横浜や横浜市を象徴するような企業さんに、手を挙げていただくのが一番ありがたいと思っている」と話していました。

“横国”より「日産」の方が長期間に

「横浜国際総合競技場」という正式名が記されている場所は多くない(2023年)

横浜国際総合競技場のネーミングライツは、日本と韓国で開催されたサッカーの「2002 FIFAワールドカップ(W杯)」を終えた翌年の2003(平成15)年に横浜市が募集を開始

サッカーW杯のドイツ対ブラジルによる決勝戦(2002年6月30日)が行われた競技場としての価値から、「年間5億円程度で5年間以上の契約」(横浜市による2003年5月の「記者発表資料」より)を求めて募集し、日産自動車を含めた3社と交渉を行い、当初は価格面でまとまらなかった経緯があります。

その後、2004(平成16)年に横浜市の誘致に応じた日産自動車が西区に本社を置くことを決めるなど市との関係が深まるなか、ネーミングライツについても2005(平成17)年3月から年額4億7000万円5年契約を締結。「日産スタジアム」の名称が付けられました。

「日産自動車グローバル本社」と呼ばれる横浜市西区の22階建て本社ビルは2004年6月に建設が発表され、2009年8月から使われている(2025年8月)

最初の契約は、2005年に日産リバイバルプランに続く中期計画「日産180」で100万台販売増を達成するなど日産自動車の業績が急回復するなかで結ばれたものでした。

横浜国際総合競技場(日産スタジアム)の命名権契約

契約期間は開始年の3月から最終年の2月末まで。命名権には併設の小机競技場、屋内プールを含む

  • 2005年~2010年(5年間):年額4億7000万円×5年(総額23億5000万円)
  • 2010年~2013年(3年間):年額1億5000万円×3年
  • 2013年~2016年(3年間):年額1億5000万円×3年
  • 2016年~2021年(5年間):年額1億5000万円×5年(総額7億5000万円)
  • 2021年~2026年(5年間):年額1億円×3年、年額1億5000万円×2年(総額6億円)
  • 2026年~2027年(1年間):年額5000万円(予定)

一方、5年後となる2010(平成22)年の契約更新時は、“リーマン・ショック”と呼ばれる金融危機が2008(平成20)年に起き、世界的に景況感が後退するなか、当初契約から3分の1以下の金額となる年額1億5000万円で3年契約を結び、2021年まで継続。

前回2021年の更新では、当初の3年間は年額1億円、その後2年は年額1億5000万円という変則的な形で、5年間で計1億5000万円を引き下げる契約となっています。

国際試合などで愛称が使えない場合は「日産スタジアム」や「NISSAN」などと記された部分はすべて隠され、正式名称の横浜国際総合競技場が使われる(2024年5月)

そして今回、日産自動車の経営が悪化するなかで迎えた2026年以降の更新については、「ネーミングライツの空白期間を作らないことを考えると、1年5000万円という契約も止むを得ない結論」(みどり環境局・鈴木局長)という形で更新されました。

日産スタジアムという名称が使われてから20年。当初は「横浜」という地名が消えたことを残念がる声も聞かれましたが、すでに「横浜国際総合競技場」(1997年~2005年)という正式名しかなかった時代より、日産スタジアムの愛称が使われた期間のほうが長くなっています。

“国際総合競技場”の名の通り、陸上の大型大会が開かれることもある。また、夏を中心に年間3回程度は音楽イベントにも使われている(2023年5月)

現状の契約では、現在の契約者に対して最初に更新の意向確認が必要とされており、日産自動車の意向と金額次第では更新も可能。2027年3月以降も慣れ親しんだ日産スタジアムの名が続く可能性はあるのでしょうか。

【関連記事】

2031年2月まで「日産スタジアム」命名権を更新へ、横浜市が再交渉し5年契約(2025年12月19日、その後の再交渉で契約内容を変更)リンク追記

日産スタジアムの「命名権」継続、市が日産自動車と2026年まで更新へ(2020年9月16日、前回契約時の記事)

【参考リンク】

横浜市の「ネーミングライツ」について(現在の事例など、政策経営局)