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2シーズン目のアネスト岩田レーシングが後半戦のレースに向け、手応えをつかみつつあります。

国内最高峰といわれる自動車レーススーパーGT(Super GT)」に参戦しているアネスト岩田株式会社(新吉田町)の「アネスト岩田レーシング(ANEST IWATA Racing)」は、今年(2024年)4月から始まったシーズンで6月2日までに計3戦を終えました。

富士スピードウェイでの第2戦には、今年2月の本社イベント時に司会もつとめたタレントの平嶋夏海さんをはじめ社員や関係者ら150人からなる応援団がスタンドで声援をおくった(5月4日、アネスト岩田レーシング提供・沙倉しずか撮影)

4月13日・14日に岡山県で行われた初戦は使用タイヤの組み合わせを模索し、マシンの不具合にも見舞われて参加26台中21位で終え、5月3日・4日の第2戦(富士スピードウェイ)は決勝で健闘したものの、前の車と接触したことによるペナルティも響いて参加27台中14位にとどまりました。

そして迎えた今月6月1日・2日の第3戦は、同チームのマシン(レクサスRC F GT3)タイヤ(ヨコハマ)相性が良いとされる「鈴鹿サーキット」(三重県)での3時間レース。

鈴鹿サーキットのコースとマシン(RC F GT3)の相性は良いとされている(6月2日、アネスト岩田レーシング提供・沙倉しずか撮影)

チームでは、第3戦を前に港北区師岡町に本社を置きモータースポーツ支援事業を担う「トヨタカスタマイジング&ディベロップメント(TCD)」の協力を得て、マシンセッティングの方向性を探る作業を繰り返しながら今回のレースに臨んだといいます。

初日の予選では1回目の走行でイゴール・オオムラ・フラガ選手が「思ったような感じでコーナーを攻めることができ、クルマが持っているパフォーマンスを最大限引き出せた」と13台中4番手で終える好成績

チームスタッフと戦略を話し合うフラガ選手(右)と古谷選手(6月1日、アネスト岩田レーシング提供・沙倉しずか撮影)

予選1回目の上位チームを集めて行われる2回目の走行は、古谷悠河(ふるたにゆうが)選手が本戦での有利なスタート位置を奪うべく意気込んでマシンに乗り込みましたが、ピットからコースへ入る直前で電気系統にトラブルが発生します。

トラブル対応によるロスで「1周しかタイヤを暖める時間がなくなり、無理矢理タイムアタックした」(古谷選手)ものの好タイムは出ず、決勝では27台中19番手というスタート位置に沈むことになりました。

翌日の決勝は、19番手という後方のスタート位置ながらフラガ選手が追い上げて17番手に付け、13番手争いの集団に加わりながら周回を重ねます。50周を走り切った時点で順位は16番手まで上がっており、その後を古谷選手に託しました。

19番手の後方スタートとなった決勝ではフラガ選手が50周を走り切り、16番手までポジションを上げた(6月2日、アネスト岩田レーシング提供・沙倉しずか撮影)

しかし、古谷選手が8周を走った時点で前の車を追い抜きにかかったところ、走行ラインがかぶった「GT500(※アネスト岩田はGT300クラスだがGT500クラスと同じコースをほぼ同じ時間帯に走る)」の車両と接触

接触トラブルで2つほど順位を落としましたが、古谷選手が最後まで力走し、終わってみれば14位の成績で終えました。

予選・決勝ともにトラブルに見舞われることになってしまった古谷選手ですが、「今回のレースで少しクルマのセッティングについて方向性が見えてきて、タイヤの使い方もわかってきたので次回が楽しみ」と前向きなコメント。

フラガ選手も「決勝ではピットストップの速度も速くなりましたし、ピットのタイミングなどの作戦も良い感じで決まって、僕らができることは結構やり尽くした週末だったと思います。チームの状態が確実に上向きなので、さらにポテンシャルを上げて次のレースを闘います」と次戦を見据えます。

第3戦ではピットとの連携や作戦も良好な結果をもたらしたという(6月2日、アネスト岩田レーシング提供・沙倉しずか撮影)

チームの武田克己総監督は、「順位はもちろん納得できるものではありませんが、一部接触があったなか今回も無事完走でき、得るものは大きかった」と総括し、「1・2戦目が終わった時より気持ちがポジティブ」と話していました。

スーパーGTのシーズンは、8月以降に残された後半の計5戦が正念場。同チームのマシンと相性の良い鈴鹿サーキット(第5戦、8月31日・9月1日)と、「スポーツランドSUGO(宮城)」(第6戦、9月21日・22日)や「オートポリス(大分県)」(第7戦、10月19日・20日)でも戦えるだけに、1ケタ台の順位を狙いたいところです。


ANEST IWATA Racing RC F GT3(50号車)の2024年戦績と予定

▼4月13日・14日:Round1「岡山国際サーキット」(300km)

  • 決勝:17位/26台中(2周差)(詳細
  • 予選:21位/26台中(予選1回目A組9位)

▼5月3日・4日:Round2「富士スピードウェイ」(3時間レース)

  • 決勝:14位/27台中(2周差)(詳細
  • 予選:20位/27台中(予選1回目A組12位)

▼6月1日・2日:Round3「鈴鹿サーキット」(3時間レース)

  • 決勝:14位/27台中(2周差)(詳細
  • 予選:19位/27台中(予選1回目B組4位)

▼8月3日(土)・4日(日):Round4「富士スピードウェイ」(350km)

▼8月31日(土)・9月1日(日):Round5「鈴鹿サーキット」(350km)

▼9月21日(土)・22日(日):Round6「スポーツランドSUGO(宮城)」(300km)

▼10月19日(土)・20日(日):Round7「オートポリス(大分)」(3時間レース)

▼11月2日(土)・3日(日):Round8「モビリティリゾートもてぎ(栃木)」(300km)

)この記事は「新横浜新聞~しんよこ新聞」「横浜日吉新聞」の共通記事です

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<アネスト岩田レーシング>2024年の目標は「表彰台」、2年目の挑戦が始まる(2024年2月20日)

【参考リンク】

アネスト岩田レーシング・ウィズ・アルナージュ(ANEST IWATA Racing with Arnage)の公式サイト(レースレポートなど)

スーパーGT(SUPER GT)の公式サイト(2024年は11月3日まで全国6会場で全8レースを予定)