港北区日吉の大学サッカー部で過ごした3選手が、プロの世界に向けての決意を共有、創部100年の歴史に輝ける足跡を刻みます。
慶應義塾大学下田グラウンド(サッカー場、下田町1)を本拠地とし活動を行う慶應義塾大学体育会サッカー(ソッカー)部は、今週(2026年)2月3日午後、プロチームに入団内定した3選手合同の記者会見を開催。
これまで大学時代に過ごした日々を振り返り、プロの世界に挑戦する決意を共有しました。
今回会見を行ったのは、横浜 F・マリノスに入団した2025年度男子部主将の田中雄大(ゆうた)選手、柏レイソル入団の同副将・角田惠風(つのだよしかぜ)選手、RB大宮アルディージャWOMEN(ウィメン)入団の女子部主将・小熊藤子(おぐまとうこ)選手の3選手。
いずれも同ソッカー部のOBでプロ選手の男子部の中町公祐監督、女子部の黄大城(ファン・テソン)監督兼男子部ヘッドコーチも同席し、3選手の新たな船出に向けた想いを語るシーンを見届けました。
J1リーグに2人輩出は「初」の快挙
同大学三田キャンパス(港区三田)の東別館(ミュージアム・コモンズ)内のカンファレンスルームで行われた会見会場には、全国系メディアや慶應スポーツ新聞会の取材記者、同部の秋山美紀部長や中田一朗総監督、学校広報関係者らが来場。
「J1リーグに2名輩出するのは当部としても初めて」と語る中町監督が最も長く在籍したのが、田中選手が入団した横浜F・マリノス。
F・マリノスに田中選手が入団することについては、「(かつて在籍したことでの)交流などもあるので」と、自然な流れして受け留めているかの経緯を明かします。
田中選手は、「自分のプレーの特徴としては、自分の右足のキックでゲームを作り、試合を決める1発のプレーというところ」と、“注目してほしい”アピールポイントを説明。

東京都世田谷区出身の田中選手は“浪人”してまで慶應のサッカー部に入りたかったという経歴も。「選手の入学時のクオリティーも高く、どうやって考え、頭を使い、相手を上回るかという思考のプロセス、とにかく“考えてプレーする”というところは培われたかなと思います」と入部当初からの歩みを振り返っていた
“すごい”と思える選手についての質問には喜田拓也選手(キャプテン)の名前を挙げ、「練習前や試合前の準備、練習用のケアなどがすごいと感じます。本当に一日中クラブハウスにいるような選手」と、プレー以外の練習や試合に臨む姿勢や準備に学ぶべき部分があると語っていました。
「両足を高いレベルで扱えることと、攻守にハードワークできるところ」が自身の特徴だと語る角田選手は慶應義塾高校出身。
横浜F・マリノスジュニアユース追浜から、大学入学前までは横浜F・マリノスユースでサッカーを続けてきたといい、「高校時代は勉強との両立が大変でした」と、サッカーでも、勉強でも、大変な状況を乗り越えてきたという高校時代の想い出を振り返ります。
「右足の正確なロングキックと体筋の強さ」が特徴と語る小熊選手は、幼少期から「医師かサッカー選手か」という夢を抱いてきたといい、「医者になるためにと小学校時代に塾に通う中、スケジュールを組むことを行ってきたことが、試合までの逆算をすることにつながりました」と、“スケジュール”を組むこと、期日までの“逆算”を行うことでのサッカーの技術や勝利に向けての取り組みにつながったと、これまでの半生を振り返っていました。

小熊選手は東京都杉並区出身、湘南藤沢キャンパス(SFC)環境情報学部に在籍。「なぜ自分がこう思ったのか、なぜ世の中がこうなっているのかといった疑問に対し、探究心を持ち、疑問を放置しないで取り組むことが大切」と受験生にアドバイスしていた
“組織の一員”としての学びがプロ入りを後押し
複数の選手がプロ入りすることでの大学による合同会見の場が設けられたのは、「(2011年11月の)4選手がプロ入りした時以来ではないでしょうか」と、この日来場したOB・OG会組織・三田ソッカー倶楽部の縣(あがた)恵一会長。
黄(ファン)監督は、「私も、大学卒業のタイミングで会見の場を設けていただいて、当時、同様に意気込みを述べたのですが」と、2011年に会見を行った1人として当時を振り返り、「今までのサッカーと、やっぱりプロフェショナルとしてのサッカーに向き合うということの、難しさと厳しさ、そういった環境の中に身を置くことによる大きな壁があることも事実だと思っています」と、自身、4年間のみのチャレンジだったというプロの世界の厳しさについて語ります。

黄(ファン)監督は2021年から監督に就任。「小熊選手が4年生になって主将になったタイミングだったか、私のところに来て『プロサッカーを目指したい』と意思表明をしてから、主将としての責任感、また自分でプロを目指すと決めたこともあり(その成長は)目を見張るものがありました」と小熊選手が大きく成長した日々を振り返っていた
その上で、「ただのサッカーだけやってればいいという考えではなく、(慶應ソッカー部で培った)組織の一員として、一人の大人として、どう振る舞っていくかというところが、サッカーの技術につながってくるかと思っています。慶應の代表として、胸を張って、プロの世界で活躍してほしいですし、何より、プロという経験を楽しんでほしい」と3選手を激励していました。
中町監督は、「慶應義塾というものを背負って、プロの世界で活躍してほしい。この大学4年間で培(つちか)ってきたその人格形成の部分、サッカーを通じて、どのような人間になるかというのは、もちろん結果を残すのがプロの世界ですけれども、同時に、組織の中においてどのような価値を、プレーヤーとしての派生で表現できるのかというのが大切」と、サッカー選手でも、他の企業に勤めても、社会に出るにあたり“変わりはない”とする決意を抱いてもらいたいと、それぞれの活躍の場での挑戦を促します。

「日吉のお店でご飯を食べたことも想い出」と角田選手。田中選手は「日吉下田にはラグビー部や野球部などもあり、切磋琢磨し合えたことも大きかった。ジムやトレーニング施設も整っているし日吉の駅からも徒歩圏内で、非常にいい環境で過ごすことができたかなと思います」と語る
「サッカーだけ行うのではなく、組織として(早慶戦などの企画といった)様々な体験ができる」と3選手も口を揃(そろ)えて振り返った、慶應ソッカー部ならではの環境が、3人のプロ選手としての活躍を必ずや後押しするであろうシーンを見られる日を、“地域ぐるみ”で楽しみにしたいところ。
なお、同サッカー部では、来年(2027年)に迎える創部100周年に向けての取り組みとして、記念スローガンや記念ロゴ、新エンブレムや新ユニフォームなどの記念事業の全体概要を(先月)1月27日に公表しています。
同部の100周年、また各プロ入団選手の活躍に期待感が高まる日々となりそうです。
(※)この記事は「新横浜新聞~しんよこ新聞」「横浜日吉新聞」の共通記事です
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・<横浜F・マリノス>2月6日(金)夜の開幕戦など2月は日産スタジアムで3試合(2026年2月3日)
【参考リンク】
・慶應義塾体育会ソッカー部 創部100周年に関するお知らせ(慶應義塾体育会ソッカー部)
・4年田中雄大 横浜F・マリノス加入内定及びJFA・Jリーグ特別指定選手認定のお知らせ(同)
・4年主将小熊藤子 2026シーズン RB大宮アルディージャWOMEN加入内定のお知らせ(慶應義塾体育会ソッカー部女子)






