昼も夜も新横浜の人口がさらに増えることは間違いありません。
相鉄・東急新横浜線が開業した2023年3月以降、新横浜の街(新横浜1・2・3丁目)全域で新築ビルの建設が急増しており、現在進行中のプロジェクトが10以上あり、完成済みの物件も含めると20を超える新たなマンションやオフィスビルが誕生しています。
現時点で動向が未定の土地も含め、新横浜1丁目の「新幹線高架側」と「小机寄りエリア」、「新横浜2丁目」、「新横浜3丁目」の順で2023年3月以降の新横浜における開発計画をまとめました。覚えられないほどに計画や物件が登場します。
新築計画がずっと続く1丁目
環状2号線によって分断された新横浜1丁目ですが、新横浜線の建設が決まって以降は“新幹線高架側”と“小机寄りエリア”ともに共同住宅の新築がとどまることなく続いており、2025年5月時点で賃貸を想定していると見られる物件を中心に4つの計画が進行中です。
交通利便性の向上で住宅需要がさらに高まっているのか、近年は駐車場跡地だけでなく、「ラブホテル」と呼ばれる休憩滞在も可能な宿泊施設を解体してマンション建設を行うケースも相次いでいます。
新横浜1丁目の建設計画と新横浜線開業後の完成物件は次の通り。「MAP」の部分からグーグルマップにリンクしました。データはすべて5月1日時点のもので、今後変更される可能性もあります。
新横浜1「新幹線高架側」の計画
- 2027年9月竣工予定:オープンハウス・ディベロップメント11階建て92戸(旧ホテル「プラザK(PLAZA K)」跡=MAP)
- 2027年5月竣工予定:トーシンパートナーズ11階建て50戸(店舗有)(カリモク家具となり平面駐車場跡=MAP)
- 2026年5月竣工予定:三菱地所レジデンス14階建て150戸(店舗・事務所有)(旧「洋服の青山」新横浜店跡=MAP)
- 2023年11月【竣工済み】:クラスカ(CLASKA)新横浜(9階建て50戸賃貸)(旧ホテル「ロワール(Lowerl)」跡=MAP)【関連記事】
新横浜1「小机寄りエリア」の計画
- 2026年9月竣工予定:相互住宅11階建て90戸(旧ホテル「マイルーム(MY ROOM)」跡=MAP)
- 2025年3月【竣工済み】:レ・ジェイド新横浜(15階建て190戸分譲、店舗有)(旧パチンコ店「サンユー」など跡=MAP)【関連記事】
- 2025年1月【竣工済み】:クレストタップ新横浜(CREST TAPP SHIN YOKOHAMA)(11階建て170戸賃貸)(横浜線沿い旧平面駐車場跡=MAP)
- 2024年5月【竣工済み】:ベルラディエ新横浜(10階建て34戸賃貸)(又口橋交差点寄り一戸建て住宅「建物」跡部分=MAP)※一戸建て住宅「庭」跡部分には「グラン・アーチ新横浜」(5階建て6戸賃貸、1階にパン店「Honnete(オネット)」が営業)が2022年12月に竣工済み
新築オフィスビル中心の2丁目
新横浜のコア的な位置付けの2丁目は、オフィスビル計画が中心となっており、今年中に城南信用金庫の新たな新横浜支店ビル(12階建て)や、旧新横浜国際ホテル南館跡の「スイテ(SUITE)新横浜」(14階建て)が竣工予定。
今後、新横浜中央通りの焼肉店「福楽苑」跡で10階建ての“パーキングビル”が計画され、城南信金の隣接地にあったコイン駐車場跡では12階建ての「事務所・飲食店」も建てられる予定です。
また、KOSE新横浜スケートセンター隣接地ではパーキングビルが解体され、2丁目では貴重な分譲マンションを建設中。日鉄興和不動産が11階建て70戸の「リビオ新横浜」を来年(2026年)3月の竣工に向け工事と販売を進めています。
新横浜2丁目の計画
- 2027年8月竣工予定:大和ハウス工業12階建て事務所・飲食店(城南信用金庫となりコイン駐車場跡=MAP)
- 2026年7月竣工予定:正新国際「正新ビル新横浜中央パーキング新築工事」(10階建て自動車車庫・店舗)(中央通りの旧焼肉店「福楽苑」跡=MAP)
- 2026年3月竣工予定:リビオ新横浜(11階建て70戸分譲、店舗有)(スケートセンター横のビル状立体駐車場跡=MAP)【関連記事】
- 2025年9月竣工予定:スイテ(SUITE)新横浜(14階建て賃貸事務所)(新横浜国際ホテル南館跡=MAP)【関連記事】
- 2025年8月竣工予定:城南信用金庫「(仮称)新横浜支店ビル」(12階建て事務所・銀行の支店・自動車車庫)(旧「城南信用金庫新横浜支店」跡=MAP)
- 2024年2月【竣工済み】:ヒューリック新横浜二丁目ビル(9階建て事務所、旭化成エレクトロニクスが1棟すべてを使い技術拠点を開設)(旧立体駐車場「アポロパーキング」跡=MAP)【関連記事】
駅前「市有地」など未定も3カ所
新横浜2丁目では、現時点で活用方法が未確定な土地が3カ所あり、うち1つは市有地です。
注目は駅前の「西広場」横、昨年(2024年)12月まで「新横浜駅前交番」などが置かれ、新横浜線の工事用地などとして使われていた約2800平方メートルの横浜市所有の土地。
1970年代初頭からこの地でボウリング場などを営業していた「高島屋(当時は横浜高島屋)」から2000(平成12)年に市が入手し、日産スタジアム(横浜国際総合競技場)も試合会場となったサッカー「2002FIFAワールドカップ」の運営に関する仮施設や、コイン駐車場などとして使い、近年は新横浜線の工事用地としていました。
新横浜線が開業し、工事で移動していた交番も元の場所に戻されて一度は更地(さらち)に近い形となりましたが、今度は新綱島駅の再開発に関連する残土や廃材の仮置場として使われています。駅前の“一等地”といえる位置にある市有地だけに公共的な施設などへの活用が望まれます。
このほか2丁目では、企業事業所とコイン駐車場の跡地が未活用となっています。
- 新横浜2丁目活用未定:駅前西広場横「横浜市市有地」(約2800平方メートル=登記簿上)(現在は市の工事残土用地=MAP)【関連記事】
- 新横浜2丁目活用未定:コイン駐車場「新横浜パーキング」跡(神奈川県交通安全協会会館の真正面=MAP)
- 新横浜2丁目活用未定:富士フイルムメディカル株式会社横浜支店跡(中央通りJR横浜線線路近く、旧千代田メディカル株式会社が昭和末期に設けた拠点、2024年中に移転=MAP)
3丁目でタワマン規模の計画も
新横浜1丁目とともに居住地として賃貸を中心としたマンションも目立つ新横浜3丁目。これまでにない規模で計画が明らかとなったのが旧「新横浜ホテル」の跡地で、現在はコイン駐車場として使われている環状2号線沿いの2200平方メートル超の土地です。
1970(昭和45)年に港北区在住者が開業した新横浜ホテルは、新横浜におけるホテルの草分け的な存在で、現在も残るバス停留所の「ホテル前」は同ホテルを指したもの。

バス停名の「ホテル前」(写真左側)は新横浜ホテルの目の前ということで名付けられた。同ホテルは1997(平成9)年に閉店したが、たまたま反対車線のバス停前に「新横浜プリンスホテル」が開業していたこともあって、停留所名は今もそのまま使われている(4月30日)
1997(平成9)年の閉店後は三菱鉛筆株式会社(東京都品川区)が土地を所有し、コイン駐車場などとして使っていましたが、2023年10月になると非公表の相手に約47億円で売却したことを発表していました。
現時点までにこの土地を入手していたのが三菱地所レジデンス株式会社(東京都千代田区)で、このほど22階建て252戸の「共同住宅・事務所」を2029年10月までに建設する計画案を明らかにしたものです。現在の計画は低層部を事務所とし、多くのフロアを住居とする見通し。
新横浜で20階建て以上のマンション計画はめずらしく、最寄りの駅出入口まで徒歩3分という利便性の高さもあり、市などに計画が認められた際は注目を浴びそうです。なお、同じ「三菱」を名乗る鉛筆とレジデンスの間に資本関係はありません。
このほか、横浜アリーナの裏手では、2棟のマンション建設が同時に進行中です。
3丁目でオフィスビルの新築は現時点で見られませんが、セントラルアベニュー(宮内新横浜線)の鳥山大橋寄りに位置する宗教法人「霊波之光」(千葉県野田市)横浜支部では、同支部ビル横にあった平面駐車場の跡地を使って10階建て規模の増築工事を2026年10月まで実施中です。
新横浜3丁目の計画
- 2029年10月竣工予定:三菱地所レジデンス22階建て252戸(環状2号線沿い旧「新横浜ホテル」跡コイン駐車場=MAP)
- 2026年3月竣工予定:スターツデベロップメント「(仮称)アルファグランデ新横浜」(11階建て80戸)(横浜アリーナ裏手の旧運送会社駐車場跡=MAP)【関連記事】
- 2026年1月竣工予定:(仮称)エステムコート新横浜3丁目(11階建て227戸)(横浜アリーナ裏手の旧運送会社事務所跡=MAP)【関連記事】
- 2025年1月【竣工済み】:ドレッセ新横浜(10階建て63戸分譲)(旧「洋麺屋五右衛門・新横浜店」跡=MAP)【関連記事】
- 2024年6月【竣工済み】:メイツ・ザ・マークス新横浜(11階建て118戸分譲)(旧立体駐車場跡=MAP)【関連記事】
- 2024年4月【竣工済み】:ミ・レコルテ新横浜(10階建て63戸賃貸)(ワールドカップ大橋たもとの旧コイン駐車場跡=MAP)【関連記事】
- 2024年3月【竣工済み】:パリスコート(Paris Court)(10階建て51戸賃貸、1階にコワーキングスペース「アクセアカフェ(ACCEA CAFE」など)(旧コイン駐車場跡=MAP)【関連記事】
以上が2025年5月1日現在で「新横浜新聞~しんよこ新聞」は把握している新横浜での建築計画などです。1丁目から3丁目までいずれの街にもビルを建てられそうな場所はまだ残っており、今後もさらに新たな計画が登場する可能性があります。
【関連記事】
・【過去記事】<新横浜周辺の開発動向>解体や建設、農地など土地が相次ぎ変化(2022年2月7日、新横浜線が開業する前の状況)
・これだけある港北区内の“再開発”、綱島・新横浜・菊名・小机・師岡ほか各地で計画(2025年2月3日、港北区全域の状況)