グリッツ6度目のシーズンが9月に始まります。
プロアイスホッケー「アジアリーグ」で6季目を迎える横浜グリッツ(GRITS)は来月(2025年)9月6日(土)に本拠地のKOSE新横浜スケートセンターで開幕戦を迎えます。新シーズンにかける思いを運営会社の臼井亮人社長に聞きました。
アジアリーグの「2025-26年シーズン」は、9月6日に新横浜での横浜グリッツ対東北フリーブレイズ戦で幕を開けます。今シーズンは新規参入の「スターズ神戸」を迎え、全6チームに増加。各チームが来年3月までに40試合の「レギュラーシーズン」を戦い、4位までがプレーオフに進み、優勝を争います。
2020-21シーズンからアジアリーグに参入し、今季で6シーズン目となる横浜グリッツは6人の新戦力を加えて新シーズンに挑みます。GRITSスポーツイノベーターズ株式会社(中区新山下2)の臼井亮人社長に目標などを尋ねました。
(※本ページ下部に新入団選手と退団・引退選手の一覧、今シーズンの試合日程を掲載)
激しくなったチーム内の競争、今季こそ
――前シーズン(2024-25年)は10勝22敗(勝ち点32)で2季ぶりの二桁勝利となりましたが、最下位からの脱出はできませんでした
<臼井亮人社長>
全チームから勝ち星を上げることができ、特に首位のHLアニャンに対しては5勝2敗と勝ち越しただけに「もったいない」という思いです。
HLアニャンのように力の差があるチームに対しては、「思い切りいくしかない」と吹っ切れて良い結果が出たといえますが、拮抗している相手には「勝たなければ」と身構えたり、相手に合わせしまったりしたようで、そういう面でまだ実力が足りない面があると思っています。
―― チーム発足時から率いた浅沼芳征監督と2シーズンつとめた熊谷聡士アシスタントコーチが退任しましたが、昨季に続き岩本裕司ヘッドコーチ(HC、元男子全日本監督)が指揮を執り、キャプテン経験の長いFW・岩本和真選手(#13)が新たに「プレーイングコーチ」という形で指導にも携わります
選手に求める動きや起用の考え方など、昨季から岩本HCの方針は浸透しつつありますし、その土台ができたうえで、今年はトレーニングやシステム面などもうワンランク上げていかなければなりません。
デュアルキャリアのわれわれは、他チームと比べると練習時間がどうしても短くなるため、選手自らが率先して考え、行動していくことが重要です。その面では普段から社会人として企業などで働いていますので、自分が何をすべきかを理解できる選手は多いかなと思います。
岩本和真選手は過去3季にわたってキャプテンをつとめてきて、彼に任せておけば大丈夫みたいな感じになっていましたので、コーチ兼任となってもチーム内にまったく違和感はありませんでした。
―― 今季のキャプテンはFW・大澤勇斗(#14)、オルタネイトキャプテン(AC)はDF・蓑島圭悟(#65)、FW・池田涼希(#97)の3選手が就くことになりました
大澤選手は2季前の2023-24年シーズンにレッドイーグルス北海道から移籍してきた当初から「自分が引っ張っていかなければ」との気持ちが強く、練習でも試合中でもアドバイスしているシーンが目立ち、周りがよく見えています。もう何の異論もなく決まりました。
簑島選手は実力もありますし、自らの態度で引っ張るタイプです。池田選手は2020年のリーグ参入時に明治大学から入団したルーキーでしたが、現在は中堅という立場になり、自覚がまったく違うと感じます。
―― 前季は3選手が引退し、3選手が退団しましたが、同じポジションで6選手が加わることになりました(※本ページ下部に新入団選手と退団・引退選手の一覧を掲載)
確かにGK(ゴールキーパー)は3人、DF(ディフェンス)が8人、FW(フォワード)は13人と計24選手でのチーム体制となり、結果として同じポジションで同じ人数が加わることになったのですが、これは偶然で、最初から計画していたわけではありません。
―― 今季のルーキーとして韓国・延世(よんせ)大学のパク・ジュンソ(Junseo Park)(DF・#86)、法政大学で主将をつとめた齊藤輝(DF・#92)、こちらも中央大学で主将だった種市悠人(FW・#19)の3選手が加わっています
DF・パク選手は今年2月に兵庫県尼崎市で行われたスターズ神戸とのテストマッチでグリッツ側の選手として出場していまして、アジアリーグでプレーしたいとの思いも強く、加わってもらいました。日本語も覚えてチームにもとけ込んでいます。
DF・斎藤選手は身体も強くて、前季までプレーした熊谷豪士選手(DF、引退)のように相手が嫌がるプレーヤーになれるんじゃないかと期待しています。シュートも非常に速いです。
FW・種市選手は前シーズン中から練習に参加していましたが、その段階でコーチ陣が「すぐにいけるぞ」という高評価でした。(3季前に早稲田大からルーキーとして入団して活躍中の)杉本華唯(かい)選手(FW・#21)のようになってほしいですね。
―― 移籍で加わったのは、東京ワイルズ(旧北海道ワイルズ)からGK・磯部裕次郎(#29、28歳)、英国チームからDFのタイラー・ロックウェル(#22、29歳)、同じくワイルズからFW・上野鉄平(#8、22歳)の3選手です
GK・磯部選手は王子イーグルス(現レッドイーグルス北海道)や、ひがし北海道クレインズ、ワイルズとプロ経験が豊富です。これでGKは前季同様に3人体制となり、練習でもバチバチやってます。前シーズンは新人賞の冨田開選手(#31)が抜け出した感はありましたが、古川駿選手(#34)も今季にかける思いが強く、さらに磯部選手も加わって競争は激しいですね。
DF・タイラー選手は直近のイギリスやフランスリーグでのスタッツを見ても非常にいいですし、プレーもきっちりしていて、身体は相当強い。もうチームにも馴染んでいて、いい戦力になってくれると思います。
FW・上野選手は海外とプロ経験を経ているのですが、まだ2002年生まれの23歳(8月末)。今年ルーキーの3選手と同じ学年です。働きながらアジアリーグでプレーしたいとの思いを強く持っており、コーチ陣からの評価も高く、加わってもらいました。
―― 戦力的に今シーズンはかなり充実した印象を受けます
チーム内の競争は相当に激しくなりましたので、頑張らないと試合には出られない。シビアな環境です。試合時のベンチ入りメンバーは最大22人までですので、24選手のうち最低でも2人は外れることになります。
一方、若手が中心のチームなので、特にルーキーは長いシーズンを通じて体力が持つかどうかが課題です。前年はシーズン後半に体重が落ちた新人選手もいました。アジアリーグで経験の長いチームは、このあたりを上手く乗り切っています。
―― 6シーズン目に入り、経営面は安定してきたように見えます。昨シーズンは主催試合の観客数は平均1100人を超え、当面の目標とする1200人に近づきました
前シーズンは成績が最下位だったので手応えがある、とは決して言えないのですが、徐々に良くなっているとは感じています。あとは勝つことですね。もう6シーズン目ですから、勝ち切らないと。
経営面では有難いことに多くのスポンサーさんから支援をいただけるようにはなりました。ただ、本来は入場料収入で安定運営できるのが理想だと思っています。
―― 今シーズンのアジアリーグは新チーム「スターズ神戸」が参入します。同チームの黒澤玲央社長は慶應義塾大学のスケート部アイスホッケー部門の出身で、臼井社長が4年生時の1年生でチームメイトでした
以前から黒澤社長にアジアリーグ参入の話は聞いていて、自分の経験上から「大変だよ」という話はよくしていました。もし、横浜グリッツの立ち上げから現在までの歩みをもう一度再現しろ、と言われたら私にはもうできる自信がありませんので……。
スターズ神戸の戦力は、まだ全体像が見えてこない部分もありますが、リーグに波乱を巻き起こす存在になるかもしれません。
われわれは今月(2025年)8月31日(日)夜に東京の「ダイドードリンコアイスアリーナ」(西東京市東伏見)でスターズ神戸とプレシーズンマッチを戦います。また、スターズ神戸のアジアリーグでの初試合は9月20日(土)・21日(日)に新横浜で行われる横浜グリッツ戦なんです。彼らは開幕戦として最大の力を入れてくるでしょうから、負けられません。
―― 新シーズンの目標を教えてください
6チームで争う今シーズンは1位から4位までがプレーオフに進出できますので、「最低でもプレーオフ進出」が目標です。
今季は「爆アガリ~感情、全部もってこい。」というステートメントを掲げましたが、新横浜へ観戦に来ていただいた皆さんと選手が一緒になって盛り上がりたい、という思いを込めたものです。
勝利にこだわるのはもちろんですが、「本拠地を盛り上げる」という面を意識していきます。
―― ありがとうございました
横浜GRITS 2025-26シーズンの入退団
※#=背番号、GK=ゴールキーパー/DF=ディフェンス/FW=フォワード、カッコ内は前所属または所属期間
<新加入>
- GK:磯部裕次郎(#29)(ひがし北海道クレインズ→東京ワイルズ、28歳)
- DF:タイラー・ロックウェル(Tyler Rockwell)(#22)(仏マルセイユ→英マンチェスターストーム、29歳)
- DF:パク・ジュンソ(Junseo Park)(#86)(韓国・延世大学、23歳)
- DF:齊藤輝(#92)(白樺学園高→法政大学、23歳)
- FW:上野鉄平(#8)(米コネチカット・ジュニア・レンジャーズ→東京ワイルズ、23歳)
- FW:種市悠人(#19)(武修館高→中央大学、22歳)
<契約満了・退団>
2025-26シーズン 横浜GRITS試合予定
- ※8月31日(日)スターズ神戸(西東京18:30)【詳細】※プレシーズンマッチ
- 9月6日(土)東北フリーブレイズ(新横浜15:00)【詳細】【ライブ中継】※開幕戦
- 9月7日(日)東北フリーブレイズ(新横浜14:00)【詳細】【ライブ中継】
- 9月20日(土)スターズ神戸(新横浜15:00)【詳細】※スターズ神戸の初公式戦 【ライブ中継】
- 9月21日(日)スターズ神戸(新横浜14:00)【詳細】【ライブ中継】
- 9月27日(土)レッドイーグルス北海道(札幌月寒15:00)
- 9月28日(日)レッドイーグルス北海道(札幌月寒14:00)
- 10月4日(土)HLアニャン(韓国安養16:00)
- 10月5日(日)HLアニャン(韓国安養14:00)
- 10月7日(火)HLアニャン(韓国安養14:00)※韓国で平日開催
- 10月11日(土)レッドイーグルス北海道(新横浜15:00)
- 10月12日(日)レッドイーグルス北海道(新横浜14:00)
- 10月25日(土)H.C.栃木日光アイスバックス(新横浜15:00)
- 10月26日(日)H.C.栃木日光アイスバックス(新横浜14:00)
- 11月8日(土)H.C.栃木日光アイスバックス(日光14:00)
- 11月9日(日)H.C.栃木日光アイスバックス(日光14:00)
- 11月29日(土)東北フリーブレイズ(八戸14:00)
- 11月30日(日)東北フリーブレイズ(八戸14:00)
- 12月6日(土)HLアニャン(新横浜15:00)
- 12月7日(日)HLアニャン(新横浜14:00)
- 12月13日(土)レッドイーグルス北海道(苫小牧15:00)
- 12月14日(日)レッドイーグルス北海道(苫小牧14:00)
- ※12月18日(木)~21日(日):第93回「全日本選手権」(長野)※トーナメント戦、グリッツの初戦は19日(金)10:00~を予定
<2026年>
- 1月2日(金)HLアニャン(新横浜16:00)※初の正月3連戦
- 1月3日(土)HLアニャン(新横浜15:00)
- 1月4日(日)HLアニャン(新横浜14:00)
- 1月10日(土)スターズ神戸(尼崎16:00)
- 1月11日(日)スターズ神戸(尼崎14:00)
- 1月24日(土)スターズ神戸(新横浜15:00)
- 1月25日(日)スターズ神戸(新横浜14:00)
- 1月31日(土)東北フリーブレイズ(東京・東伏見:15:00)
- 2月1日(日)東北フリーブレイズ(東京・東伏見:14:00)
- 2月7日(土)H.C.栃木日光アイスバックス(日光14:00)
- 2月8日(日)H.C.栃木日光アイスバックス(日光14:00)
- 2月14日(土)レッドイーグルス北海道(東京・辰巳:15:00)※東京辰巳アイスアリーナで初開催
- 2月15日(日)レッドイーグルス北海道(東京・辰巳:14:00)
- 2月28日(土)H.C.栃木日光アイスバックス(新横浜15:00)
- 3月1日(日)H.C.栃木日光アイスバックス(新横浜14:00)※ホーム最終戦
- 3月7日(土)東北フリーブレイズ(八戸14:00)
- 3月8日(日)東北フリーブレイズ(八戸14:00)
- 3月14日(土)スターズ神戸(尼崎16:00)
- 3月15日(日)スターズ神戸(尼崎14:00)※シーズン最終戦
- 3月19日(木)・21日(土)・22日(日)プレーオフセミファイナル:2位 vs. 3位/1位 vs. 4位(先に2勝でファイナル進出)
- 3月28日(土)・29日(日)・4月2日(木)・4日(土)・5日(日)プレーオフファイナル(セミファイナル勝者、先に3勝で優勝)
※2025年11月5日追記
【関連記事】
・2025年9月からの「アジアリーグ」、神戸の新規参入で横浜グリッツも試合増(2025年5月19日)
・横浜グリッツ参戦から5年、退任を決めた監督・浅沼さんの歩みとアイスホッケー愛(2025年5月12日)
【参考リンク】
・横浜GRITSの公式サイト(最新情報や選手紹介など)
・アジアリーグアイスホッケー(今季は2025年9月6日~2026年4月5日、全6チーム、各チーム40試合+プレーオフ)
・2025年8月31日(日)18:30「スターズ神戸」とのプレシーズンマッチ案内(西東京市「ダイドードリンコアイスアリーナ」で開催)
















