9月から始まる新シーズンは新横浜での試合数が増えそうです。
横浜グリッツ(GRITS)など日韓5チームが所属するプロアイスホッケー「アジアリーグ」は、今年(2025年)9月に始まる「2025-2026シーズン」に新チームの「スターズ神戸」が加盟し、全6チームで来年(2026年)3月中旬まで計120試合を行うと発表しました。
今年9月から来年(2026年)3月中旬までの「レギュラーシーズン」は、各チームが8回戦総当たりで40試合を行う計画。
HLアニャンの本拠地である韓国・安養(アニャン)では計15試合を行い、残る105試合は国内8カ所(苫小牧、札幌、八戸、日光、東京、新横浜、神戸、兵庫県尼崎)を中心に実施する予定です。
プレーオフについては2026年3月下旬から4月初旬までの期間に、レギュラーシーズン上位の複数チームが出場して行われます。
アジアリーグは2023年まで所属していた「ひがし北海道クレインズ」が活動を休止したため、この2シーズンは日本4・韓国1の計5チームによる80試合(各チーム32試合)の実施にとどまっていましたが、3季ぶりに以前の試合数に戻る形となりました。
なお、細かな試合日程は現在調整中のため、後日発表するとのことです。
スターズ神戸は兵庫県内2カ所で
2025-2026シーズンから参戦が決まったスターズ神戸は、甲南大学(神戸市東灘区)のアイスホッケー部OBが1994(平成6)年に設立したチームを母体とし、昨年5月に法人化。
今年3月15日には兵庫県尼崎市で横浜グリッツと初の対外試合を行い、1000人超の観客を集めました。
アジアリーグでは「神戸市立ポートアイランドスポーツセンター」(神戸市中央区)と「尼崎スポーツの森」(兵庫県尼崎市)の2カ所を本拠地とする計画です。
スターズ神戸の選手指導は、コクドや王子イーグルス、栃木日光アイスバックスなどで活躍した外崎(とのさき)慶さん(43歳)が担当。

記者会見で右からスターズ神戸の黒澤玲央社長、日本アイスホッケー連盟の江守秀次副会長、栃木日光アイスバックスのセルジオ越後シニアディレクター(SD)、アジアリーグの武田チェアマン(5月16日、東京都内)
運営会社の黒澤玲央社長によると、初年度は20人程度の選手を集め、年間活動費は1.5億円を想定しているといい、主催試合の平均来場者数は1300人以上を目指す考えです。また、世界での活躍や将来的なキャリア形成も考慮し、スタッフ・選手ともにTOEIC(トーイック=国際コミュニケーション英語能力テスト)で600点以上を求めています。
運営側のトップを担う黒澤社長は、八戸高校から慶應義塾大学を経て、卒業後は栃木日光アイスバックスで2シーズンにわたって選手やフロントスタッフとして活動。その後、プロバスケットボールBリーグの「京都ハンナリーズ」や、Jリーグの「ヴィッセル神戸」でスポンサー営業などを担当しています。
会見に駆け付けた栃木日光アイスバックスのセルジオ越後シニアディレクターは、2005(平成17)年から2007(平成19)年まで「日光神戸アイスバックス」の名で当時のチームが日光と神戸のダブルフランチャイズを行ったものの、多額の負債を抱えることになった経験を語ったうえで、「スポーツビジネスを勉強した黒澤なので、僕は彼の能力を買っていて、(神戸の)地域でコツコツやっていったら十分に根付く可能性がある。ぜひ期待したい」とエールをおくっていました。
なお、黒澤社長の慶應大学時代はスケート部ホッケー部門(アイスホッケー部)に所属し、1年生当時のコーチには横浜グリッツの浅沼芳征前監督や御子柴高視ゼネラルマネージャー、4年生には臼井亮人社長がいたといいます。
横浜グリッツとは初の対外試合も行っており「まだ実力面で差はあるが、追い付いていきたい」(黒澤社長)と話していました。
【関連記事】
・横浜グリッツ参戦から5年、退任を決めた監督・浅沼さんの歩みとアイスホッケー愛(2025年5月12日、スターズ神戸の黒澤社長についても)
【参考リンク】
・アジアリーグアイスホッケー 2025-2026シーズン:開催概要およびスターズ神戸の加盟を発表(2025年5月16日、試合の開催日程詳細は後日発表)
・スターズ神戸の公式サイト(本拠地は神戸市と兵庫県尼崎市)