開業から65周年を迎えた「横浜マリンタワー」が施設の刷新と新サービスの導入を相次ぎ行っています。
横浜マリンタワー(中区山下町)は先月(2026年)5月から館内レストランの刷新や、新たに歴史パネルの展示を行うとともに、6月2日には8言語に対応したスマートフォン向け音声ガイドを導入するなど、サービス拡充の動きを活発化させています。

1961(昭和36)年~1963(昭和38)年までに撮影された開業間もない頃の「横浜マリンタワー」、この時代は今と違って海岸沿いに高い建物がまったく無く、106メートルの高さを持つマリンタワーからの眺望は貴重だった(1963年国際情報社「新しい日本 7」=国会図書館デジタルコレクションより)
横浜開港100年記念の一環で民間企業の主導により1961(昭和36)年1月に開業した横浜マリンタワーは、平成後期の入場者減少などに伴う閉館を経て2007(平成19)年1月に市有化。
以降は大規模リニューアル工事を行ったうえで、地元の総合不動産事業者であるリスト株式会社(中区尾上町)を中心とした共同事業体が市から建物を借りる形で運営を担当してきました。
現在は代表事業者のリストプロパティーズ株式会社(同)をはじめ、建築設計の株式会社ティケイスクエア(東京都港区)とラジオ局の横浜エフエム放送株式会社(西区みなとみらい2)の3社が運営を担います。
かつて「灯台」だった歴史など展示
開業65年を機としたサービス刷新では、まず2階のコミュニティーラウンジにこれまでの歴史を振り返る「歴史パネル」を横浜開港資料館と横浜都市発展記念館の協力により設置。
マリンタワーが2008(平成20)年まで「灯台」としての役割を担っていた時代の歩みをはじめ、目の前に位置し関東大震災から復興で作られた山下公園の歴史など、観光客や修学旅行生の来訪が多い同タワーらしく“学びの展示”が5月から加わっています。
3・4階の結婚式場とレストラン刷新
一方、3階の結婚式場「Marine Tower Wedding(マリンタワー・ウエディング)」と、4階のイタリアンレストラン「the Terrace(ザ・テラス)」でリニューアルを実施するとともに、ウェディングやレストラン事業を展開する株式会社CRAZY(クレイジー、東京都渋谷区)が両施設の新たな運営者に就きました。
「人生に寄り添う灯台のような場所」(CRAZY)と位置付け、アーチ状に再設計したパーティ会場や奥行きを生かしたテーブルレイアウトによる式場にしたとのこと。
また、4階レストランのザ・テラスは、屋外のテラスエリアを中心に刷新し、6月18日から再オープンしました。
地元企業の思いを込めた音声カイド
そして6月2日から新たに導入したのが公式オーディオガイドの「横浜360°(360度)」です。
マリンタワーから近い中区山下町に本社を置くデザインファーム・NOSIGNER(ノザイナー)株式会社が開発したプラットフォーム「WOUDIO(ウーディオ)」を活用したもので、専用アプリを使わない形の多言語オーディオガイドとしました。
同社代表で多数のデザイン賞受賞歴と著書を持つデザイナー・太刀川(たちかわ)英輔さんが直接開発に携わっており、「僕自身が山下町民かつ弊社も山下町にあり、ほとんど毎日タワーを見ながら過ごしているので、そういう場所でサービスをリリースできるのは非常に感慨深い」と今回のオーディオガイドに対する深い思い入れを話します。
マリンタワーの展望フロアから見える横浜の景観と、その場所にひもづく歴史や情報を重ね合わせた解説を日本語や英語を含めた8言語による解説を聴けるようになっており、近くのQRコードを読み取るだけの手軽さを特徴としています。
また、東京都の防災計画「東京防災」に携わるなど防災に詳しい太刀川さんらしく、横浜360°では多言語で最寄り避難所を表示するなどの機能も備えました。
65年という月日を重ねてきた横浜を代表する観光施設の一つであるマリンタワーで、観光客だけでなく、横浜市民も注目のリニューアルが進みつつあります。
【参考リンク】
・横浜マリンタワー公式オーディオガイド「横浜360°(度)」(2026年6月2日から導入、複数言語に対応し一部は無料で聴取可能)
・横浜マリンタワー2階コミュニティーラウンジ「開業65周年記念企画 横浜マリンタワーの歴史パネル展示」(2026年5月から新たに常設)
・横浜マリンタワー3階「Marine Tower Wedding(マリンタワー・ウエディング)」(2026年5月30日にリニューアルオープン)
・横浜マリンタワー4階イタリアンレストラン「the Terrace(ザ・テラス)」(2026年6月18日にリニューアルオープン)












