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【レポート】今年(2026年)4月21日に関内駅前の旧横浜市役所を改装してオープンした星野リゾートの都市型ホテル「OMO(おも)7(セブン)横浜」(276室)。市民にはどこか懐かしさを感じさせられる内外装を残しつつも、新旧融合をコンセプトに新たな魅力と楽しさを盛り込んでいました。

旧横浜市役所をホテルに改修して4月21日にオープンした「OMO(おも)7(セブン)横浜」、関内駅寄りのエリアには書店やコワーキング&ラウンジ、雑貨店、飲食店などから成る「有隣堂」が入っている(5月13日)

OMO(おも)は「観光客を一番集めているのは都市であり、都市にこそ楽しく滞在していただけるホテルがあるべき」(星野リゾート・星野佳路代表)との考えから2018(平成30)年に立ち上げた都市ホテルのブランド

横浜市役所(馬車道)の向かいに位置する58階建てビル「ザ・タワー横浜北仲」(2020年竣工)の旧サービスアパートメントをリブランドする形で今年1月15日にオープンした「OMO(おも)5(ファイブ)横浜馬車道」に続き、今回オープンした「OMO7横浜」が全国18カ所目となりました。

都市に展開する「OMO(おも)」は今年、横浜市内で2カ所を相次いでオープンし全国18カ所となった(星野リゾートのニュースリリースより)

寝るだけでは終わらせないホテルがOMOであり、その土地を感じられる観光体験をしていただくことで、旅のテンションが落ちないよう『テンション上がる“街ナカ”ホテル』というコンセプトを掲げています」(OMO7横浜の羽毛田実総支配人)。

星野リゾートの各ブランドを紹介する羽毛田総支配人、最上級ブランドの「星のや」や、温泉旅館ブランド「界(かい)」、そして「OMO」などそれぞれコンセプトが異なる宿泊施設を全国77カ所に展開(5月13日)

なお、「OMO5」や「OMO7」などの数字部分は、提供するサービスの幅を表しているものだといい、「7(セブン)」はフルサービスのホテルという位置付けで、カフェやレストラン、ビュッフェスタイルの朝食などを備えているのが特徴です。

建築家・村野藤吾氏の建物を残す

JR関内駅南口を降りると駅前は再開発街区「BASEGATE(ベースゲート)横浜関内」として一新されたが、旧横浜市役所の建物は以前の変わらず駅の目の前にある(5月13日)

OMO7横浜は、著名な建築家・村野藤吾(とうご)氏(1891年~1984年)の設計でも知られる旧横浜市役所(1959年~2020年)のうち、大規模施設「ベースゲート横浜関内」への再開発に際して解体された「議会棟」と「市民広間」を除き、本館的な建物として使われていた「行政棟」をホテルに改修したもの。

解体された旧市役所「市民広間」の大階段デザインを継承するなど、ホテルのロビーは市役所時代のイメージを醸し出す(5月13日)

横浜に関する書籍が置かれたライブラリーには旧市役所「市民広間」に飾られていた洋画家・佐藤亜土氏の作品も補修復元し展示されている(5月13日)

市民広間の階段やタイル壁画などは一部再現も含めてホテルのロビーに残し、議会棟にあった本会議場の議員席をラウンジの椅子に再利用するなど、ホテル内の随所に面影をとどめています

エレベーターも旧市役所時代の雰囲気が残された(5月13日)

1階のロビーには展示も充実、なお旧横浜市役所庁舎は昨年(2025年)8月、歴史的建造物を現役の建物として活用を促していくことを目的に横浜市が独自に始めた制度による「認定歴史的建造物」になっている(5月13日)

宿泊者以外も利用可能なロビーのある1階とベーカリー・カフェ、レストランのある2階は「OMOベース」と名付けられ、1階には「ハマイズムコレクション」と題した歴史紹介コーナーも設けられました。

行政執務室がユニークな部屋に

全276室の客室を見ると、一般的な「ダブルルーム」のほかは家族やグループなど複数人での宿泊を想定したユニークな部屋が目立ちます。

2階建てのようなベッドも備えた「やぐらルーム」は家族やグループの旅に喜ばれそう(5月13日)

2階建てのような“高床式ベッド”を備えた「やぐらルーム」は3人まで、キッチンも備えた「やぐらスイート」は最大6人まで宿泊ができ、テーブルを囲んだ半円形ソファコーナーを持つ「かたりばルーム」も定員を最大4人としています。

「かたりばルーム」は半円形のテーブルスペースが特徴(5月13日)

ホテルへの改修に際してインテリアデザインを担当した成瀬・猪熊建築設計事務所(東京都杉並区)が「行政の執務室はシンプルにつくられており、すごく悩んだ」というなかで生み出された独特な部屋のデザインなどに、市役所時代を知る人は特に驚きを覚えそう。

3階は「愛犬専用フロア」に設定

そして同ホテルならではの大きな特徴が3階フロア全体を「愛犬専用フロア」とし、同フロアの部屋を愛犬と泊まるのに最適化した“ドッグフレンドリールーム”(3種類、計32室)として設定していることです。

3階フロアにある「ドッグフレンドリースイート」には愛犬が過ごせるスペースも用意されている(5月13日)

宿泊者用の屋外ドッグラン屋内ドッグラウンジも設けており、横浜市民であっても一度は愛犬とともに泊まってみたいフロアとなっています。

3階フロアの「屋内ドッグラウンジ」は24時間利用が可能(5月13日)

3階の「屋外ドッグラン」は朝5時30分から22時まで使うことができる(5月13日)

街を知る「OMOレンジャー」

「関内を含めた横浜全体を1つのリゾートと見立て、そのなかで滞在を楽しんでいただければ」(星野代表)というOMO7横浜の宿泊者向けイベントは、“寝るだけでは終わらせない”のコンセプトを表したものといえます。

野毛の楽しみ方を伝授する「野毛ホッピングセレクション」は毎日16時30分から18時30分までの間に随時開催されている(5月13日)

OMOレンジャー」と名付けられたスタッフが毎日夕方にロビーで行う「野毛ホッピングセレクション」は、OMO7横浜のある関内駅前から徒歩約15分ほどでアクセスできる飲食街「野毛」(中区野毛町ほか)の魅力をコンパクトに紹介する企画。

600店ほどある飲食店の特徴を熟知したOMOレンジャーに「こんな店に行きたい」と尋ねれば、情報を記した「オリジナルショップカード」とともに解説が受けられます。

「屋上テラス」から球場を一望

屋上の「HAMAKAZE(ハマカゼ)テラス」では毎晩19時から22時30分まで「気分上々、ハマナイト」と題し、飲食物の販売や金曜日と土曜日には生演奏も披露。旧市庁舎時代から馴染みの存在だったタワー状の「愛市の鐘」も見える(5月13日)

夕刻から夜にかけての観光後にホテルへ戻ってから楽しみとして、屋上テラスで行われる「気分上々、ハマナイト」は、ジャズなどの生演奏の披露とクラフトビールなどの飲食物販売も行われる宿泊者向けの“夜イベント”。

HAMAKAZE(ハマカゼ)テラス」と名付けられた9階は、横浜スタジアムのレフトスタンド後方に位置し、球場を一望することができるため、試合が行われている日はスタジアムから聴こえてくる歓声とともに過ごせるのは同ホテル屋上ならではの心地よさ。

屋上のカウンターからは横浜スタジアムを眺めることができる(5月13日)

屋上の展望スペースからは横浜スタジアムを眼下に一望でき、歓声も聴こえるため、思わず試合に熱中してしまいそう(5月13日)

同テラスは6時から23時まで宿泊者ならいつでも入ることが可能。試合前の練習中などスタンドが閉鎖されている時間帯にもグラウンドを眺めることができるため、野球ファンは双眼鏡を片手に訪れたいところです。

双眼鏡などがあれば試合前の練習風景も楽しむことも(5月13日)

朝は歴史的建物を巡るウォーク

毎朝行われるガイドツアー「横浜レガシーウォーク」はホテル内の建築に関する解説に加え、横浜三塔(神奈川県庁本庁舎、横浜税関、横浜市開港記念会館)をOMOレンジャーの案内で歩いて巡る内容。

毎朝9時から10時ごろに行われる「横浜レガシーウォーク」は横浜三塔を巡り、旧横浜市庁舎内外の解説もある(5月14日)

横浜を代表する歴史スポットのアクセス拠点となる関内駅前という環境を生かし、短時間ながら内容を凝縮したウォーキングツアーとなっており、観光客に喜ばれそう。

ベーカリーカフェとレストラン

館内2階の「OMOベーカリー」は星野リゾートとして初のベーカリー業態で、9時30分から23時までの時間帯は宿泊者以外も利用が可能です。

5種のカレーパンなどを扱う館内2階の「OMOベーカリー」は持ち帰りだけでなく、カフェ利用もできる(2026年3月)

5種のカレーパンをはじめとしたパン類の販売に加え、カフェ営業も行っており、17時以降はワインとセットにしたメニュー「パン飲み」も提供しています。

17時以降に提供されている「パン飲みプレートとワインのセット」は、ワインに合うパン2種類から選ぶことができる。なお、ロビーの椅子は旧市議会議事堂で使われていたものを活用している(5月13日)

また、同じ2階に置かれた「OMOダイニング」(17時30分~21時)は、「クラッシック・ナポリタン」や「特製豚骨ラーメン」といった定番メニューや、「オマール海老の麻婆ポットパイ」、ラム肉を包んだ「赤の餃子」などの“ちょい食べ”メニューも設けており、手軽に使えるレストランとなっています。

「OMOダイニング」は夜の街歩きを楽しめるよう1品ずつの「ちょい食べ」も可能(5月13日)

日帰り観光地から脱却する契機に

今年3月に行われた「BASEGATE(ベースゲート)横浜関内」の内覧会では「東京というブラックホールのように巨大で世界に有名な観光地から近すぎることによって、日帰りの比率がかなり高い」と横浜観光の課題を口にし、「(横浜スタジアムに)野球を見に来た方々が(OMO7横浜に)全員泊まってくれると、もう問題はすべて解決するんですけどね」と漏らしていた星野リゾートの星野代表

今年3月の「BASEGATE(ベースゲート)横浜関内」オープン内覧会時に横浜の観光について語った星野代表、左はディー・エヌ・エー(DeNA)の南場智子会長と三井不動産の植田俊社長(2026年3月)

これまではビジネスホテルやシティホテルが中心だった横浜市中心部でも近年は海外観光客を意識した滞在型ホテルが目立ち始めるなど変化の兆しがみられます。

今年、街を楽しむことを前面に打ち出した星野リゾートの“街ナカホテル”相次いで誕生したことは、「日帰りの大観光地・横浜」を脱却するきっかけとして期待されます。

)この記事は「新横浜新聞~しんよこ新聞」「横浜日吉新聞」の共通記事です

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激変した関内駅前の旧横浜市役所、3月19日に大規模施設「ベースゲート」が開業(2026年3月16日、OMO7横浜が位置する再開発街区について)

日本を代表する建築家の作だった「港北図書館」、65年を経て村野氏関与の新資料(2025年4月7日、村野藤吾氏と横浜市の関わりについて)

【参考リンク】

都市型ホテル「OMO(おも)7(セブン)横浜 by 星野リゾート」(旧横浜市役所、関内駅前で2026年4月21日オープン)