横国大の学生が、新横浜駅での取り組みを“研究成果”とするアイデアを発表、“横浜花博”の来客に「忘れられない感動」を与えることにつながるのでしょうか。
JR東海グループの新横浜ステーション開発株式会社(新横浜2)は、今年(2026年)3月4日、横浜国立大学(横国大、保土ケ谷区常盤台)経営学部・山岡徹教授のゼミ生による、同社との「『GREEN×EXPO(グリーンエクスポ)2027の機運醸成施策の考案』企画発表会」を開催しました。

新横浜ステーション開発(新横浜駅ビル)と横浜国立大学経営学部・山岡ゼミ生による「『GREEN×EXPO(グリーンエクスポ)2027の機運醸成施策の考案』企画発表会」は新横浜グレイスホテルにて開かれた(2026年3月)
会場となった新横浜駅前に位置する新横浜グレイスホテル(新横浜3)で、同ゼミに所属する2チーム8人の学生が、昨年(2025年)10月から取り組んだ研究テーマとしての機運醸成施策を各20分間にわたり発表。
来場した同社やグループ企業の関係者、公益社団法人2027年国際園芸博覧会協会(中区住吉町1)や横浜市都市整備局や港北区区政推進課の担当者に、それぞれの研究成果を披露、発表後の質疑応答に臨んでいました。
今回の研究成果発表のコラボを同大学と行った新横浜ステーション開発は、新横浜駅の商業施設「キュービックプラザ新横浜」を運営。
昨年度(2024年度)には、同ゼミと新横浜駅にも近い大豆戸(まめど)町の高架下と周辺土地の活用についての「産学連携プロジェクト発表会」を、同社内で昨年(2025年)2月に実施するなど、地域まちづくりにおける連携を深めてきました。
今回の発表にあたり、同社の松尾啓史社長は、「地元・横浜国立大学の学生の皆さんの力をお借りし、また博覧会協会や行政の皆様と緊密に連携しながら、グリーンエクスポの魅力を最大限に高めていきたい。学生の皆さんの斬新なアイデア、提案を、新横浜の未来、そして新横浜から世界に誇れる新たな価値の創出につながることを楽しみにしたい」と、横国生の発案を活かした来街者や駅、駅ビル利用者への“おもてなし”を展開したいとの意気込みを語ります。
続いて、今回のプロデュースを担当した、同社企画部企画課の川島涼楓さんは、「新幹線改札を出てすぐの『交通広場』をはじめとして、駅ビル全体、新横浜駅北口を出てすぐの東広場、西広場は“公共のステージ”。企画の優位性や斬新性、実現可能性や回遊性についてなど、機運醸成から開催中、開催後にも継続して活用できるしくみについても提案をいただきました」と、今回の企画を実施するにあたってのポイントについて説明。
昨年10月にキックオフミーティングを行ってから5カ月間にわたり、計4回のミーティングを行い、博覧会協会メンバーも参加してのアドバイスをもらいながらの提案内容のブラッシュアップを図ってきたと語ります。
2チームが“産学連携”アイデアを発表
(チーム:パキラ)
最初のチーム「パキラ」は、宮本勇義さん、小澤月菜さん、二瓶柚乃さん、松下海優さんの4人が担当。
チーム名の「パキラ」が、グリーンエクスポにちなんだ観葉植物の名らしく、緑色をベースとした78枚のスライドを使用してのプレゼンテーションを行いました。
調査の結果、「大学生世代を含む“若年層”の多くがグリーンエクスポを知らない」としたデータを基に、企画を立案。
キュービックプラザ内の長廊下を活用した性格診断コンテンツ「ハナシラベ」や、夏休み時期に行う“キックオフイベント”としての新横浜駅全体を使っての「GREEN(グリーン)フェス」、体験型リラクゼーションスタンド「ひとやすみスタンド」でのハーブティーと栽培キットを使用しての“癒し”の提供をまずは提案します。
また花のイルミネーションを活用しての「光る花『シークレットガーデン(Secret Garden)』」や、視界全てをグリーンエクスポのデザインと緑・花で埋め尽くす大規模な空間装飾を行う全館ジャック施策「グリーンジャック(GREEN JACK)」といった、駅ビル空間をフル活用してのイベント企画案についても、それぞれの取り組みから視覚化を行った経緯について、一つひとつ細やかに披露しました。
(チーム:13本の薔薇)
続いて発表を行った「13本の薔薇(バラ)」チームは、木村こももさん、唐澤知也さん、原田菜奈子さん、原田奈緒さんの4人が参画。
「新横浜駅をグリーンエクスポの玄関口に」とのテーマでスタートした発表では、66枚のスライドを使用。
2025年秋に実施した神奈川県全域での調査結果で約4割がグリーンエクスポを認知していないことを受け、「交通広場や駅ビル全体」を使っての機運醸成を提案する内容となっています。
夏からスタートする企画を、時季に合わせ年代層や学生、社会人といった属性により分類。
ファミリー層を対象としての「自然を創造!ブロックタウン」と名付けた、夏休みを中心に行う、視覚的にもイベントをアピールする企画や、秋に主婦層をターゲットとしたフラワーアレンジメントのワークショップや展示を活用しての「フラワーグローイング(Flower Growing)」についての発表を行います。
また、秋から冬にかけて行う、健康志向が強い人をターゲットとし飲食店とのコラボメニューを展開する「ぷらっとプラント(Plant)」や、学生を対象とした「未来アンバサダー育成謎解きラリー」、冬から春にかけて行う、社会人を対象とし里山を体感してもらう体験型の「五感ラボ(Lab)」といった企画についての紹介を、“利用者”にとっての最大限のメリットを考慮したかの発表として行っていました。
「新横浜駅ビル」で経営学を“実践的な課題”に活かす
発表を終えた山岡教授は、「今回発表した8名は2年生(当時)で、これが初めての、“対外的な課題解決型”となる取り組みでした」と、今回のような実践的な課題解決型の取り組みでは、学問領域にこだわらず、経営学の知識を“実践的な課題”に活かせるテーマとして指導を行ったと語ります。
来場参加したJR東海のグループ会社や新横浜駅長、博覧会協会など、来場者それぞれの立場からの質疑応答や評価も行われ、「学生たちがしっかりとした提案を行ったことが素晴らしい。今後の街づくりの参考になりました」との声も挙がっていました。
各発表の終了後には、松尾社長から学生2チームへの感謝状や謝礼品の贈呈も行われ、来年のグリーンエクスポ開催に向けての機運醸成に尽力した学生たちの研究成果を労いました。
“前年度”の取り組みを継続、「夏以降」に具現化を検討
今回のプロジェクトは、前年度(2024年)に行った大豆戸町での取り組みを「継続したい」との同社の想いがある中での実施になったといいます。
イベントの橋渡し役を担った同社企画部の川島さんは、「根拠に基づいた資料作成と毎回のミーティングでの修正対応が素晴らしかった。特に五感を使った障害者向けの提案、LINE(ライン)との連携施策など、AIやSNSを活用した若い世代ならではの発想も印象に残りました」と語ります。
学生たちから示された提案は、「2026年度の実施に向けた具体的な検討を進めていきます」と川島さん。
横浜市、万博協会、JR東海などとの調整を経て、夏頃から実施可能な施策を検討し、1つでも実現することを目標とし、予算についても“ある程度想定済み”とのこと。
グリーンエクスポの「新幹線の玄関口」としての役割を担う新横浜駅が、横浜国大との“熱きタッグ”で、どこまで同イベントを盛り上げていくことができるのかに、大きな注目が集まることになりそうです。
(※)この記事は「新横浜新聞~しんよこ新聞」「横浜日吉新聞」の共通記事です
【関連記事】
・【前年度開催】横浜国大が大豆戸町の再開発を提案、「新幹線高架下」初の産学プロジェクト(2025年3月31日)※第1回
【参考リンク】
・新横浜ステーション開発株式会社(キュービックプラザの運営や高架下管理など)






