【2025年の取材記事です】新横浜から1台の「消防車」が海を越え、アフリカ大陸に贈り届けられました。
新横浜を拠点に活動を行う「新横浜ロータリークラブ」は昨年(2025年)6月3日午前、会員が事業を営む株式会社アメニティ(神奈川区羽沢町)で、「レソト王国消防車寄贈式典」を開催。
レソト王国大使館(東京都港区)のソーリ・ママスーファ参事官やノフィキレ・ユーニス・モファナ一等書記官、同国の教育文化親善大使を務めるウーリッヒ・クルツさんや、共に寄附活動を行った、同じ新横浜を拠点とする「横浜港北ロータリークラブ」の会員、消防車の寄贈にかかわった関係者が集い、アフリカ・レソト王国(Kingdom of Lesotho)に向け海を渡る「消防車」を見送る時間を共有しました。
「ロータリークラブ」は、1917(大正6)年にアメリカで誕生。地域社会や国際的な課題、世界平和への貢献を行うことを目的として世界中で活動。
日本では約2200のクラブ、約8万5000人の様々な職業を持った会員が参加しているといい(2025年3月末現在)、両クラブは神奈川県の横浜市・川崎市内の「国際ロータリー第2590地区」を構成するクラブとして、週1回の例会やボランティアでの地域貢献活動を行っています。
この日行われた式典では、まず新横浜ロータリークラブを代表して、野島義彦会長(当時)が、「このプロジェクトは2021年、今から4年前に始まり、紆余曲折を経て、皆さんの努力と熱意により実現することになりました」と、4年間かけて、今回のプロジェクトが実現できることへの感謝の想いを語ります。
続いて、来賓として招かれたレソト王国大使館のソーリ・ママスーファ参事官が、「(レソト王国の駐日)大使は、残念ながらレソトに出張中のため、この美しい消防車の“お見送り”に伺うことができませんでした」と英語でスピーチ。
消防車の到着後については、「警察消防省、つまり警察署に納入されます。これは国の発展にとって非常に大きな貢献です。心から感謝しています」と、続けて英語で謝意を示します。
同じく来賓として招かれた横浜港北ロータリークラブの井上恵会長(当時)も、この取り組みをスタートした4年前を振り返り、「当時、会長を務めていた伊東厚彦さんもきょう出席されていますが、長い月日にわたり取り組む中、最後まで成し遂げられたことに本当に感謝申し上げたい。ロータリークラブでは、“誰かのために”なれるようにと考え、社会貢献活動を行っていますが、今回はレソト王国のために何かの役に立つということで、大変嬉しい」との心境を語っていました。
この事業の成功に向けての尽力を行った一般社団法人日本外交協会(東京都港区)や、株式会社商船三井(同)、東商エキスプレス株式会社(中区万代町2)や野川カースチール(平塚市上吉沢)の関係者に「感謝状」が贈呈された後、消防車を前に記念撮影を挙行。
それぞれの立場での想いがスピーチ、また交流の時間で語られる中、それぞれの立場を超え、国際的な交流を深めながらの閉会となりました。
レソト王国はアフリカ大陸南部の南アフリカ共和国に四方を囲まれた内陸部に位置し、人口は約234万人(2024年:世界銀行=外務省サイト)。

レソト王国の教育文化親善大使を務める、今回の企画で中心的な役割を担ったというウーリッヒ・クルツさんが写真を撮影。今回の事業を4年前に立ち上げた「港北ロータリークラブ」の伊東厚彦会長(右)、八木正憲監事も寄贈される「消防車:を前に笑顔に包まれていた
この日の式典で司会進行を務めた株式会社アメニティの山戸伸孝社長は、“後開発途上国”(国連総会の決議により認定された特に開発の遅れた国々、同サイト)とされるレソト王国について、「山岳地帯が広がる美しい国と言われていますが、充分な消防インフラが整っておらず、命を守る支援の必要性が高まっている状況」だと説明します。
海を経て運ばれた消防車は、レソト王国への“玄関口”となる南アフリカ共和国の都市・ダーバンを経由し、約1カ月の時間をかけての輸送が行われたとのこと。
2022年2月から始まったロシアによるウクライナ侵攻や、2023年10月以降激化したイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区での戦闘、今年(2026年)2月に始まったアメリカ軍によるイランへの攻撃など、国際情勢が不安定化している状況の中、日本が国際社会においてどうあるべきか。
日々の生活の中の「安心・安全」を届ける信頼関係の構築を“海を越えて”行い発信していくことの大切さ、その理念や想いがさらにより大きく広がっていくことが望まれます。
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