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センター北の新本社では初の年次会見です。

ボッシュ株式会社は今月(2025年)6月19日、センター北駅近くで昨年(2024年)9月に新設した都筑区内の本社で、初めてとなる年次会見を開き、2024年度の売上高事業の最新動向などを紹介しました。

都筑区民文化センター「ボッシュホール」(左側)と隣接するボッシュ本社(右奥)

ドイツに本拠地を置く自動車部品メーカーとして知られるボッシュ(BOSCH)は、2024年度の日本国内における第三者連結売上高(※グループ外の第三者との取引によるもの)について、前年比1%増約4280億円(前年度約4200億円)だったと発表。

クリスチャン・メッカー代表取締役社長は「2024年の国内自動車生産台数が前年比8.5%減の823万台であったなか、安定的な成長を遂げ、日本において3年連続で最高売上高記録を更新した」と述べます。

2024年度の売上を発表するメッカー社長(6月19日)

世界全体のボッシュ・グループについては、2024年の売上高が前年比1.4%減約14.8兆円(903億ユーロ)でした。

牛久保に設けた事業部が10周年

ボッシュの横浜事業部に設けた「モーターサイクル&パワースポーツ事業部」はグローバルの本拠地となっている(写真は同事業部の展示、6月19日)

日本での事業動向については、都筑区牛久保日吉元石川線沿いにある「横浜事務所」で2015(平成27)年に設けた「モーターサイクル&パワースポーツ事業部」が10周年を迎えており、「ドイツ国外に本社を置く唯一の事業部門で、横浜から全世界の二輪車メーカーに包括的なソリューションを提供しており、昨年はレーダーを活用したアシスタンスシステムにおける6つの新しい機能を発表した」(メッカー社長)と説明します。

一方、新本社では、運転支援自動運転技術に関する開発を進めているといいます。

機械式駐車場向けの運転支援システムについて説明する西村副社長(6月19日)

その一つに、画像認識ソフトウェアとAI(人工知能)を活用した「パレットガレージ アシストシステム」と呼ぶ機械式駐車場向けの運転支援システムがあり、日本のエンジニアチームが主導して開発中です。

また、アクセル・ブレーキとハンドルの操作が部分的に自動化された「自動運転レベル2(SAEレベル2)」の運転支援と、自動運転の試験走行も東京・横浜周辺で始めているといい、「日本は特に左側通行での運転や坂道における車速の調整など、システムのグローバル化における主要な拠点」(西村直史副社長)に位置付けているとのこと。

自動運転の試験走行も行っている(6月19日)

横浜国立大と産学連携を開始へ

新本社は同じ敷地内に都筑区民文化センターボッシュホール(Bosch Hall)」(3月16日オープン)が置かれ、両施設間に位置する全天候型広場の一帯を「ボッシュ・フォーラム・つづき(Bosch Forum Tsuzuki)」と命名。クリスマスイベントを開くなど、自由に往来ができるようになっています。メッカー社長は「多くの人が訪れ、賑わい創出に貢献できていることは嬉しい限り」と話します。

ボッシュ本社とボッシュホールをつなぐ一帯は「ボッシュ・フォーラム・つづき(Bosch Forum Tsuzuki)」と命名された

地元関連では横浜国立大学(保土ケ谷区常盤台)と産学連携の取り組みを始めるといい、グループ内で産業機器テクノロジー事業を担うボッシュ・レックスロス株式会社(都筑区中川中央1)が油圧工学の教育・研究における連携活動を開始。

今秋には機械工学系の研究室内にボッシュ・レックスロスが油圧テスト機器を無償提供し、「フルードパワートレーニングラボ」が開設される予定になっているとのことです。

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【参考リンク】

「2025年日本のボッシュ・グループ年次記者会見~ボッシュ、2024年売上高は厳しい経済状況下で堅調な成長を維持」(2025年6月19日)

日本のボッシュ・グループに関する紹介ページ(日本での事業開始は1911年、日本の従業員数は6300人、都筑区の本社は約2000人が勤務)

ボッシュ「モーターサイクル&パワースポーツ事業部」(2015年設立の事業部、都筑区牛久保の横浜事務所がグローバル本部)