新横浜2丁目に本社を置く株式会社聘珍樓(へいちんろう、林衛代表)と、関係会社で新羽町に本社を置く株式会社香港聘珍樓ジャパン(林康弘代表)の両社が今月(2025年)5月20日に全事業を停止し、今後は会社の清算手続きを進めるようだと帝国データバンクが報じました。

株式会社聘珍樓(へいちんろう)の公式サイト、店舗は「聘珍楼」が日比谷、吉祥寺(東京都武蔵野市)、大阪(北区梅田)、小倉(北九州市)に4店、中華レストラン・ファストフード形式の「聘珍茶寮SARIO(サリオ)」を横浜中華街と横浜ワールドポーターズで運営していた
横浜中華街で明治期に創業したとされる「聘珍樓」は日本最古の中国料理店として知られていましたが、中区山下町の「聘珍樓横濱本店」は2022年5月に閉店。同店は2018(平成30)年に会社分割で設立された株式会社聘珍樓(山下町)が運営しており、同年6月には同社も破産手続きを開始しました。
新横浜の聘珍楼は「この『別会社』は、2018年設立以来『聘珍樓横浜本店』のみを経営してまいり、それ以外を経営する当社とは関係がなく(略)影響を受けることは全くございません」として、その後も日比谷や吉祥寺、大阪、北九州小倉などでの店舗営業や、聘珍楼ブランドでの食品事業を継続しています。
ただ、法人需要の低迷や新型コロナ禍をきっかけとした業績の落ち込みから回復することは難しく、帝国データバンクによると2024年3月期は年間の売上高が約46億6600万円に対し約1億7700万円の当期純損失。5期連続の最終欠損から債務超過となって資金繰りが悪化し、負債は2024年3月期末時点で約29億4900万円にのぼるとのことです。
一方、新羽町の香港聘珍樓ジャパンは、聘珍樓ブランドによる食品類の通信販売や、全国の百貨店に卸すなどの事業を担っており、2024年3月期は約26億5800万円の売上高を計上していたといいます。
帝国データバンクによると、聘珍楼(新横浜)と香港聘珍樓ジャパンは「実質一体」だったといい、今回両社とも事業停止となりました。香港聘珍樓ジャパンの負債は2024年3月期末時点で約2億8900万円とみられます。
【関連記事】
・中華街の「聘珍樓本店」とは別会社、新横浜に本社を置く「聘珍楼」が発表(2022年6月3日、本店の運営は別会社としていた)
【参考リンク】
・帝国データバンク倒産速報「株式会社聘珍樓」(新横浜2丁目)(2025年5月21日発表)
・帝国データバンク倒産速報「株式会社香港聘珍樓ジャパン」(新羽町)(2025年5月21日発表)
・株式会社聘珍樓の公式サイト(新横浜2丁目、※アクセス過多で表示不能の場合あり)
・聘珍樓オンラインショップ(新羽町が本社の株式会社香港聘珍樓ジャパンが運営)