温かみのある作品群が館内や部屋を彩ります。
新横浜駅ビル内の10階から19階に位置する「ホテルアソシア新横浜」は、神奈川県内で活躍する障害のあるアーティストの作品展示を館内で行うとともに、作品で彩った「アール・ブリュット・コンセプトルーム」を今月(2025年)4月19日(土)から9月末まで初設定しました。

フロント近くの壁面には奥津(おきつ)大希さん(アール・ド・ヴィーヴル)による大型作品「前進」を展示中。7月以降は佐藤玲奈さん(アール・ド・ヴィーヴル)による「さかなの群れ」が登場する予定(4月15日)
アール・ブリュット(Art Brut)は“生(き)の芸術”を意味する仏語で、障害のあるアーティストの作品も含めて、既成概念にとらわれないアートの総称として用いられています。
同ホテルなど6ホテルを運営する株式会社ジェイアール東海ホテルズ(名古屋市中村区)では、昨年度から各ホテルが立地する地元のアーティストによるアール・ブリュット作品を採用し、社員のチーフやスカーフとしてSDGs週間などに着用する取り組みを開始。
ホテルアソシア新横浜では、「デザイン性や色遣いなど、温かみがありながらも華やかで従業員が作品を気に入っており、さらに発展させてホテルで何かできないだろうかと検討してきた」(増田健総支配人)。
また、神奈川県の「ともに生きる社会神奈川憲章」の理念に賛同しており、今回の企画を計画したといいます。
同じJR東海グループで障害者の雇用を積極的に行っている株式会社ジェイアール東海ウェル(名古屋市港区)と、アール・ブリュットに関する知見が深い竹田印刷株式会社(名古屋市昭和区)を通じ、社会福祉法人アール・ド・ヴィーヴル(小田原市)やアート・メープルかれん(大倉山1=社会福祉法人かれん)の協力が得られ、神奈川県内で活躍するアーティストによるアール・ブリュット作品を用いたコンセプトルームの初設定と、館内での作品展示につなげました。
9月末までの期間中は、駅ビル10階にあるホテルのフロント付近に縦2メートル・横6メートルの大型作品を展示するほか、コンセプトルームのある15階と16階のエレベーターホールには50センチ四方の作品を飾ります。
2つのコンセプトルームでは、異なるアーティストによる作品を用いてベッドスロー(ベッドを覆う細長い布)や枕カバー、クッションカバーを制作するとともに、部屋の壁にも作品を展示。
また、同コンセプトルームの宿泊者だけの記念品として、アール・ブリュット作品でデザインされたコースター4種と、社会福祉法人がパッケージの組み立て作業で関わるスティックケーキ「横浜三塔物語」が付いてきます。
2つのコンセプトルームはいずれもコーナーにあたり、2面ある窓からはみなとみらい方面の夜景が広がるだけでなく、眼下に東海道新幹線とJR横浜線が眺められ、天気が良ければ遠くに富士山が見えることがある部屋で、広さは約51平方メートル。
同ルームは1室(1~2人)あたり朝食付きで5万4800円から。4月19日(土)から9月30日(火)まで設定され、ホテルアソシア新横浜の公式サイトでのみ販売しています。
同ホテルでは近年、訪日客の宿泊が半数近くに達しており、特に海外からの宿泊客にアール・ブリュット作品の関心が高いといいます。国内では意外にも神奈川県内からの宿泊者が多いとのことで、「地元で活躍するアーティストの皆さんを知っていただく機会になれば」(野田有美支配人)と話していました。
【関連記事】
・【過去記事】<駅直結ホテル>崎陽軒&新幹線&富士山…“新横浜満喫ルーム”が登場(2022年1月19日、過去には崎陽軒とのコラボルームも)
【参考リンク】
・ホテルアソシア新横浜(駅ビル10階のアトリウムに出入口)
・ホテルアソシア新横浜「アール・ブリュット コンセプトルームプラン(朝食付)」(2025年4月19日~9月30日設定)