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横浜市で初となる「2区」にまたがるまちづくりプランが完成。羽沢横浜国大駅の周辺で新たな変化が見られることになりそうです。

羽沢横浜国大駅(羽沢南2)の開業を機に、神奈川区と保土ケ谷区の自治会・町内会や横浜国立大学(横浜国大)などで結成された「羽沢横国まちづくり協議会」が、両区にまたがる「地域まちづくりプラン」を策定。

横浜市地域まちづくり推進条例に基づき、山中竹春横浜市長より組織及びプランの認定を受けた「羽沢横浜国大駅周辺地域まちづくりプラン」の表紙(横浜市都市整備局サイト)

横浜市地域まちづくり推進条例に基づき、山中竹春横浜市長より組織及びプランの認定を受けた「羽沢横浜国大駅周辺地域まちづくりプラン」の表紙(横浜市都市整備局サイト)

先月(2025年)3月25日に「横浜市地域まちづくり推進条例」の認定を受けたとのことで、同駅を中心とした2区エリアでの具体的なまちづくりの取り組みを推進していく予定です。

同駅の開業プランが明確になった2008(平成20)年、地域の関係者による「羽沢駅周辺地区まちづくり協議会」が発足しています。

2010(平成22)年3月に「協議会案」を策定し、2015(平成27)年5月には市が協議会案を元とした「羽沢駅周辺まちづくりガイドライン」を策定。

「羽沢横国地区」の成り立ちや対象地区について掲載・説明している(「羽沢横浜国大駅周辺地域まちづくりプラン」の表紙、横浜市都市整備局サイト)

「羽沢横国地区」の成り立ちや対象地区について掲載・説明している(「羽沢横浜国大駅周辺地域まちづくりプラン」の表紙、横浜市都市整備局サイト)

2019年8月には、活動を円滑に推進するため、「羽沢横浜国大駅周辺地域の愛着を育てるサインづくり推進会」(現「羽沢横国まちづくり協議会」)を発足し、同11月に市の「地域まちづくりグループ」に登録していました。

2022年5月には、住民提案による「羽沢横浜国大駅バリアフリー基本構想」が認定・策定されたほか、地域全体のまちづくりの目標と具体的な方針を定める「地域まちづくりプラン」の策定を目標とし、ワークショップやアンケートの実施などの活動を継続して実施し、今回のプラン認定に至っています。

「サイン設置」実現でまちへの“愛着”を

今回の「まちづくりプラン」のエリアは、神奈川区側が全11ある「羽沢地区自治連合会」所属の自治会・町内会のうち、羽沢星ヶ丘自治会、羽沢第一町内会、羽沢南町内会の3つの自治会・町内会がエリアに。

保土ケ谷区側は、10ある「常盤台地区連合町内会」エリアのうち、常盤台東部自治会と常盤台西部自治会、常盤台中部自治会や常盤台北部自治会、常盤台佳好自治会の5つの自治会が対象となっています。

横浜国立大学西門前の常盤台地域ケアプラザ・コミュニティハウス(保土ケ谷区常盤台)では地域の会議や催しのほか、同協議会のワークショップも繰り返し行われてきた(‎2022‎年‎7‎月‎)

横浜国立大学西門前の常盤台地域ケアプラザ・コミュニティハウス(保土ケ谷区常盤台)では地域の会議や催しのほか、同協議会のワークショップも繰り返し行われてきた(‎2022‎年‎7‎月‎)

「羽沢横国まちづくり協議会」が地域まちづくりの主体として、会員相互が協力するとともに、街のシンボルとなる「サインづくり」といった活動を行うことでの、「周辺地域の安全で快適な魅力あるまちづくりの推進」を目的に活動を行ってきたといいます。

特に今年度(2025年度)に実現するものとして「サイン設置」があるといい、「住民が坂や道の名称を決めて、サインを設置する予定です」と、同協議会で会長を務める石川源七さん(常盤台地区連合町内会会長・常盤台住好自治会会長)。

常盤台・羽沢地区・横浜国立大学「坂・道の名称地図」。新たに設置される「案内サイン」にも反映される予定(「羽沢横浜国大駅周辺地域まちづくりプラン」、横浜市都市整備局サイト)

常盤台・羽沢地区・横浜国立大学「坂・道の名称地図」。新たに設置される「案内サイン」にも反映される予定(「羽沢横浜国大駅周辺地域まちづくりプラン」、横浜市都市整備局サイト)

町の「歴史を紹介するサイン」や、横浜国大を訪れる人に向けての「地図付き案内サイン」といったアイデア、さらに地域の小学生の作品を展示する「ギャラリー展示サイン」といったプランもあるとのことで、「サインを通じて、地域に愛着を持ってもらえれば」と、多世代が行き交う街をより安全・安全な街にし、横浜国大との交流もさらに進めていきたいと意気込みます。

同協議会の副会長(羽沢南町内会前会長)で、羽沢地区社会福祉協議会会長を務める和田勝己(かつみ)さんは、「サインづくりは約5年間取り組んできました。羽沢南町内会エリアだけでも、13カ所の設置を予定しています」と、これまでの活動の成果を実感していると語ります。

特に、上星川小学校(保土ケ谷区上星川2)に至る道を「星の子通り」と名付けたほか、シクラメンの生産農家に至る道を「シクラメン通り」と名付けるといったアイデアも実現させるとのことで、「地域の子どもたち、そして農家の皆さんを応援したいという思いで決定するに至りました」と、新たなサイン設置が行われることでのまちづくりの進展を喜びます。

「羽沢横国まちづくり協議会」の常盤台地区(保土ケ谷区)の石川会長(右)と羽沢地区(神奈川区)の和田副会長は羽沢横浜国大駅周辺の地域まちづくりに長年かかわり地域貢献を行ってきた(横浜国立大学のサテライト連携施設「YNU BASE HAZAWA(YNUベースハザワ)」のオープニングイベント開催時、2024年10月)

「羽沢横国まちづくり協議会」の常盤台地区(保土ケ谷区)の石川会長(右)と羽沢地区(神奈川区)の和田副会長は羽沢横浜国大駅周辺の地域まちづくりに長年かかわり地域貢献を行ってきた(横浜国立大学のサテライト連携施設「YNU BASE HAZAWA(YNUベースハザワ)」のオープニングイベント開催時、2024年10月)

長年の地域まちづくり、そして5年来の「サインづくり」は「忙しい日々でしたが、とても楽しい作業でした」と語る和田さん。

これまでも「羽沢南地区では、地域活動に熱心な人々がまちづくりに多く参加してきました」と、一人ひとりの活動の成果による地域まちづくりの大切さを実感しているとのこと。

新たな「サイン設置」の実現、また未来に向けた「まちづくりプラン」の具現化を通じて、羽沢横浜国大駅周辺の魅力をさらに高めながら、その魅力を新たな住民や来街者も含めた多くの人々に伝えていきたい考えです。

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【参考リンク】

横浜市初!2区にまたがる市民主体のまちづくり計画「羽沢横浜国大駅周辺地域まちづくりプラン」が完成(横浜市記者発表資料~都市整備局地域まちづくり課)

羽沢横浜国大駅周辺地域まちづくりプラン(横浜市都市整備局地域まちづくり課)