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過去最多の観客を集め、チーム発足時から支えた3選手を大きな声援で見送りました。

プロアイスホッケー「アジアリーグ」の横浜グリッツ(GRITS)は、今シーズン(2024-25年)のホーム最終戦となるH.C.栃木日光アイスバックスとの連戦を今月(2025年)3月8日・9日にKOSE新横浜スケートセンターで行い、連敗(うち延長負け1)となったものの、両試合とも1800人以上の観客を集め、動員記録を更新しています。

両日とも1800人以上の観客が訪れたKOSE新横浜スケートセンターは試合前に長い行列ができていた(3月9日)

8日の初戦には1804人が詰めかけ、チーム発足から5年で初の1800人台を記録するとともに、翌9日の最終戦はさらに多い1857人となり、当日券は午前中早々に売り切れ、試合前には入場の列が隣の神奈川県トラック総合会館付近まで伸び、会場は立見スペースも含めてぎっしり満員に。

プレーオフ進出へ負けられないH.C.栃木日光アイスバックスのファンも目立ち、すべての座席だけでなく立見スペースも何重もの人で埋まった(3月9日)

昔のアイスホッケーの試合を見ているよう」とインターネット中継の「アジアリーグTV」で両試合の実況をつとめた関谷智紀さん(アイスプレスジャパン編集長)が放送中に思わず漏らすほど、今よりアイスホッケーが格段に人気だった頃の新横浜スケートセンターを思い出させるような熱気に包まれました。

39歳という年齢をまったく感じさせないプレーをこの日も見せていた濱島選手(3月9日)

グリッツ創設時から所属し、今シーズンで引退を決めたFW(フォワード)の濱島尚人選手(#51)も試合後に「5年前に新型コロナ禍のなかで横浜グリッツが立ち上がり、僕が現役の間にこれほど多くの皆さんの前でプレーできるとは思わなかった」と感慨深そうに語っていました。

ホーム最終戦で先発GKをつとめた小野選手、2失点に抑えたが敗れてしまった(3月9日)

一方、試合は初戦に延長戦まで持ち込んだものの惜敗し、最終戦では引退を決めているGK(ゴールキーパー)の小野航平選手(#38)が粘りの好守を見せ、同様に引退するDF(ディフェンス)の熊谷豪士選手(#54)が開始早々に歯を折る負傷で4分間のPP(パワープレー)を獲得するなど、相手より8本多い44本のシュートを浴びせるもゴールが遠く、0対2で敗れています。

試合早々に相手選手のステックが顔に当たり歯が折れ唇を縫うことになってしまった熊谷選手、その相手は偶然にも元横浜グリッツの創設メンバーで現在は日光アイスバックスで活躍する矢野倫太朗選手だった(3月9日)

この日は44本のシュートを放ったが相手GK・大塚一佐選手の好守もありゴールを割れなかった(3月9日)

これにより3月9日終了時点で10勝(うち延長勝ち2)20敗(うち延長負け4)の勝ち点32となり、4位の東北フリーブレイズとの勝ち点差は2つ

東北フリーブレイズは横浜グリッツより2試合多い4試合を残しており、厳しい状況のなかで最下位脱出に望みをつなげます。

3選手が本拠地ファンにあいさつ

試合前の練習では3選手への感謝を表すゼッケンを着用(3月9日)

9日の最終戦では横浜グリッツがアジアリーグに参入した2020-21年シーズンから所属し、今季限りでの引退を決めた3選手のセレモニーが行われ、本拠地のファンにあいさつしました。

最終戦の試合後、日光アイスバックス時代の先輩GK・福藤豊選手(右)から花束を贈られ、笑顔を見せる小野選手(左)

小野選手は「私のキャリアは日光アイスバックスの皆さんのお陰でスタートでき、そして成長させてくれたのは横浜グリッツのお陰。私の人生において貴重な経験をさせていただいた」と両チームの選手とファンに向かって感謝の思いを述べました。

5年にわたるシーズンをともに過ごした浅沼芳征監督との記念撮影にのぞむ熊谷選手

熊谷選手は相手選手のステックで負傷するアクシデントが発生。「今日は試合開始早々に歯が折れ、唇も四針縫って、これでアイスホッケー選手らしく引退できると思う」と笑い、「来年はスタンドで皆さんと一緒に応援したい」と意気込みます。

涙も見せていた濱島選手だが、最後には「横浜グリッツは若い力で成長を続けていくので、これからも皆さまのサポートをお願いいたします」と力強くあいさつした

濱島選手は「先週は霧降(日光)でわれわれ3人に対して素敵な横断幕でメッセージを本当にありがとうございました」と前週の試合でアイスバックスファンから横断幕を掲げて見送られたことに感謝の言葉を述べ、家族への思いを語る際には涙も見せました

氷上では3選手の胴上げも行われた

日光アイスバックスの選手を交えた記念撮影も

横浜グリッツは、今週3月15日(土)に「交流戦」として、アジアリーグへ新規参入を目指す新チームスターズ神戸」と対戦したあと、3月22日(土)と23日(日)苫小牧レッドイーグルス北海道と連戦し、今シーズンの全日程を終えることになります。

今週までの試合結果

  • 3月9日()新横浜:●横浜GRITS 0-2 H.C.栃木日光アイスバックス【結果詳細
  • 3月8日()新横浜:▲横浜GRITS 2[延長OT]3 H.C.栃木日光アイスバックス【結果詳細
  • 3月2日()日光:H.C.栃木日光アイスバックス 3-4 横浜GRITS〇【結果詳細
  • 3月1日()日光:H.C.栃木日光アイスバックス 9-1 横浜GRITS●【結果詳細
    )〇=勝ち点3(60分勝ち)、□=勝ち点2(延長OT/PSS勝ち)、▲=勝ち点1(延長OT/PSS負け)

今後の試合予定

【関連記事】

・【前回記事】<横浜グリッツ>創設から支えた3選手が引退へ、ホーム最終戦は3月8日・9日(2025年2月27日、引退3選手の詳細など)

【参考リンク】

アジアリーグの順位表(2024-25シーズンは5チームが各32試合、グリッツは残り2試合)

GK・小野航平選手(#38)の引退についての発表文(横浜グリッツ、2025年2月21日)

DF・熊谷豪士選手(#54)の引退についての発表文(横浜グリッツ、2025年2月21日)

FW・濱島尚人選手(#51)の引退についての発表文(横浜グリッツ、2024年12月24日)