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横浜グリッツ(GRITS)のアジアリーグ参戦時から5シーズンにわたってチームを支えた創設時メンバーの3選手が来月(2025年)3月下旬の2024-25シーズン最終戦をもって引退することを表明しました。

アジアリーグ参入から5シーズンにわたって横浜グリッツを支えた右からFW・濱島、DF・熊谷、GK・小野の3選手(2021年10月)

引退を決めたのは、GK(ゴールキーパー)の小野航平(#38、36歳)、DF(ディフェンス)の熊谷豪士(#54、36歳)、FW(フォワード)の濱島尚人(#51、39歳)の3選手です。(#は背番号)

GK小野選手はプロアイスホッケー選手では少数派といえる東京都出身で、町田市から港北区内の武相高校(仲手原2)へ通ったのちに早稲田大学へ進学し、2011(平成23)年にH.C.栃木日光アイスバックスへ入団。以降8シーズンにわたって同チームの主力GKとして活躍しました。

GKの小野選手(2024年11月)

2019(平成31)年の退団後は企業に勤務しながら横浜グリッツの設立に携わり、2020-21年シーズンからプレーを続けています。引退に際し、「私の人生にこんなに素晴らしい気持ちと機会を与えて下さった事に恩返し出来るよう今後の人生を歩みたいと思っております」とコメントを発表しています。

DF熊谷選手仙台市の出身で、カナダや米国への留学を経て2011年に東北フリーブレイズに入団。翌2012-13年シーズンは当時のアジアリーグに所属した「チャイナドラゴン」へ移りましたが、その後はフリーブレイズに戻り、日本代表を経験するなどして2019-20年シーズンまで計8シーズンにわたって同チームでプレーしました。

DFの熊谷選手(2024年11月)

2020-21年シーズンから横浜グリッツに移り、プロ経験者が少ないなかでチームを先導。翌シーズンにはキャプテンもつとめ、2023年10月にはプロ通算400試合出場も記録しました。熊谷選手は「自分がここまで長くプロでプレーできるとは思ってませんでしたが、それも今まで支えてくれた家族やチームメイトがいてくれたおかげ」と感謝の思いをコメントしています。

FW濱島選手は北海道苫小牧市の出身で、米国の大学リーグでも活躍しましたがプロ入りは断念し、日本で米国系IT大手に勤務しながら社会人リーグでプレー。デュアルキャリアを象徴する社会人として横浜グリッツから声がかかり、35歳でプロ選手としてデビューし、現在はGKを除いてアジアリーグの最年長選手となりました。

FWの濱島選手(2月2日)

濱島選手は「新卒入社時には全く想定していなかった30代後半の姿」だったといい、「第一線から10年以上離れていた後、アジアリーグで、そして日本のスポーツ界でも先進的なデュアルキャリアに挑戦をする機会を頂き、刺激的で本当に幸せな5年間でした」とコメントを残しています。

3選手が引退すると、横浜グリッツでアジアリーグ初年度(2020-21年シーズン)からプレーするのは、チーム発足時に新卒で大東文化大学から入団したFW・茂木慎之介(#87、27歳)と、明治大学から入団したFWの池田涼希(#97、27歳)の2選手だけとなります。

引退を表明した3選手のプロフィール

GK・小野航平(#38)

戦力の整わない初期のグリッツでGKの小野選手はシュートを浴び続け、懸命にゴールを守った(2021年3月)

  • 1988(昭和63)年7月生まれ、36歳
  • 東京都町田市出身、武相高校、早稲田大学卒
  • 2011-19年:H.C.栃木日光アイスバックス(8シーズン)
  • 2019-20年:横浜GRITSの立ち上げに参画
  • 2020-25年:横浜GRITS(5シーズン)

※チームの発表はこちら

DF・熊谷豪士(#54)

前シーズンの2023年10月にプロ通算400試合出場を達成している熊谷選手(2023年10月)

  • 1988(昭和63)年8月生まれ、36歳
  • 仙台市出身、カナダ「Edge School(エッジスクール)AAA Mountaineers(マウンテニアーズ)」などでプレー
  • 2011-12年:東北フリーブレイズ(1シーズン)
  • 2012-13年:チャイナドラゴン(当時アジアリーグ)(1シーズン)
  • 2013-20年:東北フリーブレイズ(7シーズン)
  • 2020-25年:横浜GRITS(5シーズン)

※チームの発表はこちら

FW・濱島尚人(#51)

スーツ姿の濱島選手が写る「サラリーマン濱太郎」の横断幕は新横浜の試合でおなじみの光景(2月2日)

  • 1985(昭和60)年5月生まれ、39歳
  • 北海道苫小牧市出身、米国「Trinity College Bantams(トリニティカレッジ・バンタムズ)」(コネチカット州、大学リーグ2部NCAA3)などでプレー
  • 日本で就職後は電通アイスホッケー部(東京都社会人Sリーグ)でプレー
  • 2019-20年:横浜GRITSの立ち上げに参画
  • 2020-25年:横浜GRITS(5シーズン)

※チームの発表はこちら

首位のHLアニャンに勝ち越す

横浜グリッツは2月22日と23日に韓国・安養(アニャン)市で首位のHLアニャンと連戦し、初戦では終了まで残り12秒から延長勝利へ持ち込み、1勝(延長)1敗で勝ち点2を獲得。

初戦は池田選手(#97)のゴールで土壇場に追い付いた(写真は2月2日)

HLアニャンには通算5勝(うち延長勝ち2)3敗となり、今季の勝ち越しを決めました。横浜グリッツが特定のチームに勝ち越すのは2022-23シーズンの東北フリーブレイズ(6勝2敗)以来二度目となります。

今シーズンの残り6試合は、H.C.栃木日光アイスバックスと4試合レッドイーグルス北海道とは2試合。両チームはプレーオフ進出をめぐって激しい2位争いを演じているため、横浜グリッツには厳しい戦いが予想されますが、最下位からの脱出へ向け、少しでも勝ち点を伸ばしたいところです。

2月23日終了時点での順位表、横浜グリッツの勝ち点は28、5位の東北フリーブレイズは34で6つの差はあるが、残り試合数は6でグリッツが2つ多い(アジアリーグ公式サイトの順位表を一部加工)

新横浜での最終戦は指定席が売切

KOSE新横浜スケートセンターで3月8日(土)と9日(日)に予定されている本拠地最終戦は、2月25日現在で両日とも指定席がほぼ完売しており、自由席のみの販売となりました。満席となる可能性が高いため、観戦する場合は自由席券を早期に購入したほうがよさそうです。

アジアリーグとは別に横浜グリッツは、2月15日に新横浜で実施した「東京ワイルズ」との練習試合に続き、3月15日(土)にはアジアリーグへの新規加盟を目指して活動を始めた新チームスターズ神戸」との交流戦兵庫県尼崎市で予定。スターズ神戸にとって初の試合となるだけに関西方面で注目を集めそうです。

前週末の試合結果

  • 2月23日(日)韓国・安養:HLアニャン 3-0 横浜GRITS●【結果詳細
  • 2月22日(土)韓国・安養:HLアニャン 1[延長OT]2 横浜GRITS□【結果詳細

)〇=勝ち点3(60分勝ち)、□=勝ち点2(延長OT/PSS勝ち)、▲=勝ち点1(延長OT/PSS負け)

今後の試合予定

  • 3月1日()14:00:H.C.栃木日光アイスバックス(日光)【詳細
  • 3月2日()14:00:H.C.栃木日光アイスバックス(日光)【詳細
  • 3月8日()15:00:H.C.栃木日光アイスバックス(新横浜)【詳細
  • 3月9日()14:00:H.C.栃木日光アイスバックス(新横浜)【詳細本拠地最終戦
  • 参考3月15日()交流戦:スターズ神戸(兵庫県尼崎市)【詳細
  • 3月22日()15:00:レッドイーグルス北海道(苫小牧)【詳細
  • 3月23日()15:00:レッドイーグルス北海道(苫小牧)【詳細シーズン最終戦

【関連記事】

<横浜グリッツ>ホーム最終戦で過去最多の観客、引退3選手に大声援(2025年3月10日)リンク追記

・【前回記事】<横浜グリッツ>首位アニャンに新横浜で連勝、「港北区DAY」に1200人超(2025年2月3日)

・【過去記事】<横浜グリッツの引退2選手>仕事とプロ生活、チームを先導し続けた3シーズン(2023年3月10日、2年前には2選手が引退している)

【参考リンク】

横浜グリッツ(GRITS)の公式サイト(選手紹介や試合日程など)

横浜グリッツ(GRITS)の2024-25全試合日程と結果(アジアリーグ)

アジアリーグの順位表(2024-25シーズンは5チームが各32試合を戦っている)