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3シーズン目を迎えるチームが大きく変りました。

アネスト岩田株式会社(新吉田町、深瀬真一社長)による「アネスト岩田レーシング(ANEST IWATA Racing)」が国内最高峰といわれる自動車レース「スーパーGT(Super GT)」のGT300クラスに参戦してから3年目を迎え、4月から始まる2025年シーズンは体制を一新して臨みます。

2025年もアネスト岩田本社での地域イベント「ブルーリンクフェス」で新シーズンの発表が行われた、司会は今年も元AKB48でモータースポーツに詳しい平嶋夏海さんが担当した(2月23日)

今週(2025年)2月23日に新吉田町のアネスト岩田本社で開かれた地域イベント「ブルーリンクフェス(BLUE LINK FES.)」の場で新たなチーム体制が発表されました。

目に見える形で大きく変化したのがマシンで、これまでの「レクサスRC F(アールシー・エフ)GT3」(トヨタ自動車)をベースとした車両やタイヤ(ヨコハマ)は変わりませんが、カラーリングを一新

イゴール選手のドライビングで新たなカラーリングとなったマシンが登場

アネスト岩田のカラーであるブルーを基調としつつ、ドア付近などに白やグレーを入れたデザインとなりました。

メインとなるAドライバーは3年目を迎えるイゴール・オオムラ・フラガ選手が今季も担当する一方、Bドライバーには41歳のベテラン・安田裕信(ひろのぶ)選手を起用。GT300クラスで優勝とシリーズチャンピオン(2008年)、GT500クラスでも優勝(2009年)の経験を持つドライバーです。

Aドライバーのイゴール選手とBドライバーの安田選手

外から見えない部分でも大きな変化があり、車両のメンテナンス担当がこれまでの「アルナージュレーシング(Arnage Racing)」から株式会社ゲイナーGAINER、京都市左京区)に変更。

2023年シーズンから使われてきた「アネスト岩田レーシング・ウィズ・アルナージュ(ANEST IWATA Racing with Arnage)」のエントラント(競技参加)名も「アネスト岩田レーシング(ANEST IWATA Racing)」に変わりました。

チームのレースアンバサダー「BLUE LINK Ignis(ブルーリンク・イグニス)」のメンバー発表も行われ、左から4年ぶりのレースアンバサダー復帰だという清瀬美麗(みれい)さん、2023年にアネスト岩田のレースアンバサダーをつとめている鈴付(すずつき)みけさん、日本レースクイーン大賞2023で入賞経験を持つ赤城ありささん、レースアンバサダーは3年目となる正智寧音子(まさち・ねねこ)さんの4人がチームを後押しする

また、車両などの技術面を担当するチーフエンジニアには、全日本スーパーフォーミュラ選手権などで経験豊富な吉田則光氏が新たに就くとのことです。

チームの運営についても、アネスト岩田のコンシューマ(一般消費者)向け新事業を担うため昨年(2024年)7月に発足した株式会社ANEST IWATA A.I.R.(アネストイワタ・エーアイアール、新吉田町、鈴木善之社長)が今季から担当することになりました。

カーナンバー「26」に込めた思い

カーナンバーは昨年までの「50」から「26」に変わった、またメンテナンスを担当するゲイナー(GAINER)のロゴも加わっている

3シーズン目に大きな体制変更を行ったアネスト岩田レーシング。もともと2022年まで参戦していたアルナージュレーシング(Arnage Racing)を衣替えする形で2023年からチーム名に「アネスト岩田」を冠してGT300クラスで戦ってきましたが、今季から参戦(エントラント)権を譲り受け、アネスト岩田独自の体制に変えたものだといいます。

来年は創業100周年の節目を控えており、「2025年からが本当のスタートだという計画がもともとあった。やっとスタート地点に立てた」とアルナージュレーシング時代の2022年からレースの現場を率いてきた松浦佑亮(ゆうすけ)監督は話します。

会見に臨む松浦監督(左)と安田選手

アネスト岩田の取締役でチーム全体を統括する武田克己総監督は「今年からは自分たちで運営していくことになり、(前年まで「50」だった)カーナンバーは新たに『26』をいただいた。これは1926(大正15)年の創業時を振り返りながら未来を見据えて成長していこうという思いと、来年2026年に100周年を迎える意味もある。皆さんに26番を覚えていただければ」と説明しました。

ステージで今年の体制を紹介する武田総監督

経験豊富な安田選手への期待

今季からBドライバーに加わった安田選手は、コンビを組む26歳のイゴール選手と年齢が15歳離れており、「地元(出身地)の滋賀でカートの速い子がいる、と小学生のイゴール選手を見ていた。才能は抜群」といい、金沢在住時代のイゴール選手が毎週滋賀県のサーキットへ遠征して経験を積んでいた頃の思い出を振り返ります。

記念写真におさまる安田選手とイゴール選手

安田選手はレーサーとして活動する一方、若手育成やマネジメントを行う「HIROTEX(ヒロテックス)」を運営して後進の育成に注力していることでも知られます。

指導者に専念するという選択肢をいったん置いて現役選手としてチームに加わっており、「アネスト岩田レーシングが変わったというところを自分が責任感を持って見せていきたい。やるからには100%の力で、チャンピオンを目指したいと思って加わった」と力を込めました。

イゴール選手は「ヨコハマタイヤの開発面にも携わってきた安田さんを頼りにチームの経験値を上げていきたい」と期待を語り、松浦監督も「いい意味でのベテランとして、チームのオペレーション面や体制面などにも大きく影響を及ぼしてくれるのではないか」といいます。

ゲイナー(GAINER)の公式サイト、レーシングチームとして1999年から四半世紀にわたって活動する名門。スーパーGT300クラスでは2014年と15年に年間チャンピオンとなっている

また、今季から車両メンテナンスを担当するゲイナー(GAINER)は、同社が運営するGT300のチームで安田選手が長年にわたってドライバーをつとめた経緯もあり、「安田選手を介してのコミュニケーション」(松浦監督)の活性化も期待されています。

今季は海外開催で参加チーム数が限定される6月下旬の第3戦を除き、4月12日(土)・13日(日)の岡山国際サーキットでの初戦から11月1日(土)・2日(日)のモビリティリゾートもてぎでの第8戦まで計7戦に参戦する計画のアネスト岩田レーシング。

2025年シーズンは海外開催が入るため、鈴鹿サーキットでの開催は8月下旬の第5戦のみとなる(2024年6月、アネスト岩田レーシング提供・沙倉しずか撮影)

鈴鹿(サーキット=三重県、8月下旬の第5戦)と菅生(スポーツランドSUGO=宮城県、9月下旬の第6戦)は僕らの車と相性がいい。そのレースに向けて良い結果が残せれば」とイゴール選手。

新チームによる新たなシーズンはまもなく始まります。

2025年シーズンの開催スケジュール、マレーシアでの第3戦にはアネスト岩田レーシングは参加しない予定(「SUPER GT メディアガイド2025」より)

アネスト岩田が支援するチームや選手も紹介

今年のブルーリンクフェスのステージでは、アネスト岩田が支援するレースチームや選手の紹介も行われました。

今年はチームの大型バスも披露し、片山さん自らがブースに立って見学者を喜ばせていた

元F1ドライバーの片山右京さんが代表をつとめる自転車ロードレースチーム「JCL TEAM UKYO(ジェイシーエル・チームウキョウ)」は会場にブースを構え、片山さんが自ら来場者を出迎えるともに、今月2月14日にタイで行われたアジア選手権男子U23ロードレースで優勝した鎌田晃輝(こうき)選手も登壇しています。

壇上での記念写真に収まる安藤選手(右)とチームUKYOの鎌田選手ら

2023年にアネスト岩田レーシングでCドライバーをつとめた経験を持つ小山美姫選手は、スーパーGTでは来季「apr(エー・ピー・アール)」(31号車)でドライバーをつとめるライバル関係ですが、選手としてアネスト岩田が支援を行っているといい、壇上で「皆さんのお陰でここにいます」と感謝の言葉を述べていました。

ドリフト競技の最高峰「D1 Lights(ディーワン・ライツ)」に挑戦する熊谷選手はアネスト岩田の社員

ドリフト競技(横滑り走行)の最高峰といわれる「D1 Lights(ディーワン・ライツ)」に挑戦する姿を「KUMADRI(クマドリ)」と題して昨年春から発信してきた熊谷圭一郎選手はアネスト岩田の社員。今年は4月4日から栃木県日光市で始まるD1 Lightsへの参戦が叶っており、「この環境を大事にして競技に臨んでいきたい」と話しました。

ドリフト競技の車両もスーパーGTと同じカラーリングとなっている

)この記事は「新横浜新聞~しんよこ新聞」「横浜日吉新聞」の共通記事です

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【参考リンク】

アネスト岩田レーシング(ANEST IWATA Racing)の公式サイト(レースレポートなど)

スーパーGT(SUPER GT)の公式サイト(2025年は4月12日~11月2日まで全国6会場で全7レースとマレーシアで1戦を予定)