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空気が乾燥し火災が増える冬時期。貴重な“歴史的遺産”をかつて焼損したことの教訓を活かし、市内の貴重な文化財の防火を呼び掛けます。

横浜市消防局は、今年(2025年)1月26日(日)の「文化財防火デー」に合わせて、市内の寺院など指定登録された文化財の搬出消火活動を行う訓練を実施しています。

【訓練】昨年(2024年)行われた新羽町・西方寺での「文化財防火デー」の様子(1月26日)

【訓練】昨年(2024年)行われた新羽町・西方寺での「文化財防火デー」の様子(1月26日)

1949(昭和24)年1月26日に奈良県斑鳩(いかるが)町にある「法隆寺金堂壁画」が焼損したことを契機に、国は翌1950(昭和25)年に「文化財保護法」を制定。

1955(昭和30)年からは、1月26日を「文化財防火デー」と定め、毎年この日を中心として大切な文化財を火災等の災害から守るため、全国的に防災訓練などの取り組みが行われています。

【訓練】火災による煙が流れる中、新羽中央町内会が文化財を搬出。西方寺は国、神奈川県の重要文化財がそれぞれ1点ずつ、また横浜市の文化財5点保有し、全ての建物が木造とのこと(2024年1月26日)

【訓練】火災による煙が流れる中、新羽中央町内会が文化財を搬出。西方寺は国、神奈川県の重要文化財がそれぞれ1点ずつ、また横浜市の文化財5点保有し、全ての建物が木造とのこと(2024年1月26日)

今年(2025年)の横浜市における「文化財防火デー」では、寺院などの文化財92カ所を対象に、関係者や地域住民と連携し、文化財の搬出や消火訓練などを行う予定です。

きのう1月20日(月)には、「主な消防訓練」実施先として、市内15消防署21カ所での予定日時を公表。

港北区内では、来週1月27日(月)11時から、新羽町の「西方寺」(さいほうじ、市営地下鉄ブルーライン新羽駅から徒歩約7分)で実施することを告知しています。

【訓練】48代住職の伊藤仁海(にんがい)さんが、「火を出さない」ために何が必要かということを再確認する貴重な機会であるとの感謝の想いを消防署員や消防団員、町内会の人々に伝えていた(2024年1月26日)

【訓練】48代住職の伊藤仁海(にんがい)さんが、「火を出さない」ために何が必要かということを再確認する貴重な機会であるとの感謝の想いを消防署員や消防団員、町内会の人々に伝えていた(2024年1月26日)

市消防局では、先週1月17日に、昨年(2024年)1年間の「火災・救急概況」(速報値)を発表。

市内全域での火災件数は678件で、前年と比べて55 件減少しましたが、建物火災は457件で、前年と比べて19件増加したとのこと。

港北区では74件と、対前年では1件マイナスとなりましたが、過去10年間平均64件よりは10件程度上回る状況となっています。

「第71回文化財防火デー」横浜市内での主な防災訓練実施一覧。2024年開催時より公表された訓練会場が7カ所も増えている(横浜市の記者発表資料)

「第71回文化財防火デー」横浜市内での主な防災訓練実施一覧。2024年開催時より公表された訓練会場が7カ所も増えている(横浜市の記者発表資料)

市内での火災による死者(放火自殺を除く)は 24人で、過去10年間では2016(平成 28)年と並び過去最多になったこともあり、日々の火災予防を広く呼び掛けています。

)この記事は「新横浜新聞~しんよこ新聞」「横浜日吉新聞」の一部共通記事です

【関連記事】

・【前年記事】<防災訓練>文化財防火デーは1月26日(金)、港北区は新羽の西方寺で(2024年1月25日)

・【過去記事】綱島の文化財「飯田家住宅」を守りたい、消防・地域ぐるみで初の防火訓練(横浜日吉新聞、2023年3月29日)

【参考リンク】

文化財防火デーに合わせて防災訓練を実施します(横浜市記者発表資料)

令和6年 火災・救急概況(速報)(同)

文化財防火デー(文化庁)

アクセス(西方寺公式サイト)