来季への希望をつなげつつも壁に直面した2024年でした。
自動車レース「スーパーGT(Super GT)」(GT300クラス)に参戦しているアネスト岩田株式会社(新吉田町)による「アネスト岩田レーシング・ウィズ・アルナージュ(ANEST IWATA Racing with Arnage)」は、今月(2024年)12月8日までに今季の全8レースを戦い、ポイント数によるチーム成績は22位(27チーム中)で終えています。
アネスト岩田レーシングは6月の第3戦まで17位/26台中、14位/27台中、14位/27台中と調子を上げつつありましたが、8月の第4戦以降は車両トラブルや急変する天候への対応に苦慮するレースが続きました。
8月の第4戦は予選で比較的好調だったものの、決勝レースでシフトチェンジができない電気系トラブルが発生し、トップから2周遅れの20位に終わります。
台風による第5戦の延期を経て行われた9月の第6戦は、公式練習時にクラッチのトラブルが発生。その対応後に大雨による予選中止が決まり、予選に変わって採用された公式練習記録が出せないまま決勝レースでは最後尾スタートを余儀なくされ、善戦するも18位に終わりました。
10月の第7戦は、決勝レースのスタート前にクラッチトラブルが再発して修復に時間を要し、レース終了1時間前から参戦して29周を走行したものの痛恨のリタイア。
翌11月の第8戦は予選で今シーズン最高位となる10位を記録しましたが、決勝では後半にブレーキに絡むトラブルが発生し、2戦続けてリタイアとなりました。
第5戦の延期により異例の12月開催となった今季最終戦は、16番手スタートとなった決勝でタイヤ交換せずにロスタイムを削減する作戦を実行。一時は12番手まで追い上げるも、終盤にタイヤの激しい消耗でゴムの剥離も発生し、緊急ピットインを余儀なくされ、21位でレースを終えています。
最終戦は順位こそ下位でしたが、トップから1周遅れで完走したことによって今季初となるチームポイント「3点」を獲得。今季通算12点で、同点で3チームが並ぶ22位(27チーム中)となりました。
2季連続でAドライバーをつとめたイゴール・オオムラ・フラガ選手は、「今年は色々なことが起きて大変でした。去年は(10位以上で付与されるドライバー)ポイントを2回獲れ、今年は表彰台を狙っていたんですが、表彰台どころかノーポイントに終わってしまい、すごく悔しいです」とコメント。
Bドライバーの古谷悠河(ふるたにゆうが)選手は「今シーズンは色々とあって(ドライバー)ポイントが獲れず、とても悔しいんですが、僕個人的には去年も含めて2年間このチームでお世話になって、たくさん勉強させてもらいドライバーとして大きく成長できた2年間でした」と総括します。
武田克己総監督(アネスト岩田取締役常務執行役員)は「今シーズンは序盤から多くの技術的な課題や戦略的な試行錯誤がありましたが、その一つ一つを乗り越えることができたのは、チーム全員の努力と情熱のたまもの」といいます。
そのうえで、「特に中盤のレースでは上位に食い込む場面もあり、チームの成長を感じました。これからもさらなる高みを目指し、挑戦を続けてまいります」とすでに次の戦いを見据えました。
スーパーGTは来年(2025年)4月12日・13日に岡山国際サーキットで開幕し、5月3日・4日の富士スピードウェイでの第2戦、6月27日・28日は海外に渡ってマレーシアで第3戦を実施。
8月2日・3日は再び富士スピードウェイで第4戦、8月23日・24日には鈴鹿サーキットで第5戦、9月20日・21日は「スポーツランドSUGO(スゴウ)」(宮城県)で第6戦、10月18日・19日は九州の「オートポリス」(大分県)で第7戦、11月1日・2日の「モビリティリゾートもてぎ」(栃木県)での最終戦まで全8戦が予定されています。
ANEST IWATA Racing RC F GT3(50号車)の2024年戦績
▼4月13日・14日:第1戦「岡山国際サーキット」(300km)
▼5月3日・4日:第2戦「富士スピードウェイ」(3時間レース)
▼6月1日・2日:第3戦「鈴鹿サーキット」(3時間レース)
▼8月3日・4日:第4戦「富士スピードウェイ」(350km)
(※)8月31日・9月1日に開催予定だった第5戦は台風接近で12月に延期
▼9月21日・22日:第6戦「スポーツランドSUGO(宮城)」(300km)
- 決勝:18位/26台中(3周差)(詳細)【チーム公式レポート】
- 予選:27番目/27台中(悪天候のため予選を開催できず、公式練習のタイムでスタート位置を決定することになったが、ANEST IWATAは車両トラブルにより公式練習でのタイムがなく、決勝は最後尾からのスタートに)
▼10月19日・20日:第7戦「オートポリス(大分)」(3時間レース)
- 決勝:リタイア/27台中(59周差)(ANEST IWATAは車両トラブルによりレース途中から29周のみ走行、リタイア扱い)(詳細)【チーム公式レポート】
- 予選:23位/27台中(19日は悪天候のため予選レースが開催できず、20日午前に1回のみ開催)
▼11月2日・3日:第8戦「モビリティリゾートもてぎ(栃木)」(300km)
- 決勝:リタイア/27台中(22周差)(ANEST IWATAは車両トラブルにより37周目で走行を断念、リタイア扱い)(詳細)【チーム公式レポート】
- 予選:10位/27台中(予選1回目6位/27台中)(予選方式が変更され、1回目に全車で走行し、上位組と下位組に分けて2回目を走行し総合順位を決定)
▼【8月延期分】12月7日・8日:第5戦「鈴鹿サーキット」(350km)
▼2024年チームランキング
- ANEST IWATA Racing RC F GT3:12ポイント(22位/27チーム中)(詳細)
※1位~完走(3周遅れまで)の場合、最大で25ポイントから最小1ポイントまでが付与される
(※)この記事は「新横浜新聞~しんよこ新聞」「横浜日吉新聞」の共通記事です
【関連記事】
・<アネスト岩田レーシング>チーム状態は「確実に上向き」、8月から後半戦(2024年6月7日)
【参考リンク】
・アネスト岩田レーシング・ウィズ・アルナージュ(ANEST IWATA Racing with Arnage)の公式サイト(レースレポートなど)
・スーパーGT(SUPER GT)の公式サイト(2025年は4月12日~11月2日に全8戦を予定)