新横浜・菊名・大倉山・新羽など港北区南部の地域情報サイト

横浜国大がある常盤台の遺跡考古学者の寄贈資料についての研究成果に学びながら、さまざまな分野の研究者が大学と地域の未来を展望します。

横浜国立大学地域連携推進機構(保土ケ谷区常盤台、田中稲子機構長・副学長)は、今週末(2024年)11月30日(土)13時から16時30分まで(12時30分開場)、同大学教育文化ホール(大集会室)で、「自然と関わって生きた人間の歴史-常盤台遺跡と横浜国大キャンパス」シンポジウムを開催します。

11月30日(土)13時から16時30分まで開催される「自然と関わって生きた人間の歴史-常盤台遺跡と横浜国大キャンパス」シンポジウムの案内(主催者提供)

11月30日(土)13時から16時30分まで開催「自然と関わって生きた人間の歴史-常盤台遺跡と横浜国大キャンパス」シンポジウムの案内(主催者提供)

「常盤台遺跡」は、同大学のキャンパス全体に散らばって見つかった遺跡を総称した名称となっており、発掘が行われたのは今から半世紀ほど前のことだといいます。

今回のシンポジウムでは、常盤台遺跡について、最新の科学研究の成果に基づいて考え直す内容となっており、「起伏に富んだ広大な横浜の台地の上で、縄文時代の人びとが自然環境と関わってどのように生活していたのか、そのなかで、常盤台という地区がいかに位置づいていたかを知る、貴重な機会になると思います」と、教育学部で日本史を担当する教授の多和田雅保さん

横浜国立大学のキャンパス内(写真部分)から有力な遺物(住居跡など)が発掘されたこともあったという(主催者提供)

横浜国立大学のキャンパス内(写真部分)から有力な遺物(住居跡など)が発掘されたこともあったという(主催者提供)

明治維新以後まで長らく、山林に覆われていたと思われる常盤台について、「江戸時代、人々がどのように山を利用しようとしたのか、それが明治維新の後、住宅地としてどのように変化していったについても触れてみたいと考えています」と、江戸時代の常盤台、また周辺地域の開発についても解説する予定だと説明します。

また、神奈川県が生んだ考古学者・赤星直忠の寄贈資料についても迫る予定だといい、「関東大震災(1923年)で焼けてしまった街を憂い、復興支援で当時、鎌倉にあった師範学校(同大学の前身)に寄贈があったようです」と、多和田さんは、同大学のコレクションとなっている土器などの説明も行いたいと語ります。

出土した土器の破片。「常盤台遺跡」が発掘されたのは今から半世紀ほど前とのこと(同)

出土した土器の破片。「常盤台遺跡」が発掘されたのは今から半世紀ほど前とのこと(同)

今回のシンポジウムでは、自然環境学や建築学、経済学など、さまざまな分野の研究者が登壇する予定となっており、「常盤台という土地の特色を見つめ、現代から未来に至る地域を展望する内容」を予定しているとのこと。

「シンポジウムを通じて、よそにはない、常盤台ならではのまちづくりのヒントを考えるきっかけにすることができれば」と、今回のイベントが果たす役割についても言及します。

考古学者・赤星直忠が寄贈したといわれる資料についても迫る予定(同)

考古学者・赤星直忠が寄贈したといわれる資料についても迫る予定(同)

同大学では、地元の町内会関係者などにも開催の案内を行っているといい、「遺跡について調べるなど、熱心に活動されている方もいらっしゃいます。地域の大勢の方々に参加していただき、今後さらなる交流機会を得ることができれば」と、多和田さんは、同シンポジウムへの多くの来場を呼び掛けています。

なお、当日の定員は200人ですが、残枠は40人程度とのこと(11月26日15時現在)。インターネットの予約フォームからの事前申込が必要です。

【関連記事】

<レポート>横浜国大が羽沢バレーにサテライト、悲願のオープンで“感動を共有”(2024年10月15日)

2万人超が来場の横国大「常盤祭」、2024年開催は11月3日(日)まで(2024年11月1日)

【参考リンク】

11/30(土)シンポジウム開催『自然と関わって生きた人間の歴史-常盤台遺跡と横浜国大キャンパス-』(横浜国立大学地域連携推進機構)

常盤台遺跡シンポジウム参加申込フォーム(Googleフォーム)