篠原地区が昨年に続き「無火災表彰」なるも、区全体では件数の減少に至らず、地域で活動を行う「消防団員」も広く募集を行っています。
港北区の最南端(東側)に位置する「篠原地区連合自治会」(川島武俊会長)は、先月(2024年)10月23日、180日間(約6カ月間)の「連続無火災」を達成。
菊名(1~3丁目)、富士塚、篠原町、篠原西町、仲手原、篠原台町、篠原東の各町で活動する10の自治会・町内会によって組織されている同エリアでの火災が発生しなかったことに対する表彰が行われる予定です。
表彰を行うのは、1968(昭和43)年9月から横浜市でスタートした、毎月15日を「市民防災の日」とすることでの、歴代港北区長が委員長を務める「港北区推進委員」。
表彰制度は1995年1月の「連続無火災地域表彰実施要領」施行にあわせてスタート。篠原地区では昨年9月22日以来の表彰となります。
2年連続での表彰となった背景について、川島会長は、「特段、目立った対策を行ったわけではないが、消防署や消防団、地域の防火・防災担当者の日々の活動の成果なのではないか」と、表彰に至った理由を分析します。
今年4月に篠原消防出張所(篠原町)に着任したばかりの野口拓海所長は、「消防団員の皆さんが、定期的な訓練を怠ることなく、各自治会町内会や地域の学校・イベント・団体などに出向いての防火防災への指導や普及啓発を積極的に行うなど、地域の取り組みがとても熱心に感じます」と、自治会・町内会や消防団の活動に、篠原地区ならではの“熱心さ”を強く感じる日々だと語ります。
篠原地区を含むエリアを担当する「港北消防団」第二分団長に同4月から就任した峯岸義孝さんは、「新型コロナ禍が明け、しっかりと訓練を行えることが大きい」と、一人ひとりの消防団員の活動、また真摯(しんし)な消防活動を行う野口所長をリーダーとする篠原消防出張所の取り組み姿勢にも感謝の想いを抱いていると語っていました。
港北区全体では、10月17日現在の火災発生件数が60件となっており、対前年比(2023年)で横ばい。
横浜市全体では515件(マイナス76件)と大幅に減少しているにもかかわらず、行政区別件数でも中区の66件に続き、市内最多の人口(36万5796人、11月1日現在の推計)を抱えるエリアということもあり、ワースト2位の件数となっています。
なお、篠原地区をはじめとして、区全体でも消防団員の人員が足りない状況が続いており、ここ数年でも70歳の定年を迎える団員が目立つことから、若い世代の防火・防災活動への参画も“待ったなし”の状況となっています。
港北区内ではさらなる人口増加や少子高齢化に伴う単身世帯の増加も懸念されており、「地域ぐるみ」での見守り体制の構築や、区内で上位となっている出火原因の「たばこ」、「こんろ」、「放火」、そして「電気機器」(11月17日現在)といった火災を防ぐための対策強化や注意の呼び掛けもより一層重要になるといえそうです。
【関連記事】
・「地域のコミュニティ力」向上がバックアップ、師岡地区が初の“無火災表彰”(横浜日吉新聞、2024年6月25日)※師岡地区は7月17日の資料で2件発生したことが報告されている
・「無火災」3年の新吉田あすなろ地区を表彰、“高齢者”の火災に注意呼びかけも(横浜日吉新聞、2024年2月22日)※11月19日現在、「連続無火災」が継続している
【参考リンク】
・港北消防署の紹介(横浜市消防局港北消防署総務・予防課)
・港北消防団(同)
・「定例会」会議資料 (港北区連合町内会)※「港北区内の火災・救急状況について」ファイル(最下部)にて毎月の発生件数(年累計)を掲載
・篠原地区連合自治会への連続無火災表彰を実施しました(令和6年11月20日)(港北消防署)※リンク追記
・篠原地区連合自治会が「連続無火災」により港北区長から表彰を受けました(港北区連合町内会)※リンク追記