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大規模火災を防ぐ「自衛消防隊」の存在を知っていますか。

国は、日本国内での地震の多発や首都直下地震などの大規模地震の発生が懸念されていることを受け、2007(平成19)年6月に消防法を改正。

2009(同21)年6月に法律は施行され、以降、一定の大規模・高層の建築物について、「自衛消防組織」の設置と防災管理者の選任、火災以外の災害に対応した消防計画の作成が義務付けられています。

難易度が高い「屋内消火栓操法2」で最優秀表彰された「JR東海新横浜駅防災センター」の実技(9月5日、港北消防署提供)

難易度が高い「屋内消火栓操法2」で最優秀表彰された「JR東海新横浜駅防災センター」の実技(9月5日、港北消防署提供)

横浜市内や港北区内でも「自衛消防隊」として組織された企業や学校、ショッピングセンターなどの組織が、火災や地震などに備え、災害時の初期の消火活動や避難などを円滑に行い、利用者などの安全を確保するための活動を実施。

先月(2024年)9月5日午後、首都高速道路「横浜北線」新横浜入り口横にある「港北区防災広場(新羽消防訓練所)」(新羽町)で、年1回の「港北区自衛消防隊消防操法技術訓練会」が行われました。

この訓練会は、区内事業所の自衛消防隊が消防技術を競うことにより各事業所の消防力の向上を図ることを目的として実施しているとのこと。

「屋内消火栓操法1」では新横浜プリンスホテルが最優秀表彰された(港北消防署提供)

「屋内消火栓操法1」では新横浜プリンスホテルが最優秀表彰された(港北消防署提供)

実施種目は、消火器を使用しての「消火器取扱操法」に5隊10人、施設の屋内に設置されている消火栓を使用しての「屋内消火栓操法1」(女性)に2隊8人、難易度があがるという「屋内消火栓操法2」(男性または男女混成)に4隊16人と、計11隊34人が参加したといいます。

上位3位までに入賞した「自衛消防隊」を表彰、「屋内消火栓操法」の最優秀表彰(1位)を獲得したそれぞれの隊は、来週10月17日に横浜市消防訓練センター(戸塚区深谷町)で行われる「横浜市消防操法技術訓練会」に参加する予定とのことです。

「消火器操法」は株式会社浅川製作所が最優秀に輝いた(港北消防署提供)

「消火器操法」は株式会社浅川製作所が最優秀に輝いた(港北消防署提供)

「自衛消防隊」設置の法律が施行されたわずか1年9ヵ月後「東日本大震災」(2011年3月)が発生。

今年1月1日に発生した「能登半島地震」では、多くの公的機関が休暇だった実態もあり、自分たちの住まう地域や街、企業、そして大型商業施設などの勤務に従事する人にとっても、自分たち、そして大切な人命を守るための“自衛消防隊”を日々適切に配備し、“いざ”に備え訓練を重ねていくことの大切さを周知していく必要がありそうです。

参加事業所~上位3位までの成績(港北消防署提供)

<消火器取扱操法>

  • 株式会社浅川製作所自衛消防隊(1位・最優秀)
  • 株式会社コヤマドライビングスクール自衛消防隊(2位・優秀)
  • 株式会社互省製作所自衛消防隊(3位・優良)
  • 株式会社トヨタオートモールクリエイト トレッサ横自衛消防隊
  • 医療法人三星会 大倉山記念病院自衛消防隊

<屋内消火栓操法1>

  • 新横浜プリンスホテル自衛消防隊(1位・最優秀)
  • 新横浜グレイスホテル自衛消防隊(2位・優秀)

<屋内消火栓操法2>

  • JR東海新横浜駅防災センター自衛消防隊(1位・最優秀)
  • ローム株式会社自衛消防隊(2位・優秀)
  • 株式会社浅川製作所自衛消防隊(3位・優良)
  • 株式会社トーエル自衛消防隊

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【参考リンク】

自衛消防隊(横浜市消防局予防課)

大規模地震等に対応した自衛消防力確保に係る消防法令の改正(東京消防庁)