県内屈指の強豪校に6連打を浴び6回までパーフェクトに抑えられるも、6回以降は零封、好守も光るゲーム展開となりました。
きのう(2024年)9月29日(日)午後、サーティーフォー保土ケ谷球場(保土ケ谷区花見台)で行われた「神奈川県高校野球秋季大会」準々決勝で強豪校・横浜高校(金沢区能見台通)と対戦した武相高校(仲手原2)は、1対6と“完敗”を喫する結果に。
この日、横浜高校の1年生投手・織田翔希君は、6回表まで打者走者を許さない“パーフェクトピッチング”。
横浜高校の猛打が先発投手(ピッチャー)の八木隼俊(はやと)君を襲い、3回裏に1点、4回裏には6連打を含む7安打で5点を失い0対6に。一方的とも言える苦しい展開となってしまいます。
それでも“諦めない”武相ナインは、5回裏から登板した投手の三上煌貴(こうき)君が横浜高校打線を8回裏(9回裏はなし)まで零封するという“努力の成果”も。
打線も目を覚まし、織田君から球筋を読み、7回表に2番打者の渡辺羽音(はねと)君がセンター前に初ヒットを放ちます。
4番打者の森山惇(じゅん)君がセンター前ヒット、続く5番打者の黒瀬陽史(あきふみ)君がレフトへのタイムリー2塁打で1点を返し、エースの奥村頼人君の登板を呼び込みます。
最終回も1番打者の伊藤道(わたる)君が内野安打で出塁、渡辺君が四球で無死1・2塁とチャンスを広げ奮闘するも、後続が続かず1対6での“完敗”といえる悔しい敗戦。秋の公式戦が終了、春の「センバツ甲子園」の出場の夢が断たれる結果となりました。
「好プレー」も随所に、“一冬”の成長に期待
一方的な試合になると思われた前半の展開を覆したのは、渡辺君や森山君など、夏までの試合経験が豊富なメンバー。
苦しい雰囲気の中でも、決して諦めない、“武相魂”とも言える6回裏の森山君へのライトフライ、7回裏の伏谷空翔(ふしやそらと)君へのショートゴロ、8回裏の渡辺君へのセカンドゴロや吉﨑創史君のバント犠飛(フライ)のキャッチといった好守備が光るシーンも見られていました。
試合後のインタビューに応じた豊田圭史(けいし)監督は、「まだまだ手にも足元にも及ばないですね、この横浜高校の現時点でのレベルには僕らでは足元にも及びませんが、去年秋のスタートもこんな感じだったので、また春、夏、いいチームを作り上げられたならいいなと前向きに考えています」と、昨年秋の4回戦(桐光学園戦)での敗戦についても振り返り、“前向きな心”で冬から春、夏への成長につなげたいと語ります。
特に「夏のベスト4、春の優勝で求められるレベルが上がってしまっているが、私立中堅校らしく(強豪校と比較すると)難しい部分はある」と、“一生懸命”頑張っているという選手たちの日々の取り組みを労(ねぎら)います。
それでも、主将(キャプテン)の吉﨑君を中心に、「もっと体も強くならなければいけないし 体重や筋肉を増やすことなどいろいろな課題があり、乗り越えていくことができれば」と、レギュラーとして夏も活躍した吉﨑君をはじめ、渡辺君、森山君、八木君や三上君の両投手以外の「新しい選手たち」の奮闘にも期待したいとの思いを熱く語っていました。
この秋には近郊チームとの交流試合なども行う予定だといい、“雑草野球”として一大ブームを呼んだ夏までの代とはまた異なる、吉﨑君を中心とした新チームの取り組みにも注目が集まることになりそうです。
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・【試合結果】<秋の高校野球>慶應塾高が準々決勝で惜敗、悔しさバネに“春までの成長”を(横浜日吉新聞、2024年9月28日)※リンク追記、慶應義塾高校(慶應塾高)も平塚学園高校に悔しい敗戦となった
・【告知記事】<秋の高校野球>武相・慶應が準々決勝を保土ケ谷で、準決勝からCATV中継も(2024年9月26日)※2024年10月7日追記:横浜高校は東海大相模高校(相模原市南区)に5対2で勝利し優勝しました
・【対戦表など】<高校野球・秋の県大会>武相は自校、港北・日大・慶應も地元から甲子園の夢に挑む(2024年9月6日)
・【夏の大会】<夏の高校野球>武相が横浜に準決勝で惜敗、あと一歩及ばずも「大きな成長」(2024年7月24日)※横浜高校に1対2で惜敗していた
【参考リンク】
・令和6年度神奈川県高等学校野球秋季県大会「試合結果」(一球速報.com)