元オリンピック金メダリストの「柔道日本代表」監督を招いた「2000回例会」記念式典は、“人を育てる”大切さを多くの来場者の心に残したようです。

横浜北ロータリークラブの2000回記念例会に招かれた柔道日本代表監督の鈴木桂治さん。技の実演のために登場した2010年全日本選手権優勝経験という経歴を持つ高橋和彦さんと(1月24日、新横浜グレイスホテル)
横浜市港北区と都筑区の一部をエリアとする横浜北ロータリークラブ(事務局:新横浜1、漆原明会長)は、今週(2023年)1月24日(火)17時30分より、新横浜グレイスホテル(新横浜3)で、2000回目となる「例会」と「記念講演」(記念例会)を開催。
1980(昭和55)年の創立以降43周年を迎える同クラブですが、夜間の「例会」開催は実に“コロナ禍”以前以来になるとのこと。
1917(大正6)年にアメリカで誕生後、地域社会や国際的な課題、世界平和への貢献を行うことを目的として世界中で活動するロータリークラブのなかで、神奈川県の横浜市・川崎市内のロータリークラブにより構成されている「国際ロータリー第2590地区」。
横浜北ロータリークラブは、横浜東(鶴見区=いずれも事務局)、神奈川(神奈川区)、横浜鶴見北(鶴見区)、神奈川東(旭区)、横浜港北(新横浜)、横浜都筑(都筑区仲町台)、横浜日吉(日吉本町)などの各ロータリークラブとともに、「第4グループ」に所属。「親睦と奉仕」という活動の原点を踏まえ、“楽しく充実したクラブ創り”に挑戦しているといいます。
今回の記念式典には、日頃活動をおこなう会員のうち17人とその家族、第4グループのロータリークラブに所属する会員、その家族やかつて在籍したメンバーなど約90人が来場。
「記念講演」には、2004(平成16)年に開催されたアテネ五輪男子柔道100キロ超級で金メダルを獲得した国士舘大学教授で、2021年10月から柔道(男子)日本代表監督を務める鈴木桂治(けいじ)さんを招へい。
柔道着姿で颯爽(さっそう)と登場した鈴木さんは、「柔道と私」というテーマで約30分にわたって講演しました。
中学生の頃から自立をし東京で柔道の道を選んだことについて「親に反対されたこともあった」という自身の人生の選択について振り返り、中学・高校時代を通じて学んだ「剛毅木訥(ごうきぼくとつ)」 という「心が強く、しっかりしていて飾り気がないさま」という言葉の通り、「心・技・体」を鍛(きた)え、「強くいるためには謙虚に」という言葉の実践をおこなってきたことを披露。
“大変厳しかった”という、ロサンゼルス五輪(1984年)とソウル五輪(1988年)95キロ超級2大会連続金メダリストで、アテネ・北京五輪で日本代表監督を務めた故・斉藤仁(ひとし)さんから受けた指導として、「強くなるためには稽古、勝つためには研究」という教えを今も心に刻んでいることについても言及します。
また代表監督として、“今の若者”の選手の「個」を活かすため、練習の前、最中、そして後までも“コミュニケーション”を取ること、「相手の元に飛び込む」ことで時間を共有し、理解することの大切さについても実践していることを明かしていました。
講演の後は、登壇台の隣に敷かれたマットの上での「投げ技」を披露。
来場者から逆に「(鈴木さんを)投げたい人」を募集し、地区会員など4人がそれぞれ背負い投げで鈴木さんを投げる“特別なシーン”で交流を深め、2000回記念らしい場として会場を沸かせていました。
鈴木さんは、今後、自身が監修する柔道教室などを通じ、子どもたちへの指導を「死ぬまで続けていきたい覚悟」との決意も明かしていました。
講演後の「記念祝宴」であいさつをおこなった第4グループの木元茂ガバナー補佐は、最近の幼児教育でのバス置き去りなどにみられる不幸な事故や、教育の担い手になるはずの若い人たちが「心がおれてしまう」ケースがあることを憂う発言も。
そんななか、鈴木さんが「相手の元に飛び込む」ことで理解を深めるチャレンジを続けていると語ったことについて“すごく勉強になりました”と、一人ひとりの「個」を大切にしながら“人を育てる”鈴木さんの取り組みに共鳴。
落ち着きを見せた“コロナ禍”以降の、今後のロータリー活動についても、「直接」言葉を交わす機会を増やしていけるのではないかとの期待感を語っていました。
なお通常時は、横浜北ロータリークラブは同ホテルを例会場とし、毎週火曜日の12時30分から13時30分に活動しているとのこと。
新規入会については、いずれのロータリークラブも招待制となっているとのことです。
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【参考リンク】
・第2590地区について(国際ロータリー第2590地区のサイト)
・第2590地区クラブ一覧(同)
・国際ロータリーの日本語サイト ※入会についてなど詳しく紹介