新横浜・菊名・大倉山・新羽など港北区南部の地域情報サイト

二度目となる“小机城発掘”が来年(2023年)早々に始まり、2月中旬には現場説明会も予定されています。

横浜市教育委員会は「小机城址市民の森」(小机町)で来年1月10日から2月24日まで発掘調査を行い、2月11日(土)には発掘現場で説明会を開くと発表しました。※【2023年2月11日追記】前日の悪天候により現場説明会は開催中止となりました。

小机城の跡は「小机城址市民の森」として公開されている

小机城は1400年代半ばまでに築かれたと推定され、1590(天正18)年に徳川家康が江戸へ入る頃までに廃城になったとされています。

その後、500年以上にわたって跡地の多くが「城山」という名で原型をとどめており、1977(昭和52)年からは「小机城址市民の森」(4万6000平方メートル)として一般公開されています。

かつてこの場所に城があったことは広く知られている一方、史跡としての専門調査はほとんど行われておらず、1965(昭和40)年に開通した「第三京浜道路」の建設で城跡の一部が破壊される前に「緊急調査」が行われた程度でした。

小机城は中世の山城(やまじろ)の原型を残す城址として歴史好きな層からの人気が高く、2017(平成29)年には財団法人日本城郭協会から「続日本100名城」にも選出されています。

昨年11月に初めて本格的な発掘調査が行われ、現在は土に埋もれてしまった「空掘」を掘削したところ土器も見つかった。翌12月に行われた現場説明会はほとんど事前告知が行われないなかで140人超が訪れている(2021年12月4日)

一方、小机城址は「埋蔵文化財包蔵地」としては市から把握はされているものの、正式な「史跡」にはなっていないなど、詳細な調査を望む声は以前から多く、昨年(2021年)11月には市教育委員会が横浜市ふるさと歴史財団埋蔵文化財センターとともに初の発掘調査を実施。

この調査では柱の穴とみられる痕跡が多数確認されたほか、空堀(からぼり)の調査地点では中世の素焼き土器「かわらけ」も出土しました。

今回の調査は、本丸広場に近い「西曲輪(にしくるわ)北側」(2カ所)と「西曲輪南側」、二の丸広場寄りの「中曲輪」の計4カ所(約34平方メートル)を掘削。

今回は4カ所で掘削を行う予定(市教育委員会の発表資料より)

前回の調査地点とは異なる場所を掘ることで、小机城の全体像や輪郭を明らかにできる可能性もあります。

2月11日(土)の現場説明会は、11時と13時の2回にわたって実施する予定で、新型コロナウイルス対策から1回あたり100人に限定して行われます。

2023年2月11日(土)に行われる現場説明会の案内チラシ、新型コロナ対策から事前申込が必要で1回あたり100人に限定されることになった(市教育委員会の案内ページより)

参加は市内在住・在勤・在学者を対象とし、1月10日(火)の17時までにWeb上などから事前申し込みが必要で、希望者多数の場合は抽選になるとのこと。

一連の発掘による調査は今回が最終となる見通しで、現地見学会への参加希望者が多くなる可能性があります。

【関連記事】

・【前回調査と小机城の詳細】市教委が「小机城」を初めて発掘、二の丸広場近くで“柱の痕跡”、空堀には土器(2021年12月7日)

【参考リンク】

小机城跡の文化財調査の実施について(2022年12月19日、横浜市教育委員会)

2023年2月11日(土)実施「小机城跡」発掘調査現場説明会の参加申込(10時と13時、各回100人、※1月10日17時受付締切、多数の場合は抽選)