港北IC近くの再開発エリアで完成しつつある大型物流倉庫の内部は、どのようになっているのでしょうか。
大和ハウス工業は都筑区川向町の「南耕地(みなみこうち)」で進めている3棟の大型物流施設のうち、今年(2022年)3月に完成した「DPL新横浜(旧称DPL横浜港北)Ⅰ(1)」で今月(2022年)10月28日に現地内覧会を開き、物流関係者など約100人が見学に訪れました。
DPLとは「ディープロジェクト・ロジスティクス」の略で、大和ハウス工業が2002(平成14)年から展開する独自の事業スキーム(枠組み)「Dプロジェクト」による物流施設のブランド名称。
複数のテナントが入居する同社のマルチテナント形物流センターは、戸塚区の「DPL横浜戸塚」(2022年3月完成)や平塚市の「DPL平塚」(2022年7月完成)など関東圏を中心に近年相次いで開発されています。
首都高速道路「横浜北線・北西線」の開業とともに開発が行われている南耕地では、3棟の「DPL」を順次建設しており、小机大橋・新横浜寄りにある「DPL新横浜Ⅰ」が今年3月に完成。
続いて2棟目となる「DPL新横浜Ⅱ(2)」は来月11月中、3棟目の「DPL新横浜Ⅲ(3)」は来年(2023年)10月ごろにそれぞれ完成する予定です。
建物内部はオフィスのような雰囲気
今回、内覧会が行われた「DPL新横浜Ⅰ」は、港北インターチェンジ(IC)の至近に位置する4万453平方メートル(1万2237坪)の敷地に6階建て(延床面積9万9684平方メートル)の建物を建設。
すでに1階から3階のフロアは「イトーヨーカドー」がネットスーパーの拠点「新横浜センター(仮)」を来年3月に稼働させる計画としており、4階と5階も大手通販事業者などが使用を始めています。
内覧会は、唯一空いている6階のフロアを対象に物流事業の関係者など招いて行われました。
同階には9581平方メートル(2898坪)の倉庫スペースと1928平方メートル(583坪)のトラックバース(積み下ろしスペース)があり、別に465平方メートル(140坪)の事務所スペースも設置。
フロアは4つの倉庫に区切ることができるようになっており、フロア全体を一括しての貸出を基本としているものの、要望があれば分割することも可能だといいます。
建物の“真横”といえる場所に港北ICが位置し、有料道路を使えば約30分で横浜市内の全域や品川・大崎エリアにもアクセスが可能なうえ、一般道を使っても30分程度で横浜港へ到達できる位置にあることから、各フロアへのアクセス路となる「ランプウェイ」はコンテナを積んだトラックがすれ違えるだけの広さを確保。
また、倉庫をメインとする施設ではあるものの、建物内部のエントランスやロビーなどに木目調を採用したり、廊下に絨毯を敷いたりと、事務所エリアはオフィスビルのような雰囲気となっており、2階には食事や休憩に使えるカフェテリアと共有会議室を設置。
1階に託児施設も完成済みで、来年春以降にオープンする予定とのことです。
一方、再開発地域では倉庫が建ち並ぶ無機質な雰囲気を避けるため、建物に連続するグラデーション状の色彩を採用するなど、3棟で一体的な外観としているのが特徴です。
2棟目は11月中に完成、入居募集も
来月(11月)中に完成を予定する2棟目の「DPL新横浜Ⅱ」は、「Ⅰ」とほぼ同規模の4万489平方メートル(1万2400坪)の敷地に5階建ての建物を建設。
延床面積は「Ⅰ」より若干大きい10万1699平方メートル(3万764坪)あり、小机側と東方町側の双方に「ランプウェイ」を設け、建物の両側から各フロアにトラックの乗り入れを可能としています。
今月10月27日には施設を紹介する公式ページも開設し、入居企業の募集も始めました。
一方、もっとも東方町寄りに建設中の「DPL新横浜Ⅲ」は、敷地面積が1万6281平方メートル(4925坪)と「Ⅰ」や「Ⅱ」に比べて半分以下となるため、2棟とは異なる形の物流施設とする計画だといいます。
これら3棟の物流施設が完成すれば、南耕地エリアに1000人から1500人程度が勤務すると言われており、港北IC付近には新たなモノの流れに加え、人の流れも生み出すことになりそうです。
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・港北IC近くの再開発地「南耕地」へ新横浜駅・新羽駅から新バス路線を計画(2022年10月17日、現在は公共交通機関がないため新路線も計画されている)
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【参考リンク】
・大型マルチテナント型物流施設「DPL新横浜Ⅰ(1)」(2022年3月完成、大和ハウス工業)
・大型マルチテナント型物流施設「DPL新横浜Ⅱ(2)」(2022年11月完成予定、大和ハウス工業)
・川向町南耕地地区の案内ページ(横浜市都市整備局)