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築40年超となった大倉山の大型マンション「未来会議」が発足。“これから”のコミュニティや将来への想いを一人ひとりが共有するための試みがスタートしました。

大型マンション群「大倉山ハイム」の3~8号棟は1979(昭和54)年竣工。大豆戸町に位置している

大型マンション群「大倉山ハイム」の3~8号棟は1979(昭和54)年竣工。大豆戸町に位置している

大倉山地区に隣接した大豆戸町に位置する大型マンション「大倉山ハイム」(3~8号棟まで)で、今年(2022年)3月5日に、住民の有志による「ハイム未来会議」が発足。

「ここに住む人々が将来にわたり豊かさを感じられる未来を描き、それを実現するための将来ビジョン」を、「住民全員の英知の結集のもと策定し、その実現に向けたプロジェクトの立ち上げの検討・準備をおこなうこと」を目的としているという同会議。

代表の藤林文夫さんは、同マンションの管理組合や、自らが4月から新会長を務める、同マンション地区をエリアとする「大倉山ハイム町内会」の承認の上で立ち上げられたという経緯を説明します。

「ハイム未来会議通信」を制作・配布し、マンション内での情報共有をはかっている

「ハイム未来会議通信」を制作・配布し、マンション内での情報共有をはかっている

横浜市内で築40年以上を経過したマンションや団地を対象とした、市建築局による「団地総合再生支援事業」の支援を受けて活動をおこなっているもので、市からの「団地再生・町づくり」に経験豊かなコーディネーターのアドバイスを3年間無償で受けられるメリットにより活動をスタート。

原則月1回程度おこなわれる定例会を中心とした活動をおこなう運営委員をハイム内で募集、「住民全員」を未来会議のメンバーとし、活動への参加は自由、“将来ビジョン”を作るところまでをゴールに、まずは実現可能な未来を描くことを目標として据えるとしています。

築40年超、500世帯以上のマンションは区内初

「ハイム未来会議」代表の藤林文夫さんは今年4月から「大倉山ハイム町内会」会長にも就任し地域で活躍。今回の「自慢スポットコンテスト」についても熱くその企画への想いを語る

「ハイム未来会議」代表の藤林文夫さんは今年4月から「大倉山ハイム町内会」会長にも就任し地域で活躍。今回の「自慢スポットコンテスト」についても熱くその企画への想いを語る

1979(昭和54)年に竣工、現在636世帯・約1500人が居住しているという大型マンションとして知られる同ハイム。

「港北区内では、築40年超、500世帯以上のマンションでは初の事例となるとのことで、市から声かけもいただきました」と、藤林さんは、これまでまだ区内では誰も挑戦したことがない「未来ビジョン」の策定に、手を挙げてくれた運営委員たちと向き合っていると語ります。

「マンションのエレベーターが各階止まりでないといった問題もあります」と語る一方、2015(平成27)年度には、長期にわたって適切な維持保全を実施するなど、優れた改修を実施した既存の建築物のうち、特に優秀なものを表彰しているという「ベルカ(BELCA)賞ロングライフ部門」(公益社団法人ロングライフビル推進協会、東京都港区)も受賞。

アンケートも実施しマンション居住者の意見の集約もおこなう

アンケートも実施しマンション居住者の意見の集約もおこなう

「現在も建物の基本性能と高い資産価値を維持している」(同賞の選考評)との評価を得たとしています。

それでも、「まずは、このマンションに住まう一人ひとりが、“自分ごと”として未来について考えるきっかけをつくることができれば」と藤林さん。

40代から80代まで、前身となる「あすのハイムを考える会」から、新たなメンバーも含めて、現在の「未来会議」に参加している10数人の運営委員との話し合いを重ね、「今後も新しい企画を打ち出していきたい」と、まずは“一人ひとりが”マンションのコミュニティに参加しているという実感を持ちやすい企画を練ったと語ります。

9月25日(日)に「自慢スポット」コンテスト、ネット投票の初挑戦も

9月18日はあいにくの雨天にもかかわらず投票に訪れた人々も(大倉山ハイム「未来会議」提供)

9月18日はあいにくの雨天にもかかわらず投票に訪れた人々も(大倉山ハイム「未来会議」提供)

その第1弾となるのが、初の試みとなるハイム内の「自慢スポット」コンテスト

「私が自慢したいハイムの場面やスポット」として募集した写真や絵、イラストを掲出し、投票してもらうというもので、9月18日(日)に初めての試みとして投票を実施。

あいにく台風14号接近による悪天候で、当初予定していた屋外の展示から集会室に変更したこともあるのか、参加者は大人8人、子ども4人のみだったとのこと。

9月25日の開催時は4号棟と5号棟の間の東屋付近(雨天時は集会室)で投票をおこなう予定

9月25日の開催時は4号棟と5号棟の間の東屋付近(雨天時は集会室)で投票をおこなう予定

「もっとたくさんの方々から投票してもらいたいと、急きょ9月25日(日)の9時30分から11時30分までの間、当初掲出を予定していた4号棟と5号棟の間の東屋付近(雨天時は集会室)でおこなうことにしました」と、“第2弾”となる投票イベントの改めての実施を予告します。

オンライン投票も併用したいと思います。ぜひハイム在住の皆様にエントリーいただければ」と藤林さん。

11月中には、投票結果を基にプランニングする予定の「まち歩きスタンプラリー」の開催についても構想を練っているとのことで、これから長期にわたりマンションや共同住宅に住まう際の“地域コミュニティ”の永続的な醸成に、今回の取り組みがどのように影響を与えていくのかに大きな注目が集まることになりそうです。

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新横浜・菊名地区「連合町内会」に3人の新会長、新たな街づくりにチャレンジ(2022年5月30日)※藤林会長の就任について

<3年ぶりの夏>大豆戸と小机で「盆踊り」が復活、“感染症”対策は徹底を(2022年7月21日)※大倉山ハイム町内会も大豆戸町内会とともに大豆戸小学校の「盆踊り大会」を企画開催

【参考リンク】

菊名地区連合町内会の紹介(港北区連合町内会)※「大倉山ハイム町内会」(3~8号棟)が加入している

第25回BELCA賞ロングライフ部門表彰建物~大倉山ハイム3号棟~8号棟住宅(公益社団法人ロングライフビル推進協会)

第218回 祝! BELCA(ベルカ)賞受賞~シリーズわがまち港北(公益財団法人大倉精神文化研究所)

団地総合再生支援事業(横浜市建築局)