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菊名駅や新横浜駅ビル内など首都圏78カ所でパン店を展開する株式会社サンジェルマン(新羽町、赤須正浩社長)は、今年(2022年)12月1日付けで株主が日本たばこ産業株式会社(JT、東京都港区)から株式会社クリエイト・レストランツ・ホールディングス(東京都品川区)に変わることを発表しました。

北新横浜駅から徒歩約4分の新羽町にあるサンジェルマンの本社・横浜工場(2018年10月)

サンジェルマンは東急百貨店(当時は東横百貨店)の製菓工場として1934(昭和9)年に目黒区で創業し、2002(平成14)年までは東急グループ傘下のベーカリーチェーン。

1970(昭和45)年に1号店を渋谷の東急百貨店本店に出店し、「手作りによる出来立ての商品が大当たりし、店舗を次々と拡張」(東急100年史)していったものの、東急グループの再編にともなって、2002年には当時食品事業を強化していたJTへ売却されていました。

菊名駅直結の東急ストアのテナントとして営業している「サンジェルマン菊名店」(2021年9月)

その後、2011(平成23)年には北新横浜駅に近い新羽町内に横浜工場を新設し、現在は本社としています。

サンジェルマンは販売店舗として、区内では菊名駅直結の東急ストア菊名店や新横浜駅ビルのキュービックプラザ新横浜内の「タカシマヤフードメゾン」、本社・横浜工場の裏手には工場直営店の「ブレッドボックス(BREAD BOX)北新横浜店」も置いています。

JTの発表によると、サンジェルマンの2021年12月期の売上は90億7500万円。営業利益はマイナス5億8200万円、純利益はマイナス1億8400万円の赤字になっているとのこと。

8月31日時点でのサンジェルマンの概要(JTのニュースリリースより)

今回、JTは12月1日付けで首都圏に78店を展開するサンジェルマンと、北海道内に68店を持つ100%子会社の北海道サンジェルマン(札幌市西区)の2社をクリエイト・レストランツ・ホールディングスに売却することを決めたものです。

2社の売却についてJTは「今後の持続的な事業成長を図るためには、これまで以上に好立地店舗の確保や提供価値の差別化による店舗価値の向上が必要」(ニュースリリース)だといい、「その実現においては、そのノウハウを有する外食企業のもと事業展開を行うことが最善の選択と判断」(同)したといいます。

綱島西口にある磯丸水産、新型コロナ禍前は24時間営業もうりにしていた(2019年6月)

新たに株主となるクリエイト・レストランツ・ホールディングスは、傘下に「磯丸水産」や「かごの屋」、「はーべすと(自然食バイキング)」など多数のブランドを持っており、港北区内では綱島にかごの屋と磯丸水産を出店し、今年3月末まではキュービックプラザ新横浜で「はーべすと」を営業していました。

同社ではアフターコロナを見据えて「日常・定番・地域密着」といったキーワードを重視する中期的な経営方針を打ち出しており、今回の買収は「正にこの戦略に沿うもの」(ニュースリリース)だといいます。

買収を決めたサンジェルマンなど2社について同社は、「当社の持つ外食専業企業としての店舗運営ノウハウを加え、新規出店やイートイン強化を含めた店舗改装等の前向きな投資を進めることで、両社(今回買収した2社)の新たな成長を進めていく」(同)との考えで、サンジェルマンの株式取得後は同社社長の交代も行う方針です。

【参考リンク】

株式会社サンジェルマン「株主変更のお知らせ」PDF、2022年9月15日)

日本たばこ産業株式会社「株式会社サンジェルマンの株式譲渡契約の締結について」PDF、2022年9月15日)

株式会社クリエイト・レストランツ・ホールディングス「株式会社サンジェルマンの株式取得に関するお知らせ」PDF、2022年9月15日)

株式会社サンジェルマンの公式サイト(本社・新羽町、ブランドや店舗一覧も)