新横浜・菊名・大倉山・新羽など港北区南部の地域情報サイト

卒業記念の想い出「キャンプファイヤー」で――残された日々を学校、そして地域が鮮烈に彩る学内イベントが開催されました。

生出校長も「教員人生で初めて」と語る学校内でのキャンプファイヤーが大綱中学校でおこなわれた(3月4日)

生出校長も「教員人生で初めて」と語る学校内でのキャンプファイヤーが大綱中学校でおこなわれた(3月4日)

大倉山3丁目にある横浜市立大綱中学校(生出宏校長)は、先週(2022年)3月4日(金)、3年生に在学している生徒約280人と教職員らによる初の「キャンプファイヤー」を実施。

学校周辺に生徒手作りの貼り紙をおこない、キャンプファイヤーの実施を地域に事前告知していた

学校周辺に生徒手作りの貼り紙をおこない、キャンプファイヤーの実施を地域に事前告知していた

夜空に向けて炎を上げるキャンプファイヤーを点火し、ほぼ火が消える間の約3時間にわたり、新型コロナ禍でなかなかおこなうことができなかったという、最終学年らしい「最高の想い出」づくりを試みました。

港北消防署の吉田崇署長や消防署員、港北消防団第3分団の吉田亙分団長、第4班の団員が来訪し万が一に備えていた

港北消防署の吉田崇署長や消防署員、港北消防団第3分団の吉田亙分団長、第4班の団員が来訪し万が一に備えていた

本来、2学年でキャンプファイヤーを実施する予定だったという自然教室が、新型コロナウイルス感染症の拡大により中止に。

3学年で最大のイベントとなる広島への修学旅行も、5月以降、8月、そして2月に延期しようと計画したものの、いずれもコロナ禍により中止にせざるを得ない状況だったことから、卒業期の行事準備委員から組織された約30人の実行委員が中心となって、初となる今回のイベントを企画したものです。

点火したトーチを持った「火の子」が入場

点火したトーチを持った「火の子」が入場

街の明かりも輝く18時すぎの大綱中学校の校庭に集まった生徒と教職員、各家庭1人まで参加が可能だという保護者たちを前にし、点火したトーチを持った「火の子」が入場。

吉田岳雄副校長「火の神」となり、キャンプファイヤーを点火していました。

「キャンプファイヤー」の炎が無事点火していた

「キャンプファイヤー」の炎が無事点火していた

クラス毎の出し物や合唱、ゲームやダンスをおこない、サプライズの打ち上げ花火や、生徒が手作りしたという各教室を彩るステンドグラスの点灯、最後には3年間の想い出を校舎に映し出すスライド動画を眺めながら、キャンプファイヤー終了までの時間を共有していました。

地域の皆さんの多大なるご協力がなければ、実施することはできませんでした」と、同校で10年ものキャリアを重ねた学年主任の林弘幸教諭

卒業する3年生の学年カラーは「青」。「BLUE SPARKLE 青く煌めけ73期 俺達同期でよかったな!」と描かれたステンドグラスが点灯された

卒業する3年生の学年カラーは「青」。「BLUE SPARKLE 青く煌めけ73期 俺達同期でよかったな!」と描かれたステンドグラスが点灯された

同校の卒業生で保護者、同窓会役員も務める市会議員の福地茂さんは、「消防警察との調整のほか、屋外燃焼行為(野焼き)の許可を得るため市環境創造局への書類提出なども必要でした」と、キャンプファイヤーを実施するために各所を奔走したといいます。

この日も、同窓会会長の加藤喜一さんら卒業生らが、所属する港北消防団の団員としても“いざ”という事態に備えて現地に待機し、イベントの進行をバックアップしていました。

サプライズの打ち上げ花火も大倉山の街を彩った

サプライズの打ち上げ花火も大倉山の街を彩った

生徒からは、「火を見ると、テンションが上がる」、「いつもと違う雰囲気の中、ジャンプしながらダンスを踊れたのが楽しかった」といった感想があがり、保護者からも、学校内でおこなわれたキャンプファイヤーの風景をしっかりと目に焼き付けようとする姿が多くみられていました。

燃え残る「キャンプファイヤー」とともに、3年間の想い出を校舎に映し出されたスライドで共有した

燃え残る「キャンプファイヤー」とともに、3年間の想い出を校舎に映し出されたスライドで共有した

最後に上映されたスライド動画は、DVD作品として卒業式の風景も交えて生徒に配布される予定とのことで、「最後まで」想い出を共有しようと奮闘する同校教職員の想いあふれる“サプライズ”演出が語り継がれていくことになりそう。

新型コロナ禍でこれまでの学校行事が軒並み中止やその開催スタイルの変更を「強いられる」中、運営手法や、そのプロセスにおいても、これまでにない斬新な発想や考えを持ち、新時代を切り拓く子どもたちの「心に響く」地域ぐるみでの教育への参画が必要になってきているともいえそうです。

【関連記事】

日本全国から熱視線の「車いすバスケ」古澤選手、“銀メダル”感謝会と区民表彰式(2021年10月18日)※古澤選手は大綱中出身

パトカーからの音声は友だちの声?区内中高生10人が「詐欺撃退」アナウンスに挑戦(2020年10月30日)

無観客の横浜アリーナで悲願の演奏、城郷・篠原・大綱中など5校が交流会(2020年10月8日)

【参考リンク】

横浜市立大綱中学校公式サイト