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小机や新横浜、新羽などの高台やビルから見える大型クレーン群の下で、街の姿を一変させる開発が行われているのをご存じでしょうか。「港北インターチェンジ」の近く、かつて農地が一面に広がっていた都筑区川向(かわむこう)町の広大なエリアでは、大型物流倉庫を中心に、商業施設や公園なども含んだまちづくり計画が進行しています。

「川向町南耕地地区」の位置図(2020年6月18日「横浜市都市計画審議会」での川向町南耕地地区の案件に関する説明スライド資料に施設などの位置案内を加えた)

川向町南耕地地区」と呼ばれるこの場所は、第三京浜道路と首都高速道路「横浜北線・北西線」が交わる「横浜港北ジャンクション(JCT)」の至近に位置し、新横浜元石川線の小机大橋からも近い環境です。

数年前までは、東京ドーム約4.3個分という規模を持つ広大な農業地帯となっていましたが、横浜北線・北西線の開業を機に「土地の有効活用や広域的な産業拠点としての可能性が高まる」(横浜市都市計画マスタープラン都筑区プラン)などとして、市が先導して農地から工業・商業地に転換するための造成工事を開始。

3つの区分に分けて土地利用の方針が決められている(2020年6月18日「横浜市都市計画審議会」での説明スライド資料より)

現在は、倉庫など物流施設の建設を想定した「物流・工業地区(A地区・B地区)」(A地区約9.6ha=ヘクタール、B地区約1.9ha)を中心に、商業施設を含む緑化したオープンスペースなどの「沿道利用地区」(約4.7ha)、“外縁の緩衝帯として周辺市街地と調和する土地利用を誘導する”とのみ位置付け、500平方メートル以下の店舗も建設可能となっている「周辺環境調整地区」(約4.3ha)の3つに分けて土地活用の方針を決定。

いずれの地区もマンションなどの住宅は建てられないことが決められています。

港北JCT至近で建設が進む大和ハウス工業の物流倉庫「DPL横浜港北Ⅰ」(7月6日)

このうち、もっとも小机大橋寄りの鶴見川沿いの「物流・工業地区(A地区)」では、すでに大和ハウス工業が2棟の巨大物流倉庫を建設中です。

小机大橋に近い側の「DPL横浜港北Ⅰ(1)」は、来年2022年3月にも完成予定で、地上6階建てのうち3フロアはセブン&アイ・ホールディングスが借り、2023年春から「イトーヨーカドーネットスーパー新横浜センター(仮)」を開設する予定。

鶴見川を挟んで小机側の川向橋付近から見た「DPL横浜港北Ⅰ」、かなり巨大だ(7月6日)

同センターは、近隣にある「イトーヨーカドー」約30店舗の配送エリアを担当する大型拠点になる計画で、周辺の居住者には配送スピードの面などでメリットをもたらしそうです。

また、緑区鴨居寄り隣接地では、同じく大和ハウス工業が5階建てとなる「DPL横浜港北Ⅱ(2)」の建設を今年5月から始めており、こちらは2022年10月に完成する予定としています。

北西線側から見た物流倉庫の外観パース、左が6階建ての「DPL横浜港北Ⅰ」、右が5階建ての「DPL横浜港北Ⅱ」(大和ハウス工業のニュースリリースより)

2021年7月現在、大和ハウス工業の倉庫2棟以外は計画が明らかになっていませんが、両倉庫だけでも東京ドーム約1.8個分という広さを持っており、1000人規模の人が新たに勤務する可能性があります。

今後、都筑区東方(ひがしがた)町寄りでは、2棟とは別に物流・工業関係施設としての活用に加え、商業施設や店舗、公園などの整備も想定されていることから、数年間で港北JCT周辺の風景は、大きく変わることになりそうです。

【関連記事】

港北IC近くの「大型物流倉庫」、11月までに2棟が完成し一部は稼働(2022年10月31日、倉庫の内部など)リンク追記

港北IC付近に新たな「商業エリア」、ラーメン店やプロ向けホームセンター(2022年4月22日、その後の状況)リンク追記

新横浜駅から3キロ「港北JCT」に大型の物流倉庫、500人の雇用想定した設備(2020年7月14日、大和ハウス工業による1棟目の倉庫について)

【参考リンク】

川向町南耕地地区について(横浜市都市整備局)

グループのラストワンマイル施策を推進 ネットスーパーの大型センターを新横浜に開設(株式会社セブン&アイ・ホールディングス、2021年7月2日、大和ハウス工業による1棟目の倉庫内)

大型マルチテナント型物流施設「DPL新横浜Ⅱ」着工(大和ハウス工業株式会社、2021年6月1日、2棟目の倉庫について)