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独立行政法人鉄道・運輸機構(横浜市中区)は、昨年(2020年)2月に貫通し、現在は軌道(レール)の敷設工事などを行っている「羽沢トンネル」(新横浜駅~羽沢横浜国大駅、約3500メートル)について、トンネルの底部と「道床」(線路を敷くコンクリート部分)のずれを防止する鉄筋の一部で、施工不良の可能性があったことを今月(2021年)6月25日付けで公表しました。

羽沢トンネルの断面図(上)、「道床」と「ジベル筋」の位置図(鉄道・運輸機構の発表資料より)

丸い形に掘られた同トンネルの底部は、「インバートコンクリート」と呼ばれるコンクリートで平らにしており、この上にレールと枕木を固定する「道床コンクリート」を敷くことになっています。

鉄道・運輸機構によると、インバートコンクリートと道床コンクリートのずれを防止する「ジベル筋」と呼ばれる“逆U字状”の小さな鉄筋について、一部が破損していた可能性があると国土交通省から指摘を受け、工事の一部を止めて調査を行っていました。

ただ、羽沢トンネルでは、すでに「上り線」が1680メートル、「下り線」は1800メートルにわたって道床コンクリートを敷き終わっているため、コンクリートのなかにある「ジベル筋」の状況は目視で確認できない状態です。

「道床」を敷いた後(写真下)では「ジベル筋」はコンクリートに埋まって目視では確認できなくなっている(鉄道・運輸機構の発表資料より)

そのため、鉄道・運輸機構は、工事関係者からの聞き取りや書面などによる調査を実施。同区間に6974本あった「ジベル筋」のうち、破損していた400本を補修していたことが確認できたものの、未補修のまま破損の放置があったのかどうかはわからないといいます。

鉄道・運輸機構では、「一部箇所でのジベル筋の破損が、即座に道床コンクリートのずれを発生しやすくするものではない」との見方を示す一方、今後は専門家の意見を聞きながら具体的な補修対策を検討していく考えです。

【関連記事】

「相鉄・東急直通線」の工事が進展、羽沢トンネルがまもなく新横浜駅へ(2020年2月12日、昨年2月に貫通している)

<相鉄・東急直通線>掘削機による地下での「トンネル掘削」を終える(2021年5月6日、トンネルの掘削工事はほぼ終えている)

【参考リンク】

神奈川東部方面線 相鉄・東急直通線 羽沢トンネル内の軌道敷設工事の現地調査結果と対応についてPDF、鉄道・運輸機構、2021年6月25日)

羽沢トンネル工事の進捗状況(鉄道・運輸機構)

軌道関係工事(相鉄・東急直通線)の進捗状況(鉄道・運輸機構、羽沢トンネル内での「道床コンクリート打設完了」の写真も)