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医療崩壊が目前に迫っている――。きのう(2020年)12月9日、神奈川県の医師会県民向けに緊急提言を発表しています。【2020年12月10日0:17記事公開】

県内の病院で勤務する3348人の医師と5736人の開業医(2020年4月1日時点)で構成される公益社団法人神奈川県医師会(横浜市中区富士見町、菊岡正和会長)は、きのう12月9日に県民向けの緊急提言を公式サイトで発表しました。

神奈川県医師会が12月9日に発表した「県民の皆様へ 緊急提言」(同医師会公式サイトより)

これによると、県発表の病床利用率は、最大確保病床である「200」を分母にしていることから「現実味のない数字で、現場の感覚とは大きなずれがあります」とし、直ちに稼働できる即応病床87床を分母とした場合は「病床利用率は70%を超えて病床を確保するのが困難な状況」であると指摘。

国の外出自粛要請や風評被害による受診抑制などで医療機関が大幅な減収に陥っているなか、国や県からも補てんが受けられず、「過重労働に耐えて働いている方たちの賞与も満足に払えない所もあり、経済的にも非常に苦しい状態で、医療崩壊が目前に迫って来ています」と訴えます。

一方、先月11月から新型コロナウイルスの感染者が急増する“第3波”が続いていることに対し、軽症や無症状が多い若年層に自粛を求めることについては「学業が続けられなくなったり、職や職場を失う可能性があることを考えると、非常事態宣言など強制力を持った自粛要請は悩むところ」と吐露しています。

そのうえで、「今、喫緊に必要なことは新規患者を減らすことにつきます。GO TOキャンペーンは即刻中止、移動を極力抑えるための不要不急の外出自粛、生活の場での『三密回避』を厳守した行動を2週間、皆で徹底することを提案し、2週間後を期待します」と締めくくっています。

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<感染者>港北区が2週最多、都筑区も連続40人超で医療崩壊の懸念も(12/10分)(横浜日吉新聞、2020年12月11日)※リンク追記

【参考リンク】

神奈川県医師会「県民の皆様へ 緊急提言」(2020年12月9日発表)