中学生に薦めたいのはどんな本?40周年を迎えた図書館と区役所から、市内小中学校に「読書の秋」らしいプレゼントが贈られました。
横浜市港北区役所(大豆戸町)と港北図書館(同)は、先週(2020年)10月30日に、小机町にある城郷中で、同図書館の司書が選んだ「おすすめ本紹介カード」と、添付用の「メッセージボード」を贈呈。
先月10月20日、新吉田第二小学校(新吉田町)での「小学生」に向けての贈呈に続き、「中学生」に向けての贈呈式を行いました。
同中学校には、港北区の栗田るみ区長や港北図書館の青木邦男館長らが来訪、12時30分からの全校朝礼の時間に、放送室から全校生徒に向けて、青石哲也校長が、読書活動の推進のために区長らが来訪、メッセージボードの寄贈を受けることになったことを説明します。
次いで栗田区長があいさつ。新型コロナウイルスの学校生活への影響について言及し、「コロナの影響で部屋にいる時間が長くなっているのではないでしょうか。読書の秋を楽しんでもらうために、港北図書館の司書の方がすすめる本と、おすすめ本を記したメッセージボードをプレゼントすることになりました」と、全中学校を代表して城郷中に来訪したと伝えます。
同図書館の司書・櫻井美子さんは、「本は楽しみや知識を与えてくれるだけでなく、時に皆さんの心に寄り添ってくれます。もし皆さんが今何か悩みや不安を抱えている際に、本の中に解決の糸口を探してみてもいいかもしれません。今回はそんな(皆さんの心に寄り添う)2冊の本を紹介します」と、「学校に行きたくない君へ」と「アルジャーノンに花束を」を手にとり、それぞれの魅力について説明していました。
栗田区長から、港北図書館のキャラクター「としょんぼ・てんてん・カブック」や、港北区ミズキーのイラストが描かれたメッセージボードが、17人の図書委員を代表し、委員長の金子幹汰さん、副委員長の八嶋龍聖さんに放送中に手渡されていました。
金子さんは、「図書委員会を通して、本の大切さや本のことで友だちと話す楽しさを知りました。これから先もこの楽しさを忘れずにいきたい」と、図書委員の楽しさ、そして本を通じた友だちとの交流の大切さをを伝えることでの“感謝”の想いを示していました。
図書委員会担当の野田奈緒子教諭は、「港北図書館とのこれまでこういった交流はなかったので嬉しい。図書委員は週1回の活動になりますが、本や委員会が大好きなのか、(みんな)毎日図書室に来ていますね」と、区長や青木館長の来訪を喜び、生徒らの日頃の様子について説明します。
同担当の片山淳也教諭も、「今回の寄贈で、図書室にスポットライトが当たったことを嬉しく感じます。生徒たちには図書室にもっと親しんでもらえれば」と、“居場所”としての図書室の存在、そして“学年を超えた”図書委員の活動の大切さを日々感じているとのこと。
「想定していないように進むのが読書の楽しさ」と、八嶋さんが語るように、これからやってくるかもしれない人生の荒波、そして苦しみといった障壁を乗り越えていくための「ヒント」、そして、それを分かち合う「仲間たちとの交流」の大切さが、学校図書室にはあふれているのかもしれません。
区内全校の小・中学校に、同日までに、メッセージボードと、メッセージボードに掲示できる「おすすめ本紹介カード」、そしておすすめ本がそれぞれ届けられたとのことです。
(中学生のみなさんへ~櫻井司書のおすすめ本ポイント)
「学校に行きたくない君へ」: ぜひ学校に行きたい、大好きな人にも読んでもらいたい一冊。有名人の方が登場して、自分の人生観や半生について対談形式で語っている本。様々な分野で活躍している方々が登場しますが、そういう方々も悩みを抱えていたりとか、試行錯誤しながら一歩ずつ前に進んでいるということが分かると、皆さんの悩みやもやもやした気持ちも楽になるかもしれません。好きなところだけでも読んでみてください。
「アルジャーノンに花束を」:5年ほど前にドラマ化されたので知っている人も多いかも。大変なロングセラーの本なので、お父さん、お母さんの世代の皆さんも読んでいるかも。主人公が苦悩や不安を抱きながらも、過去の自分、未来の自分と向き合いながら、一歩ずつ先に進んでいくお話です。
【関連記事】
・「おすすめ本」紹介メッセージボード、港北図書館が区内の公立小中学校へ贈呈(横浜日吉新聞、2020年10月27日)
【参考リンク】
・港北区内全公立小中学校へおすすめ本等の紹介メッセージボードを贈呈します。(港北区記者発表資料)