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港北区と創業半世紀超の港北企業がタッグを組み、災害時の避難所に必要な段ボールを迅速に確保する取り組みをスタートすることになりました。

ニッパ株式会社で行われた協定の締結後に。同社代表取締役CEOの秋本りつ子さん(左)、港北区の栗田るみ区長(港北区役所提供)

ニッパ株式会社で行われた協定の締結後に。同社代表取締役CEOの秋本りつ子さん(左)、港北区の栗田るみ区長(港北区役所提供)

横浜市港北区役所(大豆戸町)は、今週(2020年)9月14日に、1961(昭和36)年創業、紙製品や容器の製造・販売を行う老舗メーカー・ニッパ株式会社(新羽町)と「災害時における段ボール製品の調達に関する協定」を初めて締結。

地震や台風などの災害が発生した際、また発生することが予想される場合に、区からの要請により、避難所の運営に必要な段ボール製品を同社が配送、避難者の居場所を設営する際の間仕切りや、防寒・ストレスの軽減を目的とした段ボール製シートとして活用することになりました。

1961(昭和36)年創業のニッパ株式会社(写真・リンクは公式サイト)は、紙製品や容器の製造・販売を行う老舗メーカーとして半世紀超の歴史を紡いてきた

1961(昭和36)年創業のニッパ株式会社(写真・リンクは公式サイト)は、紙製品や容器の製造・販売を行う老舗メーカーとして半世紀超の歴史を紡いてきた

今年2月以降の新型コロナウイルスの感染拡大、また全国各地での豪雨災害の頻発もあり、「7月くらいから本格的な台風シーズンの前にも協定を結べないかと区役所側から打診を行いました」と、同区役所で防災を担当する竹下幸紀総務課長

区内企業で、段ボールの供給体制が整っていること、また地域に精通した社員・スタッフが配送まで行う「地場企業」ならではの強みを活かすことができることもあり、同社との複数回の打ち合わせや折衝を経て、今回の協定締結に至ったとその経緯を説明します。

新型コロナウイルス感染拡大を受け、全国各地の避難所での感染者受入れ対策なども情報として入ってきているなか、「特に段ボールのある意味“廃棄”が可能な点、可燃ごみであること、また加工をしやすいという点にも注目しました」と竹下課長。

港北区役所で行われた設置シュミレーション時に撮影。「高さは最低限、飛沫感染のリスクやプライバシーから避難者を守り、また冬のあたたかさも確保するようにしました」と竹下課長(港北区役所提供)

港北区役所で行われた設置シュミレーション時に撮影。「高さは最低限、飛沫感染のリスクやプライバシーから避難者を守り、また冬のあたたかさも確保するようにしました」と竹下課長(港北区役所提供)

地震発災時のみで28カ所もの地域防災拠点がある区の広さも考慮しての締結。「地元企業ならではの距離感で、迅速に対応いただけることも強みと感じています。実際に災害などが発生、もしくは災害に備えての配送後に費用を自治体が負担するというしくみについて了解を得られたことについても感謝しています」と、発災時、そして事後の対応についても同社からの理解を得られたと竹下課長は語ります。

同社を訪れた栗田るみ港北区長とともに協定書へのサインを行った同社代表取締役CEOの秋本りつ子さんは、「かつて“暴れ川”といわれた鶴見川の氾濫をこの街で経験し、水浸しになったこともありました。このところの全国各地での風水害の発生で、何かお役に立てればとの想いを抱いていました」と、1989(平成元)年の社長就任以降、発生した阪神・淡路大震災(1995年)や新潟県中越沖地震(2004年)、そして東日本大震災(2011年)でも段ボールを物資として供給する協力を行ってきたという同社のこれまでの足跡についても振り返ります。

新羽町にある同社から、港北区内の28カ所の地域防災拠点(地震発生時)や、風水害発生時に設置される避難所にも段ボールが配送される予定(4月撮影)

新羽町にある同社から、港北区内の28カ所の地域防災拠点(地震発生時)や、風水害発生時に設置される避難所にも段ボールが配送される予定(4月撮影)

準備をせずに大惨事になるよりは、被害を減らすための有事への備えの大事さも感じています」と、今回の締結に至った“自社便”での配達・出動についても、大型災害の実際の発生の有無にかかわらず、区役所からの要請があり次第、迅速な段ボールのの供給を行っていきたいとのこと。

2018(平成30)年度には、横浜市が独自に認定する「横浜型地域貢献企業支援事業」として、10年表彰を受けたという実績も誇る同社と、区との新たなコラボレーション。

「コロナ禍」や、昨年(2019年)10月の台風19号の発生など、災害の頻発で大きな不安に駆られる地域社会の人々にも、安心感と「新たな勇気」を与える一つの事例となりそうです。

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箕輪町発祥の企業が「コロナ対策」避難所セット寄贈、日吉の訓練で披露も(横浜日吉新聞、2020年8月12日)※新羽町に事務所や工場などを構える株式会社バネックスが寄贈

【参考リンク】

ニッパ株式会社と港北区役所は「災害時における段ボール製品の調達に関する協定」を締結しました(横浜市港北区記者発表資料)

ニッパ株式会社公式サイト

経営者インタビュー「ニッパ株式会社」(横浜市経済局)