2023年3月までに相鉄・東急直通線でつながる日吉・綱島・新横浜エリアでは、“環境”や“花と緑”を意識したまちづくりが行われることになりそうです。横浜市は今後4年間の重点政策をまとめた「中期4か年計画2018~2021」の素案を公表し、今月(2018年5月)14日(月)から来月22日(金)まで市民意見を受け付けます。
この中期4か年計画では、「人口減少社会の到来や超高齢社会の進展などの直面する課題を乗り越え、都市の持続的な成長・発展を実現するため」として、6つの戦略を設定。
注目は2つ目の「花と緑にあふれる環境先進都市」と、4つ目にある「人が、企業が集い躍動するまちづくり」で、どちらも港北区や日吉・綱島・新横浜エリアが関わっています。
“花と緑にあふれる環境先進都市”の戦略では、「豊かな自然環境と暮らしが共存する都市づくり」の一例として、2013年に綱島エリアから始まり、区内全域へと広がりつつある「港北オープンガーデン」の取り組みを紹介。
個人宅の庭や公共の場所にある花壇などを公開する港北オープンガーデンは、現在開催中の今年(2018年)も含めて年々参加者が増加。
「企画や、当日の案内所運営のボランティアなど、多くの方々に支えられながら、区民が主役となる、より地域に根差したイベントを目指して、運営を行っており、毎年楽しみにしてくださる見学者も増えています」として、市内の先進的な事例として取り上げました。
新横浜都心と日吉・綱島で「環境モデルゾーン」
環境先進都市の部分では、「地球温暖化対策・エネルギー施策の大都市モデルの創造」の一例として、「新横浜都心、日吉・綱島地区を中心とした環境モデルゾーン」を紹介しています。
これは、今年3月にまちびらきした「綱島SST(Tsunashimaサスティナブル・スマートタウン)」に象徴されるように、日吉・綱島と新横浜の周辺エリアに関係する“環境面で意欲的な企業や大学”を集め、「環境モデルゾーン」としての取り組みを行うもの。
市は環境モデルゾーンの推進に向け、今年3月に「スマートゾーンアライアンス」を発足しています。
東急電鉄やパナソニック、野村不動産といった大手をはじめ、新横浜に本社を置くマクニカや横浜環境デザインなど、港北区と何らかの関わりを持つ企業が集まり、第1回の会合を開いています。
今後、環境モデルゾーンとして、消費電力のすべてを再生可能エネルギーで調達することを目標とする国際イニシアティブ「RE100(Renewable Energy 100%)」への加盟を目指すことも明かしました。
羽沢~日吉間の“直通線沿線”で魅力を高める
一方、4つ目の戦略として掲げる「人が、企業が集い躍動するまちづくり」では、“魅力と活力あふれる都心部の機能強化”の一つとして、相鉄・東急直通線で結ばれることになる“新横浜都心部”と日吉・綱島では、沿線の魅力を高めるまちづくりを進める方針です。
具体的には、神奈川区内に設けられる羽沢横浜国大駅の周辺も含めた新横浜都心部で、「商業・業務機能の集積や、市街地開発により都心機能の強化を推進する」とし、羽沢横浜国大駅での土地区画整理事業と、新横浜駅南部地区(駅篠原口側)のまちづくりを推進するとしています。
また、新横浜都心と直結することとなる日吉・綱島地区では、「新綱島駅周辺での市街地開発など、地区のポテンシャルをいかすまちづくりを進めます」と表明しました。
今回素案が公表された中期4か年計画には、“具体的に何をするか”までの詳細は記載されていませんが、「今後何をしていくか」はこの方針や戦略に沿って決められます。花や緑も含めた「環境」というキーワードは、新横浜や日吉・綱島周辺で行われるまちづくりで常に意識されることになりそうです。
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・<港北オープンガーデン2018>最多の87会場、菊名桜山公園など11会場が初参加(2018年4月9日、“花と緑にあふれる環境先進都市”の先進事例として紹介)
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【参考リンク】
・新たな中期計画を策定します「横浜市中期4か年計画2018~2021(素案)」(2018年5月14日から6月22日までパブリックコメントを実施)