鶴見川沿いの新羽町や北新横浜町の地上と地下、大豆戸(まめど)町と菊名4~7丁目では地下深くで着々と工事が進む「横浜環状北線」。いよいよ来年(2017年)3月に開通することが決まりました。どのような道路になるのでしょうか。そのルートや基本的な内容をまとめました。
この横浜環状北線は、通称「横浜北線」や「きたせん」と呼ばれ、開通後は「高速神奈川7号横浜北線」が正式名称となります。東京都内と保土ヶ谷区を結ぶ「第三京浜道路」の港北インターチェンジ(都筑区川向町)から、首都高速「横羽線」の生麦ジャンクション(鶴見区生麦2丁目)に至る約8.2キロを結ぶ高速道路で、途中に「新横浜」「馬場」「岸谷生麦」の3つの出入口が設けられます。
運営は首都高速道路株式会社によって行われますが、通行料金などの詳細はまだ発表されていません。1日に4万から5万4000台の通行量が見込まれています。
港北インターチェンジから日産スタジアムに近い新羽町付近までの約1キロは、鶴見川沿いに高架道路となっていますが、亀甲橋(亀の子橋)近くに設けられる「新横浜出入口」付近から地下にもぐり、上下2車線のトンネル2本から成る「横浜北トンネル」(5.9キロ)という1つの長いトンネルとなって神奈川区子安台へと向かいます。
大豆戸町や港北図書館の地下をトンネルで貫く
地下に潜った北横浜トンネルは、どのように進んでいくのでしょうか。港北区内を中心に追ってみましょう。
亀甲橋付近で地下にもぐった横浜北線は、「新横浜換気所」が設けられた新横浜大橋付近ではすでに地下23メートルに達し、さらに2メートルほどもぐって鶴見川を超えます。大豆戸町に入ると、大豆戸小学校では地下30メートルに達し、港北スポーツセンターと旧「港北警察署」付近の地底を通り、31メートルの深さで環状2号線を越えます。
エネオスのガソリンスタンド「新横浜東SS」付近から大豆戸町の住宅街に突入。東海道新幹線の高架下を地下30メートルでくぐり、菊名7丁目に入ります。大豆戸地域ケアプラザや高木学園女子高校の地下30~31メートルを走り、綱島街道を超えると、菊名6丁目の港北図書館・菊名地区センターの地下へ。
菊名小学校のグラウンドでは地下49メートルに達し、菊名5丁目の住宅街に至ります。
ここから「馬場出入口」に通ずるトンネルが分岐。菊名4丁目の法隆寺付近を通り、法隆寺交差点近くに設けられる鶴見区馬場の馬場出入口に達します。
その後、道路は神奈川区西寺尾、神之木台、子安台の地下を通過。鶴見区岸谷で地上に出て、JR東海道線や京浜急行線を高架で越え、そのまま横羽線の生麦ジャンクションに至る約8.2キロのルートとなっています。
開通後は新横浜から羽田空港へは30分に短縮
横浜北線は、港北区内を含めて約7割の区間が地下深くを通る“トンネル道路”となっているため、たとえ港北図書館などへ行ったとしても、足の下で大工事が行われていたことに気付いた人はほとんどいないのではないでしょうか。
そんな地下高速道路の役割は大きく、第三京浜道路と横羽線が繋がることで、羽田空港や東京湾岸部へのアクセスが大幅に改善される予定です。
たとえば、新横浜から羽田空港へ向かう場合、現在は横浜駅近くを通る首都高「2号三ツ沢線」を経由するため、平均で約40分近くかかりますが、横浜北線の開通後は新横浜出入口から北線に乗り、生麦ジャンクションで首都高「5号大黒線」に接続し、その先で「湾岸線」につながるため、約10分間の短縮ができるといいます。
また、横浜北線を利用する車が増えることで、周辺道路の渋滞緩和も期待されており、港北区内では環状2号線と綱島街道が交わる大豆戸交差点周辺での混雑が緩和するとみられています。
相鉄・東急直通線の開通が大幅に遅れるという残念なニュースがありましたが、自動車交通網の整備は今のところ順調に進んでいるのは、嬉しいことと言えそうです。
【関連記事】
・「環状北線」の開通は2017年3月、記念イベント実施を横浜市長が表明(2016年9月11日)
・高田駅前に200mだけの立派な道路、実は新横浜と都内をつなぐ壮大計画の第一歩(2016年7月15日「横浜日吉新聞」、宮内新横浜線の整備について)
【参考リンク】
・「きたせん」の公式サイト(首都高速道路)
・横浜北線(横羽線~第三京浜)が2017年3月に開通します(首都高速道路)