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今年(2017年)3月に開通した首都高速道路「横浜北線(通称:きたせん)」(約8.2km)で今も工事が進む「馬場出入口」(鶴見区上の宮=法隆寺交差点近く)の周辺部で、地盤沈下の被害が起きていることについて、国は最大で13.7センチメートルの沈下を計測し、先月(2017年10月)までに21件の補修工事を行っていることを明らかにしました。

グーグルストリートビュー上で2015年4月(下)と2016年5月(上)の馬場出入口周辺の画像を見比べると、横浜線の築堤に亀裂らしきものを補修した跡が確認できる

これは衆議院議員の宮本徹氏(日本共産党=比例東京ブロック)が今月11日に提出した「東京外かく環状道路に関する質問主意書」のなかで、きたせんの馬場出入口工事に起因する地盤沈下についても内閣宛てに質問。同17日付で安倍晋三内閣総理大臣名で答弁書が衆議院宛てに送付されたものです。質問主意書は、衆参の国会議員が内閣に対し文章で質問を行い、内閣がそれに文章で答弁するもの。

宮本衆院議員の質問主意書では、馬場出入口の工事での地盤沈下について、現時点での最大沈下量や家屋被害などが確認された件数を明らかにするよう求めています。

これに対し答弁書は、「お尋ねの『家屋被害等』及び『被害家屋等』の意味するところが必ずしも明らかではないが」として、被害の規模については回答しなかったものの、「首都高速道路株式会社が、当該工事の現場から百数十メートル離れた場所において、最大で13.7センチメートルの沈下を計測しており、平成29年10月までに、当該場所の周辺において21件の補修工事を実施したと同社から(国土交通省が)報告を受けている」と答えました。

なお、馬場出入口の開通が遅れているのは、接続する都市計画道路「大田神奈川線」の法隆寺交差点から内路交差点までの区間で工事が終わっていないことなどが理由とされています。2019年度(2020年3月末まで)の供用(使用)開始を目指すスケジュールで現在も工事が進められているだけに、地盤沈下被害の影響が懸念されるところです。

【関連記事】

きたせん「馬場出入口」工事に密着、NHK“仕事の流儀”は9/28(木)深夜に再放送(2017年9月27日、馬場出入口のトンネルは難工事とされドキュメントでも放送された)

「きたせん」はきょう3/18(土)16時に開通、新横浜から空港中央まで990円(2017年3月18日)

【参考リンク】

衆議院議員宮本徹君提出東京外かく環状道路に関する質問に対する答弁書(2017年11月17日、衆議院、※「六について」で回答)

「馬場地区工事」のお知らせ(首都高速道路「きたせん」サイト)

馬場出入口トンネル工事における家屋補償に関する相談窓口を開設しましたPDF、2017年8月28日、首都高速道路「きたせん」サイト)