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1967年に港北警察署が創設されてから50周年。2010年に現在の2代目庁舎(大豆戸町:写真)に移転した

1967年に港北警察署が創設されてから50周年。2010年に現在の2代目庁舎(大豆戸町:写真)に移転した

港北警察署が半世紀の歴史を越え、新たな時代に突入しました。1967年4月に創設し、今年(2017年)4月に50周年を迎えたことを祝う記念式典が、きのう(2017年)8月24日夜に新横浜グレイスホテル(新横浜3)にて開催されました。

この日は歴代港北警察署長警察や防犯などの関係団体港北区長港北消防署長自治会町内会の関係者らが集い、半世紀の歴史の中で職務に邁進してきた警察署員や、連携して活動してきた区民の活動を労いました。

港北警察署が設立された頃はまだ港北区は現在の緑区・青葉区・都筑区エリアが分区される前。当時港北区の治安維持を担っていた旧川和警察署(現在は移転し緑警察署)と当時の港北区の管轄を東西エリア分ける目的で誕しました。

第38代目の港北警察署長となる牧署長があいさつ

第38代目の港北警察署長となる牧署長があいさつ

式典では、港北警察署の牧智明署長がまずあいさつ。「この港北署では、署訓として、“明るく、輪をもって”、“職務は誠実に”という2つの教えを脈々とつないできました。世の中がどんなに変貌しても、社会の正義実現のため、“崇高な使命感”を持ち、それがブレていないようにと肝に銘じています」と、昨今激増している振り込め詐欺や、2019年に迫るラグビーワールドカップ、2020年東京オリンピック・パラリンピックのテロ対策など喫緊の課題として“一生懸命汗をかいていく所存”と、半世紀の歴史の節目の心境を語ります。

その後、式典の実行委員長として、同署警察官友の会の高木幹夫会長、来賓として横山日出夫港北区長、関係団体代表として、港北交通安全協会の嶋村公(ただし)会長港北安全運転管理者会の安齊博仁会長港北防犯協会の川島武俊会長港北企業防犯協会の篠沢秀夫会長港北青少年交通安全連絡協議会の峪(さこ)文隆会長港北区暴力団追放推進協議会会長らが次々とあいさつ。

港北区の警察、消防、そして行政の連携、そして市民の防犯への協力は18区で一番ではないか、と感謝の気持ちを述べる横山港北区長

港北区の警察、消防、そして行政の連携、そして市民の防犯への協力は18区で一番ではないか、と感謝の気持ちを述べる横山港北区長

特に行政の代表として駆け付けた横山港北区長は、日夜、職務に励む警察署員を激励。港北署が出来た当時は4つの区が一緒だった頃で、年2万人も人口増加をしてきたと半世紀の変遷を振り返り、「(当時は4区エリア合算でも20数万人の人口だったが)現在は約35万人、全国最多の人口を抱える行政区として港北区は発展しました。これから先のワールドカップ、オリンピックで港北区には世界中から人が集まる」と、より拡大を続け、世界的イベントを控えた港北警察署が取り組むべき課題の大きさに言及します。

少子高齢化や単身世帯の増加、コミュニティーの希薄化、児童虐待や高齢者の徘徊、孤独死の増加といった今後の日本を待ち構えている大きな福祉課題についても、「(それぞれの問題を解決するには)警察の力がなければ成り立たない署員の皆さんが振り込め詐欺の問題でも、自治会・町内会や高齢者宅をくまなく廻るなど地域と密着した地道な活動を行ってくれるのが素晴らしい」と、これからも、警察や消防、行政が強く連携し、関係団体や自治会・町内会と区を挙げての協力体制を作り、次世代に引き継ぐ必要性や、「犯罪のない、交通事故のない港北区の実現」に向け、多く区民の支援をお願いしたいと力を込めて語ります。

第32代目となる瀧口操元港北署長が出席した8人の元署長を代表してあいさつ。新庁舎に移転するためにがんばったのに異動になってしまったとのエピソードも

第32代目となる瀧口操元港北署長が出席した8人の元署長を代表してあいさつ。新庁舎に移転するためにがんばったのに異動になってしまったとのエピソードも

全国でも稀(まれ)な民間主導で防犯カメラ設置を推進する団体・港北安心・安全コミュニティー創生協議会でも会長も務める企業防犯協会の篠沢会長は、「署員の方々が地域住民の安全・安心は絶対に守り抜こうという強い信念を持ち、昼夜を問わず見守り続けてくれていることに感謝したい」と、警察活動の原点は「強さ」「優しさ」ではないか、と表現しつつ、日々の職務に励む署員を激励。

「今後も区民一人一人に向き合い、常にわれわれの心のよりどころとしての“優しさ”を持った港北警察署の発展を応援していきたい」との祝辞を述べました。

懐かしい初代「港北警察署」の写真スライドも。初代署長以下194名でスタートした港北署も、現在は倍の規模に

懐かしい初代「港北警察署」の写真スライドも。初代署長以下194名でスタートした港北署も、現在は倍の規模に

港北署が出来た当時は、東海道新幹線が開業・第三京浜が開通してから間もない、いわゆる「高度成長期」まっただ中の時代。出席した歴代8名の署長のあいさつや、これまでの変遷を伝える港北署制作のスライド上映の中でも、旧庁舎時代や2010年に現在地に移転する前後の状況など、これまで半世紀にわたる港北区の歩み、その中で日々職務に励んできた署員のエピソードの数々が披露され、会場からは大きな拍手や笑いが起こっていました。

式典後の祝賀会では、これから先、年々目白押しとなる国際大会などの一大イベントに備える活動に向けての新たな決意を、地区の代表として参加している区内の自治会・町内会や、防犯団体の関係者らが共有するシーンも。

各関連団体の代表や連合自治会・町内会の代表らが一同に会し、半世紀にわたる歴史を振り返りながら50周年を祝った

各関連団体の代表や連合自治会・町内会の代表らが一同に会し、半世紀にわたる歴史を振り返りながら50周年を祝った

ここまで地域と行政、警察が一体となり、協力しあっている区は、同じ横浜市内でもないのではないか」(横山港北区長)というほどの「強い連携」があってこその区民の日々の平和と安全を、これからもどのように“次世代に継承”していくことができるのか。

この先の半世紀の時代を見据え、多くの人々が「一度きり」の人生を、日々安心・安全に過ごしていくためにも、警察の努力はもちろん、関係団体、区民といった一人ひとりが「地域の防犯活動」に参加し、まずは、身近な周囲の地域コミュニティーを深めていくことが、より必要になっていくのかもしれません。

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【参考記事】

50年前の港北区小学生向け資料集を発見、巨大な区の姿や高度成長期の変化に注目(2017年2月19日)※リンク先の「わたしたちの港北区」1969(昭和44)年版には警察署についての記述も

【参考リンク】

神奈川県港北警察署のサイト

港北警察署の沿革(同署サイト)