「かもめ~る」はオレオレ詐欺防止の切り札になるのでしょうか。今年(2017年)6月末までの港北区内でのオレオレ詐欺などの特殊詐欺発生件数は、昨年(2016年は21件)の倍のペースの計43件。これを防止しようと、郵便局が夏時期に発行するくじ付きはがき「かもめ~る」に詐欺防止のメッセージを印刷し郵送することを発案。区内の企業・団体に呼び掛け、15の企業・団体がこのはがきを寄付することで協力することになったことから、港北警察署(大豆戸町)にて「かもめーる」の受領・配送式が(2017年7月)25日午後に行われました。
今回、はがき贈呈の協賛を行ったのは、港北区宅地建物取引業防犯協会、綱島商店街連合会など区内の計15企業・団体(下記参照)。合計7500枚のうち、特に被害の多さが懸念される港北郵便局(菊名6)管内の菊名4、6、7丁目で3500枚、綱島郵便局(綱島台)管内の日吉本町4、5丁目で4000枚が今週中にも投函される予定です。
「かもめ~る」などのはがきを使ったオレオレ詐欺の啓発活動を港北区で実施するのはこれが初めて。この日の贈呈式には、贈呈する側の代表として、綱島商店街連合会の中森伸明会長、みなと交通安全株式会社(大倉山6)の土橋健児代表取締役の2名が出席。贈呈される側は港北郵便局の藤田操局長、綱島郵便局の朝倉敏文局長ら7名が出席しました。
はがきの受け渡しを行った港北警察署の牧智明署長は、「警察署員も、地域に出向いて啓発活動を行っていますが、なかなか被害は減らない。“騙(だま)されないための気付き”を、長くお持ちいただけることが期待される<かもめ~る>はがきで得てもらいたい」と、今回の試みを通じて、1件でも多くオレオレ詐欺の被害を減らしたいと語ります。
はがきを受け取った港北郵便局の藤田局長は、「企業(団体)、警察、そして私たち郵便局も含めた地域が三位(さんみ)一体となった施策は素晴らしいと感じています。今はスマートフォンが普及し、はがきの販売枚数は減少傾向にありますが、手紙文化を伝える試みなども郵便局では行っています。元々企業様を主たる購買層として<かもめ~る>を商品化したという歴史もあり、今回は多く企業・団体様に提案を快諾いただくことができました。これからも様々なかたちで地域貢献をしていきたい」と、今後の決意を語ります。
はがきが届けば、被害を防げるかは未知数ですが、少なくともくじが付いているはがきを即捨てる人は少ないとも考えられます。15企業・団体や警察、郵便局の「三者」の想いを乗せた「防犯意識を高める」メッセージが、どこまでしっかりと届くのか。郵便局が主体となった地域防犯活動の一つの新しい「挑戦」とも言えそうです。
協賛企業・団体一覧(リンクは各団体・会社サイト)
<港北郵便局への寄贈分>
・港北区宅地建物取引業防犯協会(港北区宅建防犯協会)
・株式会社ハマツーウェイ(新横浜1)
・株式会社丸晶産業(菊名7)
・有限会社鈴木商事(菊名6)
・みなと交通安全株式会社(大倉山6)
・yh株式会社(新横浜3)
・株式会社ビルコ(新横浜1)
<綱島郵便局への寄贈分>
・夢工房だいあん株式会社(綱島西1)
・株式会社山口工業所(北新横浜1)
・株式会社コスモ(新羽町)
・株式会社マルナカ(新羽町)
・有限会社小林総合カンパニー(新羽町)
・有限会社八洲商事(高田東3)
・株式会社武元興業(新羽町)
※掲載は警察の発表順
【関連記事】
・オレオレや還付金詐欺の拡大阻止へ港北区内の市バスも協力、啓発ポスター掲出(2017年6月19日)
・「見知らぬ2人」の声掛けが詐欺をストップ、駅前ATMでの手柄に感謝状(2017年6月23日)
【参考リンク】
・港北区内の振り込め詐欺発生情報(港北区役所、町名別の具体的な被害状況を速報)