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災害用に横浜市内で初めて公園に設置された「井戸」の水を流す横山港北区長(左)と新横浜町内会の金子会長(右)

災害用に横浜市内で初めて公園に設置された「井戸」の水を流す横山港北区長(左)と新横浜町内会の金子会長(右)

新横浜の公園に設置された災害用トイレに井戸水を――新横浜の住民の願いが行政に届きました。今月(2017年7月)1日、新横浜1丁目公園(新横浜1)に、横浜市内では初めてとなる災害用の「井戸」の完成除幕式が執り行われました。

横浜市では、災害用のトイレは現在、地域の災害発生時の避難拠点となる市内の小学校に「災害時下水直結式仮設トイレ」(通称「ハマッコトイレ」)の設置を進めていますが、この新横浜第1公園には、新横浜町内会から横浜市港北土木事務所「災害時仮設トイレ」を設置することを依頼し、2013年9月に5基設置。排水は下水道から流せるしくみであるものの、「流す水」をどのように供給するのかという点について議論になっていたといいます。

「どの公園でも設置できるものではない。しっかりと管理体制がある自治会でないと将来的にも(設置は)難しい」と港北土木事務所の中田所長も今回の「井戸」の設置が特別なことと新横浜町内会を労(ねぎら)う

「どの公園でも設置できるものではない。しっかりと管理体制がある自治会でないと将来的にも(設置は)難しい」と港北土木事務所の中田所長も今回の「井戸」の設置が特別なことと新横浜町内会を労(ねぎら)う

「水道が止まった場合、鳥山川からポンプ車で川の水を運び給水しようにも、災害時は消防団が駆け付けられない可能性もある」(同町内会)と、横浜市港北区役所や港北土木事務所に井戸の設置を要望し続けてきたとのこと。

井戸は約40メートル掘削し、新設。仮設トイレを設置した時と同様、費用については、新横浜2丁目に場外馬券売場「ウインズ新横浜」を置くJRA(日本中央競馬会=東京都港区)の環境整備事業交付金を使用しています。

この日の序幕式には同町内会の金子清隆会長や、港北区の横山日出夫区長港北土木事務所の中田秀昭所長らが出席。除幕式の後、町内会や地元住民らによる仮設トイレに井戸水を注入する訓練が行われ、実際に井戸から流れる水の行方を確認していました。

除幕式の後、井戸から災害用トイレへ水を流す訓練が行われた。井戸水はトイレ用(飲料水ではない)ので飲むことはできない。井戸は日頃は鍵をかけて管理される

除幕式の後、井戸から災害用トイレへ水を流す訓練が行われた。井戸水はトイレ用(飲料水ではない)ので飲むことはできない。井戸は日頃は鍵をかけて管理される

新横浜には約1万1千人(5月31日現在)の住民のほか、多く企業や商業地、横浜アリーナや日産スタジアムなどの大規模施設も抱えていることから、2011年の東日本大震災時も多く来訪者が公共施設に避難に訪れたといい、「屋内への避難を恐れる人もいるなど、災害時の公園の役割はより大切になる。この井戸水で流せるトイレを新横浜エリアの他の公園にも設置できるように活動していきたい」と、同町内会はより一層の災害対策を進めていく予定です。

【関連記事】

震災時のトイレ問題解決へ、日吉南や駒林、北綱島、綱島東の4小学校に“安心仮設トイレ”(横浜日吉新聞、2016年4月26日)

【参考リンク】

新横浜第一公園で 祝 災害用井戸完成 横浜市で初めて公園に!(神奈川県議会議員 大山奈々子氏の活動日誌)

新横浜第一公園 震災時仮設トイレ設置 地元町内会の働きかけで(タウンニュース港北区版)