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樽町中学校に近く、トレッサ横浜の裏手に位置する師岡町に綱島工場と工場前売店を持っていた株式会社アルベリ(師岡町821)が今月(2017年5月)26日(金)に工場と直売売店を閉鎖しました。

樽町中学校近くにある師岡町のアルベリ綱島工場の売店前では突然の閉店に驚く人が何人も足を止めていた

東京商工リサーチによると、約13億円の負債を抱え事後処理を弁護士に一任したといいます。同社は1923(大正12)年に「全機庵」の屋号で創業し、地元では曹洞宗大本山總持寺(鶴見区)ご用達の和菓子店となり、1951(昭和26)年に有限会社全機庵製菓として法人化。1991年にはアルベリ服部製パンを吸収合併し、堅調な業績とともに事業を拡大していたとのことです。

ただ、「積極的な投資に伴い金融債務が拡大するなか計画通りに業績を伸ばせず、10年9月期以降は売上高10億円を割り込み、不動産売却や店舗統廃合、人員削減など各種リストラ策を講じていた」(東京商工リサーチ)といい、「売上の30~40%を占めていた有名洋菓子メーカーとの取引終了が影響して(平成)28年9月期の売上高は約3億円にまで減少し、資金繰りは急激に悪化。社有不動産の差押などもあり、事業継続を断念した」(同)と分析しています。

工場のいたるところに弁護士名の告知が貼られていた(5月30日)

師岡町にあるアルベリの綱島工場では、「許可なく無断で建物内に入り、又は動産を搬出等する者は、刑法に基づき処罰されることがあります」といった内容の告示が工場周辺のいたるところに貼られ、工場直営店舗のシャッターには「万策尽きて苦渋の選択となりましたことを何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます」などと書かれた弁護士と社長名での5月26日付け文章が貼られていました。

26日金曜日の閉鎖後、週明けの30日(月)は、通りかかった地元住民らが足を止めて工場や店先の掲示文章に見入る様子が目立ち、なかには「えっ、倒産してしまったのか・・・」と驚きの声をあげる人もいました。

(※)横浜日吉新聞の読者の方からの情報提供をきっかけに取材しました。ありがとうございます。

【参考リンク】

東京商工リサーチ「洋菓子製造(株)アルベリ」について

アルベリ(ALBERI)の公式サイト