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小机駅北口(日産スタジアム側)から歩いて約8分の場所にある「鶴見川流域センター」

小机駅近くにある「鶴見川流域センター」の来館者数が右肩上がりに伸びています。鶴見川に関する防災情報を発信する施設として、国土交通省関東地方整備局が2003年9月に開設。開館当初は1万3000から1万5000人台だった年間来場者数は、この5年ほどは2万人台後半で推移しており、今年(2017年)3月には累計入場者が30万人を突破しました。港北区民にとって身近な存在でありながら、知る機会の少ない鶴見川について、子供から大人までが楽しみながら学べる場として定着したことがうかがえます。

行政の枠を超えて共同で鶴見川流域を守っていこうというプロジェクト「鶴見川流域水マスタープラン(水マス)を伝える役割を担う

小机駅北口(日産スタジアム側)から歩いて約8分、新横浜公園と鶴見川が一望できる地(多目的遊水地交差点)に建てられた鶴見川流域センターは、洪水が多発していた川の治水対策として2004年に作られた総合ビジョン「鶴見川流域水マスタープラン(水マス)」を発信することを目的としています。

この「水マス」は、鶴見川が流れる横浜市や川崎市、東京都町田市の自治体と東京都や神奈川県、国の6者が共同で鶴見川流域を守っていこうというプロジェクト。都県や市の枠にとどまらず、川が流れている「流域単位」でこうした計画が作られているのはめずらしいといいます。

港北区や鶴見区などの中流や下流域では、幾度も洪水を引き起こすことで恐れられた“暴れ川”だっただけに、水マスには行政だけでなく、地域住民にも積極的に鶴見川を知って関わってほしいとの思いも込められています。

こんなに魚がいたのか!「ミニ水族館」に驚き

鶴見川に生息する魚だけで構成された「ミニ水族館」は人気

そんな水マスプランと接する場として生まれた鶴見川流域センターは、鶴見川の歴史から自然、そして防災まであらゆる内容を知ることができる“鶴見川流域の総合博物館”といった雰囲気です。

入るとすぐに現われるのが、鶴見川に生息する魚だけで構成された「ミニ水族館」で、可愛らしいメダカをはじめ、フナやモロコ、アユ、オイカワ、ボラ、ハゼ、ドジョウ、そしてウナギまで約60種類が展示されています。普段は何気なく見ている川のなかには「これだけの魚がいたのか」と大人でも驚かされるはず。ザリガニやカニは実際にさわれるようになっており、子どもにとっては貴重な経験となりそうです。

自らの家の位置などと鶴見川の位置関係が分かる巨大な航空写真も

館内には鶴見川流域の全体を写した巨大な航空写真が床一面に貼られており、写真上から自分の家の場所を見つけることで、川との位置関係や地形の確認が可能です。

さらに、流域全体の山や丘などの凹凸(おうとつ)を再現した模型も置かれており、山の中腹にある鶴見川の源流付近から、“水”に見立てたビー玉を流してみると、ほとんどの玉が新横浜や小机付近の場所で滞留してしまいます。上流で降った雨が多くなれば、港北区周辺が溜まってしまう地形となっていることが分かるようになっています。

新横浜公園は大倉山や綱島などでの洪水防ぐ役割

屋上の展望スペースから日産スタジアム周辺が「池」となった際の写真を眺めるとその役割がよくわかる

同センターの屋上には展望スペースが設けられており、日産スタジアムなどの新横浜公園を一望することが可能です。平常時はスポーツや憩いの場として親しまれている公園も、大雨の時には「鶴見川多目的遊水地」に一変。鶴見川の水が溜まってしまう地形を生かし、川からあふれそうな水を一時的に貯める「池」として活用できるようになっています。ここで大量の水を“預かる”ことにより、新羽や大倉山、綱島、幸区、鶴見区などの下流に広がる街に水があふれ出さないようにしているわけです。

2003年からこれまでに17度にわたり遊水池として活用された実績があるといい、公園が池のように水で覆い尽くされた写真を見ながら、緑あふれる今の姿を眺めると、新横浜公園のありがたさが身に染みてくるかもしれません。

暴れ川の記憶を伝える役割も担う

身近な鶴見川を学ぶことができる鶴見川流域センターは、幾多の洪水被害を引き起こした“暴れ川”時代の記憶が地域で薄れつつあるなか、その歴史を伝える貴重な防災施設でもあります。

毎週火曜日と年末年始入場を除き、入場無料で開館しています。小机城址や新横浜公園への散策や散歩、または日産スタジアムへ行く途中に、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

【関連記事】

<コラム流域思考>暴れ川だった「鶴見川」の記憶、未来にそなえる流域思考の連携へ(2017年5月1日)

【参考リンク】

地域防災施設「鶴見川流域センター」

鶴見川流域水マスタープラン(国土交通省京浜河川事務所)

鶴見川多目的遊水地事業とは(国土交通省京浜河川事務所)

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