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今回「振り込め詐欺」を街角での声かけによるストップをさせた功労者の柳田好美さんは港南区在住。2012年に大豆戸地域ケアプラザの所長に就任、今年で4年目を迎える。(写真右は港北警察署の陶山和美署長)

今回「振り込め詐欺」を街角での声かけによるストップをさせた功労者の柳田好美さんは港南区在住。2012年に大豆戸地域ケアプラザの所長に就任、今年で4年目を迎える。(写真右は港北警察署の陶山和美署長)

“超高齢化社会”でより重要な役割を果たすであろう、大豆戸ケアプラザの所長が振り込め詐欺を未然に阻止し表彰されました。2016年6月28日、JR・東急菊名駅近くの銀行ATMで、携帯電話で通話をしながらお金を振り込もうとしている女性に注意喚起し、結果、入金するのをストップさせた、大豆戸地域ケアプラザ(大豆戸町)所長の柳田好美(やなぎだよしみ)さんが、7月25日に、港北署(大豆戸町)から、その功労を称え、感謝状を贈呈されました。

柳田さんは、社会福祉法人横浜市福祉サービス協会(本部:神奈川区)に所属。横浜市がほぼ中学校の学区単位で設置しているという地域ケアプラザの所長として、菊名駅、大倉山駅、そして新横浜駅にまたがる広域エリアを担当する大豆戸ケアプラザの運営を行っています。

日頃から、地域ケアプラザの業務で高齢者の対応には「慣れています」と柳田さん。たまたまATMでお金を下ろそうと、立ち寄った菊名駅近くのATMコーナーに、「いつもと様子が違い、人がたくさんいて、ちょっと困ったな、と思いました」と、空いていることが多い日常と異なる雰囲気を感じたといいます。

港北警察署にて7月25日に柳田さんの功労に対する感謝状の贈呈が行われた

港北警察署にて7月25日に柳田さんの功労に対する感謝状の贈呈が行われた

ATMには、携帯で電話をしながらお金を下ろそうとしている被害者の70代と思われる高齢の女性と、その隣でATMを使っていた男性が。この男性は、立ち去る時に「(高齢女性について)この人、危ないよ」と言い、その場を去ります。被害者の後ろに並んでいた2名の女性も、ATM操作中の女性を気にして覗き込んでいる様子。高齢女性は、「普通(口座)で良いですよね」と電話の相手(犯人)と話しながら、ATMの番号を押していました。

これを見かねた柳田さんは、「携帯、ダメでしょ」と声をかけるも、高齢女性は「ほっといてくださいよ。大切な、大事なことを話しているんだから」と言って、怒って操作を止めることを拒んだといいます。

しかし、周りの女性らも含め、「ケアプラザの人だから大丈夫ですよ」と言い、なんとか電話を切らせることに成功した柳田さん。

外で事情を聞くと、高齢女性は、「健康保険組合から電話があり、書類を郵送したが届いたか、とまず言い、届いていない、捨ててしまったかも、と言うと、1万円余りお金を戻す手続きがあるので銀行に連絡します」というようなやりとりを朝から行っていたとのこと。家族はいるのか、と聞くと、「一人暮らし」だといいます。

柳田さんが施設長を務める大豆戸地域ケアプラザは2000年9月に開所。菊名駅、新横浜駅、そして大倉山駅と3つの駅をまたがる大変広いエリアを担当している

柳田さんが施設長を務める大豆戸地域ケアプラザは2000年9月に開所。菊名駅、新横浜駅、そして大倉山駅と3つの駅をまたがる大変広いエリアを担当している

女性は神奈川区在住だったことから、自分のケアプラザ担当区域ではなかったことから「交番で詳しく話しましょう」と促した柳田さんにより、次第に「私、だまされたのかしら」と、高齢女性の顔つきが変わっていき、ようやく女性は「振り込め詐欺」だと気が付きます。

「わずか1万円、という説明から、後ろに桁数(0の数字)を追加で押させるなどし、多額の現金をだましとられることがあります」と、今回の柳田さんの功績をたたえる港北署の陶山和美(すやまかずよし)署長はいいます。「時間帯的に、特に14時過ぎ、15時で銀行が閉まり、振り込みができなくなる、という言葉で被害者を焦らせる作戦もあったのでは」と、朝からの電話で信じ込ませ、午後ギリギリで振り込ませる、という手口について分析します。

ATMの場所も、わざわざ犯人から「人があまり普段いない場所」を指定してきたといい、「ほとんど洗脳されてしまっているといっても良いかもしれません。犯人の手口で、今年(2016年)港北区で5500万円という1人あたり最高額の被害も出てしまっています。絵画のオークションで、今買わないと、と焦らせたケースもありました」と陶山署長は、被害者を信じ込ませる犯人の悪質な数々の犯行事例についても例に挙げ、その悪質さを説明します。

今回の柳田さんの大きな功労について、「いつも金融機関の皆さんには、こういった振り込め詐欺を防ぐためのお願いをしているのですが、一般の通りかかった方が、詐欺を発見し、注意喚起をすることで犯罪を未然に防いだというのは、本当に素晴らしいこと。実際に、“だまされたふり作戦”で、今年に入ってから港北署で6名犯人を逮捕していますが、役割を何人もの人数で分担しており、なかなか組織の中枢には食い込めないのが実情です。街や地域ぐるみで、こういった犯罪を撲滅するための声かけをしてくださるのはとても有り難いと思っています。皆さんも、振り込め詐欺が疑わしいケースについては、ぜひ、積極的に柳田さんのような行動を取っていただけたら」と、地域で犯罪を防ぐことの大切さを強調します。

大豆戸ケアプラザの入口では、2013年に誕生したキャラクター「まめっち」が出迎えてくれる

大豆戸ケアプラザの入口では、2013年に誕生したキャラクター「まめっち」が出迎えてくれる

柳田さんは、「地域ケアプラザは、高齢者はじめ、障がいがある方、子育て中の方など、どなたでも立ち寄っていただける地域の相談場所となっています。窓口も役所などと違い、一つです。ぜひ、日々の生活で不安なことがあれば、立ち寄ってもらいたいと思いながら仕事をしています。今回も、そういった日々の地域ケアプラザでの取り組みが犯罪防止につながったと思っています。ぜひ、これからも地域で暮らす皆さんのため、頑張ってゆけたら」と、これからの意気込みも語ってくれました。

これからさらに高齢化社会が進み、地域での「見守り」もより大切になることが予想され、地域ケアプラザの役割も、より大きくなっていくと思われます。

柳田さんの活躍は、港北区、横浜市独自の施設で、他の都市にはない特長である「地域活動・交流拠点」としての役割も持つ地域ケアプラザの今後の活動にもより良い影響を与え、また、多く横浜市民に勇気と希望を与えるものであったといっても過言ではないと思われます。

(※)この記事は「横浜日吉新聞」と共通配信記事です

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<深刻化する振り込め詐欺>ベテラン従業員の機転で被害を未然に防いだ「いなげや綱島店」(2016年6月24日、横浜日吉新聞)

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【参考リンク】

大豆戸地域ケアプラザホームページ(社会福祉法人横浜市福祉サービス協会)

地域ケアプラザ(港北区福祉保健課)

地域の身近な交流・相談の場~地域ケアプラザ~(横浜市健康福祉局 地域支援課)

振り込め詐欺被害防止講座~振り込め詐欺に新しい手口!!(港北警察署)

振り込め詐欺急増中!こんな手口にご注意を(もっとも狙われているのは70~80代、神奈川県庁)

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